「保険診療」予約なくても受付時間内に入室すれば診察可能
★院内処方も、患者様に多く処方する薬に対して一部対応しています
ニキビ | 手荒れ・肌荒れ | じんましん | アトピー |
湿疹 | 水虫 | 帯状疱疹 | いぼ |
シミ・肝斑(かんぱん) | ハイドロキノン | 水虫(足白癬) | ホクロ |
乾癬 | ケロイド | ワキ汗 | 脱毛症 |
薬疹 | 虫刺され | 小児皮膚科 | 床ずれ |
美容皮膚科 | 皮膚外科 | まき爪 | 接触性皮膚炎 |
アナフィラキシー | 老人性乾皮症 | ふけ症 | 皮膚掻痒症 |
単純疱疹 | あせも | ラテックスアレルギー | おむつかぶれ |
コロナ皮膚症 | 老人性乾皮症 | ふけ症 |
慶友銀座クリニックでは、銀座及び築地に勤務やお住まいの皆様のために皮膚科の外来を行っています。保険診療が主体なので安心して受診してください。担当は東京都済生会中央病院の皮膚科部長先生です。これまで保険外の美容皮膚科で高額に診療されていたものも、日本皮膚科学会専門医による丁寧な診察と的確な保険診療による処方により治癒していくことが多いようです。他院での皮膚の保険外治療で、満足度が少ないと感じられるかたは、慶友銀座クリニックの皮膚科保険診療をうけてみて下さい。保険外の治療が、皮膚の病気に対して本当に必要なのかどうかも、診察内容とともにお話をします。
皮膚科は奥が深く、軟膏でも先発品の効果が高いものと、後発品でも十分な効果を示すものがあり、これらを症状にあわせて組み合わせながら処方し、患者様に保険診療による満足度の高い医療を提供いたします。ほとんどの皮膚科の病気は、保険診療で対応できます。皮膚科的トラブルがあれば、まず御受診ください。悪性疾患から、銀座や築地にお住まいの子供さんの皮膚炎まで対応します。当院で対応できない疾患があれば、東京都済生会中央病院又は慶應義塾関連病院への紹介を行い、保険外の診療が必要な場合は担当医が知っている信頼の置ける医療機関をご紹介します。また保険外診療機関に対しては、紹介状の料金は頂いておりません。
継続処方を希望な患者様に対しては、皮膚科の診療時間外であっても、院長をはじめ担当医が状態をみて診断後処方しますので、慶友銀座クリニックの診療時間内であれば、いつでもご来院下さい。皮膚科の外来は、火曜日午後5時30分~6時30分(受付時間)です。午後6時30分まで入室して頂ければ、予約無しでも随時診察します。仕事が終わった後にでもお気軽に受診して下さい。
当院は耳鼻科が中心のクリニックですが、皮膚科を診察する場合はその道の大家の先生をお招きし保険での診療をします。
皮膚科疾患には様々な怖い病気が隠れていることがあります。
ダーモスコピー(携帯顕微鏡)での観察が必要です。悪性や難病疾患も対応可能です。
安心してご受診下さい。
[ダーモスコピー検査]
慶友銀座クリニックの皮膚科外来では、ベテランの日本皮膚科学会専門医が担当します。ニキビは皮膚の慢性炎症性疾患です。ニキビ痕を残さない一番の治療は、ニキビができにくくなる肌の状態をキープし、できてしまったニキビは可能な限り早く治すことです。抗菌剤の内服や塗り薬や保湿剤を中心に処方します。肌の状態やニキビの状態を考えて、保険診療での治療をご提案しています。
ニキビは皮膚のアブラ成分の分泌が多いことと、毛穴の先が詰まることで、毛穴にアブラ成分がたまることで始まります。この状態を面皰(めんぽう:白ニキビ)といいます。
面皰の中は菌(常在菌アクネ菌)が増えやすい環境にあります。面皰内でアクネ菌が増えて炎症が起きると赤みを伴う「赤ニキビ」になり、炎症がさらに進んで膿が溜まると「膿疱のうほう:黄にきび」となります。適切な治療をせずに放置すると、更に進展して、強い炎症を生じてしまい、毛穴の周囲の皮膚に障害を与えてしまい、ケロイド状に盛り上がったり凹んだりしてニキビ痕(瘢痕)を残しす。顔や肩や、胸、背中などの皮脂の分泌の多い場所に、白から赤や黄ニキビまでできやすく、これらが混在した状態です。
白ニキビ ⇒ 赤ニキビ ⇒ 黄ニキビ ⇒ ニキビ痕
にきびができた時期や経過(何か塗り薬を使用していたか)や体調(女性の場合は生理不順や生理周期)や生活習慣について問診します。視診だけでなく、ダーモスコピーという簡易顕微鏡による検査や、症状が重い場合には血液検査やホルモン検査を行う場合があります。
日本皮膚科学会の専門医が、問診内容をもとに、ニキビ治療の全体像や治療目的の説明と、ライフスタイルを考えた、患者様の肌にあったニキビ治療を提案します。洗顔の方法や食生活、日常生活等 についてもアドバイスを受けることもあります。
主なニキビ治療は薬物療法です。症状にあった治療薬を処方します。場合によっては外科的な処置を行うこともあります。保険が適用されるお薬として、ニキビの原因菌が増えるのを抑える外用塗り薬(過酸化ベンゾイル)や、毛穴のつまりには外用塗り薬(レチノイド)、抗生剤内服及び抗生剤を含む外用塗り薬などがあります。薬の使い方をしっかり聞いて、正しい薬の使い方を理解しましょう。
皮膚が敏感な方やアトピー体質などの方にできやすいです。一旦悪化すると治りにくいです。適切な外用剤や保湿のケアとともに、刺激となる原因を避けることが治療上必要です。早期治療により、早い完治が期待されます。
手荒れ・肌荒れには以下の3つの原因が重なって治りにくいです
①外的刺激による皮脂の減少
皮膚表面の皮脂膜という保護膜が、水仕事などで皮脂が取れてしまうことでおこります
②皮膚のバリア機能の低下による湿疹(かぶれ)
③手荒れ・肌荒れになりやすい体質・素因
刺激に敏感な体質(バリア機能が弱い)やアトピー性皮膚炎などの敏感肌の方にできる傾向にあります。一般的に冬悪くなり、夏に軽減する方が多いです。
手荒れや肌荒れの初期の症状は、乾燥による肌のかさかさ感や痒みとなります。特に手指の場合に乾燥だけでなく、赤みやかゆみや皮膚がめくれることもあります。亀裂ができたり、小さな水ぶくれがみられることもあります。症状が進むと指の指紋が消えることもあります。
場合により菌の感染の有無を確認するため、皮膚の鱗屑をとり顕微鏡で検査することもあります。手に接触したり、扱っているものでかぶれを起こしている可能性のある場合は、関連病院にて原因物質の検索をすることもあります。
・保湿剤(尿素軟膏やワセリンなど)でこまめに保湿し、皮膚のバリア機能を保つようにします
・ステロイド外用剤(症状に応じて強さを変更)
・亀裂・ひびわれの治療(亜鉛華軟膏等・テープ剤)
皮膚の一部が突然赤く盛り上がって(膨疹)、しばらくすると消えてしまう病気です。かゆみを伴うことが多いですが、チクチクとした感じや、焼けるような感じを伴うこともあります。個々の皮疹は数10分から数時間以内に消えてしまいますが、1日くらいまで続くものもあります。形はさまざまで、それらの形に本質的な意味はありません。
アレルギー性(Ⅰ型即時型アレルギー)と非アレルギー性に大別されます。アレルギー性は食べ物や薬剤などに含まれているアレルゲンとなる物質を摂取すると数分あるいは数時間後に強いかゆみを伴った発疹が現れます。非アレルギー性は物理的な刺激で起こる蕁麻疹であり、機械性じんましんや、寒冷じんましん、日光じんましん、ラテックスなどの接触性じんましんがあります。
蚊に刺されたような赤みをもった膨らみ(膨疹)があらわれます。膨疹の大きさや形は様々で、膨疹同士がつながり、地図のように拡がることもあります。膨疹は24時間以内に消えることが多いです。部位は体のどの部位でも起こりえます。
特定の食品で起こる場合は、その食品を避けるようにします。摩擦や圧迫などの刺激で繰り返し出る場合にもそれを避けるようにします。患部を冷やすことや、抗ヒスタミン・抗アレルギー薬の内服が有効です。蕁麻疹以外に、意識の低下や呼吸困難などの症状が現れた場合には、アナフィラキシーショックの可能性があり、早急な治療が必要です。
「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2018」では、2000年~2002年度の全国調査では4ヶ月児12.8% 1歳半児9.8% 3歳児13.2% 小学1年生11.8% 小学6年生10.6% 大学生8.2%でした。2006年~2008年厚労科学研究では、成人の有症率は20歳代が10.2%、30歳代が8.3%、40歳代が4.1%、50+60歳代が2.5%でした。男女別で男性が5.4% 女性が8.4%と女性に高く、特に20歳代女性で高いという結果でした。思春期・成人期のアトピー性皮膚炎症状の特徴として、顔面・顎部・胸部・背部等上半身に皮疹が強い傾向があり、皮疹が顔面から顎部に顕著な顔面型や、掻痒の強い丘疹が体感、四肢に多発する掻痒型の皮疹を呈する場合もあり、全身に拡大し紅皮症に至る重症例も報告されています。出現部位として、皮疹は身体のどこにでも出現しますが、外的要因が加わる部位に皮疹が早く又は強く出現して、皮疹は原則として左右対称性に出現する傾向にあります。
アレルギーを起こしやすい体質の方や、皮膚のバリア機能が弱い方に多く見られる皮膚の炎症を伴う病気です。主な症状は湿疹とかゆみです。再発を繰り返し、慢性化することが特徴です。
疾病名 | 20歳-44歳 | 45歳-69歳 | 70歳以上 | 20歳以上 合計 |
喘息 | 17% | 17% | 17% | 17% |
アレルギー性鼻炎(花粉症含む) | 19% | 25% | 13% | 57% |
アトピー性皮膚炎 | 44% | 16% | 4% | 64% |
結膜炎(非アレルギー含) | 16% | 27% | 43% | 86% |
参考)NPO日本アトピー協会通信紙 アトピーナウVol136
バリア機能異常と免疫の過剰反応によるものです。長時間皮膚に加わる強い刺激やストレス、疲労なども免疫を不安定にして、アトピー性皮膚炎を悪化させることがあります。
血液検査:TARC値 好酸球数値 総IgE抗体値 特異IgE抗体値
皮膚症状(軽微・軽症・中等症・重症)の4つの段階に分けられます。段階で治療法が変更します。症状改善すると1段階軽い段階の治療へ変更します。悪化した場合、治療を1段階悪い段階に変更します。最終的に保湿剤のみで、日常の生活に問題がない程度へ安定させることを目標としています。
①無症状の状態にする、又は症状はあっても日常生活では特に支障がなく、薬物による治療もほとんど必要ではない状態。
②軽度の症状は続いてしまうが、いきなりの悪化はなく、悪化してもその状態が続かない。
①洗浄と入浴により、皮膚を清潔に保つ
②皮膚の乾燥に対して、保湿薬を全身に塗布
③皮膚炎症に対し、ステロイド外用薬・タクロリムス軟膏を塗布する
④強い痒みに対して、抗ヒスタミン薬・抗アレルギー剤を内服する
皮膚の表面に痒みのある赤色の斑(紅斑)、盛り上がった斑(丘疹)、かさかさした(鱗屑)等ができて、痒いので掻いていると、だんだん病変部分が拡大していきます。もともとあった皮疹も水膨れになったり、膿がたまったり、、じゅくじゅくしたり、黄色に浸出液がでてくることがあります。うまく経過をするとかさぶたになり治癒してきますが、治りかけにまた引っ掻いてしまうことにより、病変部の皮膚が厚くなったり、皮膚の色素沈着がついてしまうことがあります。
うまく経過すると、かさぶた(痂皮)のようになって、治ってきますが、治りかけにまた引っ掻いたりすると、また盛り上がってきたり、じゅくじゅくしたりしてなかなか治りません。これを繰り返してるうちに病変部の皮膚が分厚くなったり(苔癬化)、皮膚に褐色調の色がついて(色素沈着)なかなかとれなくなったりします。
化学物質の刺激が原因である「刺激性接触皮膚炎」と、アレルギー反応がおこす「アレルギー性接触皮膚炎」があります。原因の物質が接触した部分だけ症状が出るのが特徴です。
水・洗剤を使う主婦や美容師がなりやすいといわれています。「乾燥型:皮膚がカサカサでひび割れ」と、「湿潤型:小さなぶつぶつや水膨れ」に分類されます。
アトピー(アトピー性皮膚炎)参照
肌が乾燥して痒みを感じて、さらに掻き続けて湿疹ができる。高年齢者に多く、秋~冬にかけ、空気が乾燥する季節に発症しやすいです。
頭部や髪の毛の生え際や顔面など、皮脂分泌の多い部位より、乾燥したうろこ状・湿性のフケがでる。男性(思春期~中高年)に多い。気候変化・ストレスにより、肌にいる常在菌のバランスが崩れてしまい、マラセチア(カビ)が増殖して起きます。
掌にかゆみのある小さなぽつぽつ。
汗疱を基盤として、生じる手湿疹
腕・脚・胴体にコイン状の湿疹・炎症
帯状疱疹の原因は水ぼうそうと同じウイルスです。水ぼうそうは多くの場合、子供の頃に発症して約1週間程度で治ります。日本の成人の9割がこのウイルスを持っています。帯状疱疹は50歳以上で増加し、80歳迄に日本人の3人に1人が発症します。顔面神経麻痺や、長い間続く神経痛の原因となります。治癒した後もこのウイルスは体内に隠れて生きています。体の免疫力の低下(加齢・疲労・ストレス・病後等)により、水ぼうそう後に体の神経に長年潜んでいたウイルスが活動化し、強い痛みを伴う皮膚症状をおこします。
[原因]
水痘・帯状疱疹ウイルスの初めての感染により水痘(みずぼうそう)になってしまいます。このときに皮膚にできた発疹から神経を経由して伝播し、後根神経節内にウイルスが潜伏しますが、過労や免疫機能の低下により、潜伏したウイルスが再活性してしまい、神経節内で増加し、知覚神経を通り、表皮に達して、表皮の細胞に感染して、そこで更に増殖し、赤い丘疹や水疱が神経の走行に従い帯状にでます。他人からの感染で帯状疱疹にはなりません。
[症状]
多くは、数日から10日間程神経痛のような痛みがあるのが特徴です。その後は、体の左右どちらかの神経に沿って帯状に赤い発疹が出現します。赤い発疹が続いた後、中央の部分が窪んだ水疱(水膨れ)が出現しますが、皮膚と神経両方でウイルスが増殖して炎症が起こっているので、皮膚症状に加え強い痛みがあります。顔面に起きる帯状疱疹はラムゼイ・ハント(Ramsay・Hunt)症候群といわれ、強い顔面神経麻痺をおこします。他に角膜炎や結膜炎などの目の症状を起こすこともありますが、腰部や下腹部に発症すると便秘になったり、尿が出にくくなることもあります。
[治療]
ともかく的確な診断のもとに、なるべく早くの治療が必要です。帯状疱疹の発疹や水膨れなどは治療を行わなくても自然治癒してしまうことがありますが、放置してしまうと頭痛や高熱が出ることもあります。顔面神経や難聴などが出現した場合は、早期治療がカギとなります。
治療の中心は抗ウイルス薬(一週間程度)です。水痘帯状疱疹ウイルスの増殖を抑えます。72時間以内の投与が有効です。最近は次々と新薬がでています(ヘリカーゼ・プライマーゼ複合体アメナメビル)。症状が強い方や、顔面神経麻痺などの神経症状が出た場合は、入院による治療が望ましいです。疼痛が強い場合は、ペインクリニックによる局所麻酔を直接注入する神経ブロックも有効とされています。
生ワクチン(従来) | 不活化ワクチン(新型)推奨 | |
注射の回数 | 1回 | 2回(2~6か月間隔) |
追加接種 | 5年間毎 | 追加接種不要 |
対象年齢 | 50歳以上 | 50歳以上 |
接種方法 | 皮下(痛み++) | 筋肉(痛み+++) |
副反応 | 軽度 | 中等度(重篤なもの無) |
予防効果 | △発症50%減少 | ◎発症95%減少 |
妊婦・免疫不全者への投与 | 不可 | 可能 |
「水虫」ということで受診した患者様の多くが湿疹であったという報告もあります。湿疹であるのに、水虫として治療すると、症状が悪化してしまいます。どこまで感染しているかを的確に診断することが大切なので、ちゃんと病気をおこしている場所の組織をとって、顕微鏡でその場で判断することが治療に必要です。慶友銀座クリニックでは、日本皮膚科学会のベテラン専門医が、高規格顕微鏡を使ったその場での的確で迅速な診断をもとに、治療します。白癬菌は手・体にも感染しますが、9割は足からです。皮膚にカビが寄生し病気になるのは、新規に皮膚科を受診する患者のおよそ10%程度で、そのうち9割が白癬(足白癬・水虫>爪白癬)との報告があります。
[原因]
白癬菌(はくせんきん:皮膚糸状菌)というカビの一種が皮膚に感染しておこります。白癬菌は皮膚のたんぱく質(ケラチン)を栄養源とします。また温かくて湿った環境を好むので、靴下や靴でおおわれる蒸れやすい環境の足の皮膚(角層)で増殖しやすく、感染がおこります。白癬菌に感染している人の足から剥がれ落ちた皮膚の一部に感染している白癬菌が、スリッパ・サンダルや足ふき用マット・タオルを介して感染伝播します。水虫を感染している人は、高率に家庭内・スポーツジム・公衆浴場で感染させてしまうことがありますので、注意しましょう。成人男性だけでなく、女性や子供や高齢者にもよくみられます。
[症状]
指と指の間が白くふやけてしまう、小さな水疱ができてしまう、カサカサして皮がむけるという症状があります。足の水虫は症状より大きく3つのタイプがあります。また爪に感染する爪白癬(爪が白や黄色くなり濁ってくる)があります。日本では、5月には20%の人が足白癬があり、10%の人が爪白癬があるとの報告があります。水虫は痒いと思われておりますが、下記の小水疱型が痒みが多く、夏痒みが多いが秋以降は痒みが収まっている人が多いです。かゆみを伴う水虫は全体の10%程度です(特に小水疱型に多い)。かゆみがある場合も、特に夏季にかゆく、秋以降はかゆみがおさまっていることが多いです。痒みが収まると水虫が治ってしまったと勘違いする方もいますが、気温や湿度が下がって白癬菌が減少しただけで、あったかくなると増殖して再発することが多いので、水虫の治療は完全に治療することが大切です。再発しやすい病気なので、自覚症状がなくなっても安心しないで、医師の診断のもとでの継続治療が必要です。
・趾間型(しかんがた):
足の指の間の水虫です。赤くなったり皮が剥けたりします。乾燥タイプは皮がむけてしまいカサカサします。湿潤型は、ひどくなるとだだれたりし、痒みは乾燥タイプよりも強いです。
足の水虫はその症状から3つのタイプに分けられます。
・小水疱型:
足の裏の土踏まずに小さい水疱ができ、ひどくなると痒くなります。
・角質増殖型:
比較的稀なタイプです。足の裏の全体に白癬菌が増殖してしまい角質層が厚くなり、表面がざらざらし、ひび割れてきます。痒みは少ないです。
[検査]
皮膚の表面にある角層や毛や爪に白癬菌は寄生します。白癬菌が寄生している患部の皮膚をメスやハサミでほんの少しとり、顕微鏡でその場で当院所属の日本皮膚科学会のベテラン専門医が観察し、その場(その日に)で診断します。
[治療]
足の清潔と乾燥を常に心がけて、家族間での感染を避けることがとても重要です。皮膚の角質に感染している白癬は、抗真菌剤入りの塗り薬を医師の指示通り、週~月単位で忘れずにきっちり塗布することでよくなります。市販薬は白癬菌に効果のある成分だけでなく、かぶれてしまう成分が配合されているので、病院で処方される薬よりもかぶれる頻度が高く、治療が中止してしまうことがあり、水虫と似た病気も多く、素人判断で水虫と判断することは危険です。当院では市販されていない、新しタイプのお薬も、皮膚科医が処方します。
角層が増殖している場合や髪や爪まで寄生している場合は飲み薬による治療が必要となる場合もありますが、かなり強い薬なので副作用や他の薬剤との飲み合わせを考慮して大病院への紹介による処方になる場合もあります。自覚症状は、塗り薬を塗布すると2週間程度で軽快し、自己判断で治療を中止してしまうことが多いです。足白癬は自覚症状がない場所にも存在することがあります。医師の指導の下で塗り薬をつけていくことが大切です。またきちんと治療をしても、家族や、本人がバラまいた白癬菌による再感染がありますので、中途半端な治療による自己中止はやめましょう。
大きく分けてウイルス性と加齢によるものがあります。いぼとは皮膚から盛り上がってできる小さなできもののことをいいます。一般的にはウイルスで感染したものをイボといいます。
① 尋常性疣贅(じんじょうせい ゆうぜい)
ヒト乳頭腫ウイルス(HPV-2・4・7・27・57)感染によります。
いわゆるイボで、指や手背や足底に好発して、自覚症状はほとんどありません。
治療は液体窒素による冷凍凝固や、グルタルアルデヒド等の外用、炭酸ガスレーザー、電気凝固、自然治癒もあります。
② 扁平疣贅(へんぺい ゆうぜい)
ヒト乳頭腫ウイルス(HPV-3.10)感染によります。
青年期女子の額や頬や手背に好発します。扁平に隆起するイボで多発し、淡紅色で自覚症状はほとんどありません。
治療は液体窒素による凍結療法や、ヨクイニン内服をします。
③ 尖圭コンジローマ(せんけい こんじろーま)
ヒト乳頭腫ウイルス(HPV-6.11)感染によります。
外陰部に乳頭状の丘疹を形成し、性感染症(STI)の一種です。潜伏期間は2-3か月です。
治療は液体窒素による凍結療法や、イミキモド外用や外科的切除です。
④ Bowen様丘疹症(ぼーえん ようきゅうしんしょう)
ヒト乳頭腫ウイルス(HPV-16)
尖圭コンジローマの特殊型で、外陰部に多発する丘疹です。日本人では黒色です。悪性化は稀で、自然治癒する場合があり、治療は凍結療法や電気焼灼を行います。
⑤ 疣贅状表皮発育異常症
ヒト乳頭腫ウイルス(HPV-5.8)感染によります。先天的なHPVに対する免疫異常によります。青年期以降に皮膚悪性腫瘍を発症することが多いです。予防的にサンスクリーン外用やレチノイド内服も効果的です。
⑥ 伝染性軟属腫
伝染性軟属腫ウイルスによる「みずいぼ」です。小児に好発しAIDS患者では顔面に多発する例もあります。2-10ミリのドーム状の小結節が多発し、内容物が表皮に付着すると次々と自家感染します。治療はピンセット(トラコーマ鑷子)で除去するのが最も確実です。
⑦ 老人性イボ(老人性疣贅 脂漏性角化症)
30代から出現し、加齢変化とともに増える良性の腫瘍です。悪性することはほとんどありませんが、炎症を起こしたり、日常生活で不都合があるばあいは治療したほうがよいです。原因は加齢と紫外線で、遺伝の関係もあるといわれています。全身どこでもでき、特に日光が当たる頭や顔に多いです。専用の拡大鏡(ダーモスコピー)を使って診断します。場合により皮膚の生検をすることがあります。治療は液体窒素による凍結や、炭酸ガスレーザーによる焼灼、外科的切除があります。
●シミ
紫外線にあたると、肌を守る為にメラニン(色素)がつくられます。通常に一時的な日焼けなら1か月で消えていきます。長い時間や強い紫外線を浴びてしまうと、長時間または強い紫外線を浴びると、メラニンを生成するメラノサイトの数が増えてしまい、メラニン生成は活発化します。老化や、肌への大量の紫外線、ストレス等により、消えてしまうはずのメラニンが溜まってしまい、色素沈着してしまったのがシミです。当院では、基本的な診断・治療により、肌の状態や疾患の種類について正確な診断をし、適切なケア方法を選択し、肌の状態の改善を促します
●肝斑(カンパン)
妊娠やピルの服用との関係が指摘され、肝斑は女性ホルモンのバランスが影響してできるシミと考えられています。30歳から40歳代の女性(50代後半まで)に発生しやすいです。閉経とともに薄くなり、消退傾向になります。症状は、輪郭・形状が、ぼんやり広がり、大きめで広範囲にわたることが多いです。季節により濃さがかわってきます。頬骨のあたりにできやすく、左右対称にできることが多く、額や口の周囲にもできることがあります。プラスミンという炎症に関係する酵素を抑制し色素沈着抑制効果をもつトラネキサム酸の内服や、メラニンの産生量を抑えるビタミンCの内服が有効といわれています。
ホクロは、一般的に後天性の色素性母斑のことです。メラニン色素を産生するメラニン細胞が変化した母斑細胞の増殖による皮膚の良性腫瘍です。外科的手術での切除治療が可能です。とても稀ですが、ホクロの中には悪性黒色腫(メラノーマ)や皮膚癌という悪性腫瘍とみかけが似通っている可能性もあります。診断能力が高い、皮膚科を標榜する専門医で診察と治療を行う必要があります。皮膚科を標榜しても、ダーモスコピー検査を行っていない医療施設もありますが、当院では日本皮膚科学会専門医が、ダーモスコープというライトがついた特殊な拡大鏡を使い診断します。下記の項目は悪性の可能性があり注意が必要です。このときは手術は慎重に考慮すべきであり説明します。
<ABCDE ルール>
□ A(Asymmetry) 左右が非対称 形が左右で対称ではない
□ B(Border Irregularity) 境界不明瞭、凹凸の切れこみ、周囲不鮮明
□ C(Color) ホクロの一部の色が部分部分で異なる
□ D(Diameter) 直径が6ミリを超える
□ E(Evolving) ホクロが急速に大きくなり、形や色が経時的に変化
外的な要因:感染症 ストレス 乾燥 外傷 喫煙 飲酒 衣服の刺激
内的な要因:糖尿病 高脂血症 肥満 妊娠出産
これらが、免疫機能に異常をきたしやすい体質(遺伝的・環境要因)を刺激して乾癬が発症すると考えられています。
乾癬の種類と主な症状
尋常性乾癬:落屑 紅斑 鱗屑
滴状感染:滴状の皮疹
乾癬性関節炎:手指の関節の腫れや痛み 変形
乾癬性紅皮症:全身性の紅皮
汎発性膿疱性乾癬:発疹 悪寒 全身の倦怠感を伴う紅斑
治療法は外用療法(ビタミンD3 ステロイド)、光線療法(ナローバンドUVB PUVA) 、内服療法(シクロスポリン、レチノイド、アプレミラスト)、生物学的製剤
ケロイドは傷を直すための炎症反応が続いてしまい、正常な皮膚もダメージを受けてしまう状態です。原因としては遺伝的要因や女性ホルモンや高血圧症があります。予防が大事で、ケロイド体質の人は手術を受ける前は術前に相談する、傷が引っ張られないように安静を保ち、血圧をコンロトールします。
治療はまずは薬物療法、テープによる安静・固定・圧迫、注射やレーザー治療や手術も場合により効果的です。治療としてのリハビリメイクもあります。
銀座や築地地区のOLさん達はおしゃれな方が多いです。夏になると、でもわき汗が気になるのではないでしょうか。多汗症とは、日常の生活で困るぐらい汗の量が多くなる病気です。部位別だと、全身性と局所性に分けられます。原因別だと他の病気(感染症・糖尿病等)や障害が原因となる続発性と、原因が見当たらない原発性にわけられます。
原発性局所多汗症は、ワキや手のひらや顔や足の裏にみられます。特にワキ汗は、原発性腋窩多汗症といい、日本人の5%が悩まれているとの報告があり、汗の量が多くなる原因や障害がないのに、多量のわき汗に悩まされる状態です。
~原発性腋窩多汗症の診断~
シャツに汗染みができる等、日常生活に支障をきたすほどの大量のわきの汗が、明らかな原因がないまま半年間以上(6ヶ月間以上)みられ、下記の6つの症状のうち2つ以上が当てはまる場合に診断されます。
原因のない大量のわき汗が半年以上
+
1)最初の症状がでるのが、25歳以下
2)左右両方で、同様の発汗
3)睡眠中は発汗が止まっている
4)1週間に1回以上の多汗症状
5)家族にも同じ疾患の患者がいる
6)わき汗により日常生活に支障をきたす
2つ以上
~腋窩多汗症の重症度判定~ ①又は②
① 発汗量測定(定性測定法 定量測定法)
② Hyperhidrosisi Disease Severity Scale(HDSS)
1 汗は全く気にならず、日常生活に全く支障がない
2 発汗我慢できるが、日常生活に時々支障あり
3 発汗ほとんど我慢できず、日常生活に頻繁に支障あり
4 発汗我慢できず、日常生活に常に支障あり
3,4は重症
今までの治療
学会のガイドラインでは、治療薬として塩化アルミニウム外用薬が第一選択であるが保険適応外。A型ボツリヌス毒素製剤が第二選択だが高額で注射の痛みあり。
これからの治療
塗り薬(保険適応)であるソフピロニウム臭化物ゲルです。
汗はエクリン汗腺から分泌されます。汗を分泌させる交感神経を、ソフピロニウム臭化物ゲルはブロックして、発汗を抑制します。特に重症度3.4の方におすすめです。
尚、わき汗対策「原発性腋窩多汗症」のみ適応となります。1日1回わきの下に塗り、効果は2週間ほどでみられます。注意)目がおかしい、かぶれ、口渇症状が出た場合は中止。妊婦・授乳中の方、12歳以下の子供は慎重に使用。緑内障や前立腺肥大による排尿障害のある人や成分にアレルギーがある方は使えません。
参考)
原発性局所多汗症診療 ガイドライン策定委員会 日皮会誌 125 pp1379-1400,2015 Hornberger J, et al. J Am Acad Derm. 2004(51)pp274-86 Strutton DR, et al. J Am Acad Derm. 2004(51)pp241-8
わき汗治療ナビサイト(科研製薬KK)
形脱毛症:成長期の毛根の炎症
抜毛癖(トリコチロマニア):学童期の児が自ら頭髪をぬいてしまう
休止期脱毛:お産や高熱の病気の後に多い
外傷性脱毛:頭皮の強い圧迫による成長期毛根のダメージ
瘢痕性脱毛:深い熱傷や外傷の後の瘢痕 再生しない脱毛巣になります
薬剤化学物質による脱毛:薬剤の影響がなくなれば回復します
放射線による脱毛:瘢痕性脱毛のようになります
代謝病による脱毛:甲状腺機能低下や亜鉛欠乏症が原因となることも
感染症による脱毛:頭部白癬や毛嚢炎が原因多い
膠原病による脱毛:皮膚筋炎や強皮症等
老人性脱毛症:男性型脱毛症と同様のもの
男性型脱毛症:Andro-Genetic Alopecia(AGA)は、男性型脱毛症のことです。AGAは成人の男性に多い脱毛症で、現在では薄毛の症状に悩む男性のほとんどがAGAです。AGAは男性ホルモンに起因して発症する進行性疾患です。額の生え際や頭頂部のつむじ周辺から抜け毛がおこり、少しずつ薄毛が進行していきます。治療は薬剤治療が有効性が高いといわれています。フィナステリドやデュタステリドは男性ホルモンを変換する5αリダクターゼの働きを抑えて、脱毛の原因であるジヒドロテストステロンそのものをつくらせないようにできます。
薬剤が原因の発疹全般のことです。発疹の種類として蕁麻疹のようなものや、赤いもの等その種類は様々です。目や口がただれたり、陰部が痛いなどの症状がある場合は重篤な薬疹の場合がありますので注意が必要です。対策として原因薬剤の中止が望ましいです。重篤な薬疹には中毒性表皮壊死症やスチーブン・ジョンソン症候群があります。他にはウイルスが関与する薬剤性過敏症症候群というものがあります。これらの重症の薬疹では、原因となった薬を中止しただけでよくならずどんどん悪化するので、早く対応することが必要です。
吸血性の蚊やブヨやダニやノミ、ハチなどに刺されて起きる皮膚炎です。発生機序から刺激性とアレルギー性(即時型・遅延型)があります。即時型反応によるかゆみや発赤や腫れは数時間程度で治まります。遅延型反応による痒みや発赤やぶつぶつは数日から1週間程度で軽快します。注入された毒液の種類や量やアレルギー反応の有無や年齢や体質により症状の程度には個人差があります。
子供さんの肌は発達途中にあるためとてもデリケートです。また免疫機能も不完全です。治療にあたり特別な配慮を要します。当院ではベテランの日本皮膚科学会認定専門医が診断治療します。乳児湿疹や新生児挫創、乳児脂漏性皮膚炎、おむつかぶれ、あせも、小児アトピー性皮膚炎ン、水いぼ、とびひ等を扱います。
就寝時や長時間の同じ姿勢のとき、無意識に寝返りをうったり、位置をずらします。寝たきりの人や車いすを使用している人、自分で体の向きを変えられない人は年齢に関係なく、だれにも床ずれはできやすいです。
肩甲骨・おしり・かかと・肘・腰骨・太腿の付け根・くるぶし等にできやすく、骨が突出したところです。体重で皮膚が長期間圧迫されて、血行が悪くなることで生じます。
床ずれ(褥瘡)は痛みと痒みを伴います。しかし、感覚が鈍くなっている人は症状がひどくなっても痛みを感じない場合があります。
【床ずれ(褥瘡)のステージ】
Stage1:赤くなり炎症が生じる
Stage2:皮膚の浅い部分が失われ、表皮剥離・水疱又はその両方が生じる
Stage3:皮膚の全層が失われ、脂肪層まで達する
Stage4:皮膚の全層が失われ、下にある筋肉、腱、骨が露出
美容がつくものに美容皮膚科と美容外科があります。美容皮膚科を専門とするスキンクリニックは銀座・築地クリニックはとても多いです。美容外科は形成外科的な医療技術を応用して、外科手術等で身体の構造や形を美しく整えます。美容皮膚科は皮膚疾患の治療だけにとどまらず、美容的な観点や患者様のライフスタイルにも配慮した医療を提供します。
皮膚疾患を皮膚の専門の医師がまずしっかりと診断し治療することが、美容皮膚科的には必要です。
皮膚外科の対象疾患は病気の部位が体の表面にあるので、傷が残る可能性があります。
皮膚の腫瘍を摘出したら、取り終えた皮膚にくぼみができたような状態になり心身共にそのままで日常生活に支障がでることもあります。微細な切除であれば当院で行うこともありますが、傷跡が残る可能性がある場合は、担当医勤務の病院で切除を行うこともあります。対象疾患はアテロームや脂肪種や色素性母斑(ほくろ)です。
爪の側縁の先端が周囲の皮膚に食い込んでしまい、皮膚に炎症を起こしたもの。
足親指が多く、皮膚に痛みや発赤や腫れをおこす。局所感染を併発することあり。歩き方・姿勢が悪くなり膝や腰の痛みの原因となることもある。特に高齢者の場合は転倒につながることもある。原因は間違っている爪切りや、爪への過剰な力によるもの、指に力がかからない状態が長期間続く等が原因で起こる。治療は外用や内服や手術が保険適応。
成人から中年期に多く、女性が男性より多いです。身の回りの化粧品とか日用品とか薬物とか金属等の様々な外来性の物質が皮膚に接触することにより生じる皮膚炎です。
原因の特定には詳細な問診とパッチテストが有効です。治療方針はアレルゲンの除去と回避です。
症状は、原因の物質の接触部位に一致した紅斑・丘疹・小水疱・びらん・痂疲です。接触皮膚炎症候群は接触部位を超えての播種性・散布性の汎発疹です。全身性接触皮膚炎は接触感作成立後に非経皮的に同一アレルゲンが吸収されて、全身に皮疹が生じたものです。
参考)皮膚科学第10版 金芳堂 あたらしい皮膚科学 中山書店 皮膚科レジデントマニュアル 医学書院
グレード1(軽症) | グレード2(中等症) | グレード3(重症) | |
皮膚・粘膜症状 | |||
紅斑、蕁麻疹 | 部分的 | 全身性 | ← |
そう痒 | 軽いそう痒(自制内) | 強いそう痒(自制外) | ← |
口唇・眼瞼腫脹 | 部分的 | 顔全体の腫れ | ← |
消化器症状 | |||
口腔内・咽頭違和感 | 口・喉の痒み | 咽頭痛性 | ← |
腹痛 | 弱い腹痛 | 強い腹痛(自制内) | 持続する強い腹痛(自制外) |
嘔吐・下痢 | 嘔気、単回の嘔吐・下痢 | 複数回の嘔吐・下痢 | 繰り返す嘔吐、便失禁 |
呼吸器症状 | |||
咳嗽、鼻水、鼻閉 | 間欠的な咳嗽、鼻汁、鼻閉 | 断続的な咳嗽 | 持続する強い咳嗽、犬吠様咳嗽 |
鼻閉、くしゃみ | くしゃみ | ||
喘鳴、呼吸困難 | なし | 聴診上の喘鳴、軽い息苦しさ | 明らかな喘鳴、呼吸困難、チアノーゼ、呼吸停止、SpO2≦92%、締めつけられる感覚、嚥下困難 |
循環器症状 | |||
脈拍、血圧 | なし | 頻脈(+15回/分)、血圧軽度低下、蒼白 | 不整脈、血圧低下、高度徐脈、心停止 |
(神経症状) | |||
意識状態 | 元気がない | 眠気、軽度頭痛、恐怖感 | ぐったり、不穏、失禁、意識消失 |
皮膚が乾燥し、カサカサになってしまい、皮膚に白い粉が出てしまったり、皮膚にヒビが入ったりする病気です。強いかゆみを伴うこともあります。老化・空気の乾燥等の要因によって、皮膚の皮脂成分が減少してしまい、角質の水分が失われやすくなってしまうことが原因です。特に空気が乾燥する秋~冬にかけでやすく、放置してしまうと、少しの刺激でも発赤や掻痒が生じてしまう敏感な肌になります。治療法としては、生活習慣の改善と、皮膚科の医師から処方された保湿薬を塗りましょう。
日常生活のポイント
1)入浴
ナイロンタオルなどで体をごしごし洗わない。熱い風呂に入らない(体の皮脂がとれてしまう)。強い石鹸は使わない(ワキや陰部のみを石鹸で洗うぐらいでもよい)
2)部屋の乾燥を防ぐ
できれば加湿器を用い、湿度40~60%程をキープ。特に冬のこたつや電気毛布は乾燥します。
3)食事と衣類
肌着は刺激が少ないもの。飲酒や香辛料の取りすぎは、体温が上昇して痒みがひどくなります。
・皮膚掻痒症に効果があるとされる漢方薬
温情飲・黄連解毒湯・牛舎腎気丸・当帰飲子・八味地黄丸・六味丸
ふけは、頭皮より剥がれ落ちた角質片です。頭皮の肌の生まれ変わりのときに押し出された古い角質がフケになります。肌から出る垢と同じようなものです。健康な方にはだれにも生じます。
脂性のふけは、フケの特徴として白からやや黄色い色のフケです。湿ってべとべとし大きな塊となり落ち、頭皮や頭髪に張り付きます。原因としては、頭皮の過剰な分泌やマラセチア菌の過剰な増殖、洗髪があまりやっていない、シャンプー剤のすすぎ不足が考えられます。治療は抗菌剤やステロイドの外用や抗菌剤入りのシャンプー剤の使用及び洗髪などの生活習慣の改善です。
乾性のふけは、フケの特徴として白くて細く、カサカサと乾燥し、ぱらぱらと落ちます。原因として頭皮における乾燥(乾燥肌に多い)や洗髪のやりすぎがあります。治療はステロイドの外用や、洗髪を数日に1回行うとかを含む生活習慣の改善、シャンプー剤の変更があります。
発疹がないのにもかかわらず、皮膚が痒くなる病気です。痒みが限られた部位に生じる「限局性皮膚炎」と広範囲或いは特定の部位に痒みがとどまらない「汎発性皮膚掻痒症」があります。日ごろのスキンケアによって皮膚の乾燥を防ぐ必要があります。
【原因】
限局性掻痒症は校門や外陰部に生じることが多く、カンジダ感染や尿による刺激等が主な要因です。汎発性皮膚掻痒症の原因は乾燥や基礎疾患、薬剤性があります。乾燥した皮膚はバリア機能が低下して細菌の侵入を容易くし、皮膚は弱い刺激にも反応して痒みが起きるようになります。汎発性掻痒症を引き起こす基礎疾患は慢性腎不全、肝・胆道系疾患、代謝・内分泌疾患、血液疾患、悪性腫瘍、精神疾患などがあります。
【症状】
皮膚の見た目は正常なのに痒みがあります。痒みのある部分を掻きすぎると皮膚が傷つくことがあります。
【治療】
血液検査をして基礎疾患があるか調べます。皮膚に乾燥がみられたら保湿外用薬を使用します。また、日常生活では、①体を洗う時こすりすぎない、②石鹸を使いすぎない、③スキンケアで皮膚の保湿などを心がけましょう。
参考)今日の治療指針2020、皮膚掻痒症、p1278-9
皮膚掻痒症診療ガイドライン
単純ヘルペスウイルス(HSV:Herpes Simplex Virus)に感染し、唇・顔等、粘膜皮・膚に小さい水ぶくれがたくさんできる病気です。初めて感染するときはあまり症状がないことが多いですが、潜伏していたウイルスにより再発すると症状が出ます。
【原因】
初感染と再発型に分かれます。初感染では単純ヘルペスウイルス(HSV)1型や2型が表皮から侵入して、神経を通って腰仙髄神経節に到達したらそこに潜伏します。ほとんどの場合、特に症状が出ずに感染します。かぜや疲労、ストレスなどにより体の免疫が下がると、体内に潜伏していたHSVが再度活性化し、神経を通って皮膚や粘膜で増殖して口唇や四季ヘルペスになります。
【症状】
粘膜を皮膚の境界にできやすく、最初にピリピリしたのちに口周りや外陰部に小水疱がぽつぽつと或いは集まってできます。
【治療】
抗ウイルス薬の内服による早期治療が基本です。重症の場合は入院して抗ウイルス薬の点滴をすることなどがあります。性器ヘルペスの再発が年6回以上繰り返す場合、抗ウイルス薬を一年間継続して服用する必要があります。
参考)今日の治療指針2020 単純疱疹 p1299-1300
高温多湿の場所で大量に汗が出るとき、汗の排出が滞ると汗の通り道をふさぎ、周りに漏れだして皮膚が赤くなったり小さい水ぶくれができたりします。症状が軽ければ自然治癒で治りますが、皮膚が蒸れないように多湿を避けましょう。
【症状】
汗の通り道がつまった場所の表皮からの深さによって水晶様汗疹、紅色汗疹と深在性汗疹に分かれます。
【治療】
水晶様汗疹は自然治癒で治ります。紅色汗疹は炎症の程度に合ったステロイド外用薬を塗布して治します。また、以下のことにも気を付けましょう。
① 発汗を抑えるための環境を整えましょう。
② 通気性の良い肌着を着て皮膚が群れないようにしましょう。
参考)今日の治療指針2020、汗疹、p1320
天然ゴム製品に接触することによって生じる接触部位及び前進の蕁麻疹、咳や喘息などの呼吸器症状、アナフィラキシーショックなどの即時型アレルギー反応のこと。
【原因物質】
ラテックスにはゴムの木を原料とする「天然ゴムラテックス」と石油を原料とする「合成ゴムラテックス」があり、医療分野におけるラテックスは前者の「天然ゴムラテックス」である。「天然ゴムラテックス」はゴムの木から乳状の液体として得られ、そのうち二含まれる1.5%のタンパク質成分がアレルゲンであり、「合成ゴムラテックス」はタンパク質を含まないため、即時型アレルギー反応を引き起こさない。
【感作経路】
天然ゴム製品上のアレルゲンであるタンパク質が皮膚に接触したり汗によって製品から溶け出すことで、皮膚や粘膜に作用して感作する。ゴム手袋を取り外す際に、内側に塗布されたコンスターチパウダーがラテックスアレルゲンとともに飛散し、鼻粘膜などから吸い込まれて感作すると言われている。なお、手指などの皮膚に湿疹や乾燥があると皮膚のバリア機能が低下し感作しやすくなる。
【症状】
最も多いのは接触部位におけるじんましん。接触部位に痒み、発赤、膨疹や水疱の誘発、そして全身に拡散することもある。重篤な場合はアナフィラキシーショックの誘発がある。呼吸器の症状は手袋のパウダー中のアレルゲンを吸引した場合に生じることがある。また、「ラテックス-フルーツ症候群」といい、野菜や果物を食べたときに口の中に違和感やピリピリ感、全身のじんましん、時にアナフィラキシーショックなどの即時型アレルギー反応が誘発する場合もある。
『全身的な反応が起きる危険性が高いグループ』
・手術を繰り返し受けた人
・手術中に原因不明のアレルギー反応があった人
・ラテックス関連の特異的IgE抗体が陽性、またはラテックスアレルゲンを用いたプリックテストが陽性の人
・天然ゴムとの接触で即時型アレルギー反応を経験したことのある人
【日常の主な原因】
・ゴム手袋、歯科用デンタル・ダム、バリウム浣腸用のカフ、コンドームなどの接触
・ゴム手袋内の粉末の吸引
・栗、バナナ、アボカド、キウイフルーツの摂取
【診断】
①診断
以下の方はラテックスアレルギーについて医師の診断を受けることを推奨
・原因不明のアナフィラキシーショック経験者
・婦人科的処置や歯科治療中にショックが起きた人
・天然ゴムとの摂食後にじんましんや痒みがあった人
・ラテックス-フルーツ症候群で知られるたべもののアレルギー反応経験者
・何度も手術を受けた人
・パウダーが塗布された手袋をよく使う人
②治療
アドレナリン自己注射薬使用。体位は、足を頭より高く上げて寝させる。顔は横向き。アナフィラキシーショックを伴う場合は必要に応じて心肺蘇生を行う。速やかな医療機関の受診も重要。
③診断後の生活
天然ゴムに触れないよう心がける。また、「アレルギー情報カード」の持参も推奨。
【予防】
1)1次予防
以下の人は天然ゴムを回避するべき。
①医療従事者
最近は天然ゴムを含まない製品が増えているので発症する人が減っている。
②アトピー体質を持つ人
アトピー性皮膚炎の患者は発症リスクが高い。ラテックス-フルーツ症候群の原因物質である食べ物のアレルギーがある人も要注意。
③頻回に医療対応が繰り返された人
最近はラテックスフリーの医療器具が増えているため医療従事者同様発症が減っている。
2)2次予防
1時予防と同様日常生活のあらゆる場面でできるだけ天然ゴムに触れないようにする。「アレルギー情報カード」の持参を推奨。
おむつかぶれのサインは、外したときに赤みやブツブツやじくじくができていて、お尻を拭くときに痛がり、泣いて機嫌が悪くなります。原因としては、尿や便による汚れや、おむつ自体のこすれやお尻拭きの刺激、おむつ内部の蒸れが考えられます。予防法としては、まずお尻を清潔に保ちましょう。治療としは、ワセリンで薄い保護膜をつくりましょう。症状に応じ、伝染性膿痂疹やカンジタによる皮膚炎の場合があり、難治性の場合は皮膚科専門医を御受診下さい。
COVID-19には様々な皮膚症状があり、重症化とも関係しています
軽症)
凍傷様の浮腫・紅斑状皮疹 足裏等に出現
点状出血・紫斑を伴う皮疹 鑑別に薬疹等
多形紅斑様皮疹 小児に多い
重症)
水痘様皮疹 中年の体幹にあった
蕁麻疹様皮疹 発熱を伴う
斑状丘疹状皮疹 最も頻度が高い 小児ではまれ
男性型脱毛症
1)Recalcati S, et al J. Eur. Acad Derma Venereol 2020(34)p212-3
2)Wollina U et al Dermatol.Ther. 2020(33)p13549.
3)Gottlieb M, et al. Am. J. Emerg Med. 2020(38)p1715-21
4) Fukuda 皮膚は健康のバロメータ 2021(佐藤製薬)
皮膚が乾燥し、カサカサになってしまい、皮膚に白い粉が出てしまったり、皮膚にヒビが入ったりする病気です。強いかゆみを伴うこともあります。老化・空気の乾燥等の要因によって、皮膚の皮脂成分が減少してしまい、角質の水分が失われやすくなってしまうことが原因です。特に空気が乾燥する秋~冬にかけでやすく、放置してしまうと、少しの刺激でも発赤や掻痒が生じてしまう敏感な肌になります。治療法としては、生活習慣の改善と、皮膚科の医師から処方された保湿薬を塗りましょう。
日常生活のポイント
1)入浴
ナイロンタオルなどで体をごしごし洗わない。熱い風呂に入らない(体の皮脂がとれてしまう)。強い石鹸は使わない(ワキや陰部のみを石鹸で洗うぐらいでもよい)
2)部屋の乾燥を防ぐ
できれば加湿器を用い、湿度40~60%程をキープ。特に冬のこたつや電気毛布は乾燥します。
3)食事と衣類
肌着は刺激が少ないもの。飲酒や香辛料の取りすぎは、体温が上昇して痒みがひどくなります。
ふけは、頭皮より剥がれ落ちた角質片です。頭皮の肌の生まれ変わりのときに押し出された古い角質がフケになります。肌から出る垢と同じようなものです。健康な方にはだれにも生じます。
脂性のふけは、フケの特徴として白からやや黄色い色のフケです。湿ってべとべとし大きな塊となり落ち、頭皮や頭髪に張り付きます。原因としては、頭皮の過剰な分泌やマラセチア菌の過剰な増殖、洗髪があまりやっていない、シャンプー剤のすすぎ不足が考えられます。治療は抗菌剤やステロイドの外用や抗菌剤入りのシャンプー剤の使用及び洗髪などの生活習慣の改善です。
乾性のふけは、フケの特徴として白くて細く、カサカサと乾燥し、ぱらぱらと落ちます。原因として頭皮における乾燥(乾燥肌に多い)や洗髪のやりすぎがあります。治療はステロイドの外用や、洗髪を数日に1回行うとかを含む生活習慣の改善、シャンプー剤の変更があります。
●2021年12月18日日本皮膚科学会東京支部分会(城東:順天大)(城西:杏林大)(城南:東京慈恵医科大)
●2021年10月21日~24日第13回国際熱傷学会アジア太平洋地区会議・第47回日本熱傷学会総会Virtual Meeting 松村一(東京医科大学 形成外科学分野)
●2021年10月16日日本皮膚科学会東京支部分会(城東:東京大)(城西:東京医科大)(城南:虎の門病院)
●2021年9月3日~4日第36回日本乾癬学会学術大会 東京ディズニーシー・ホテルミラコスタ 千葉県浦安市舞浜1-13
●2021年8月28日2021年度日本皮膚科学会研修講習会 学術総合センター 東京都千代田区一ツ橋2-1-2
●2021年8月21日~ 22日第17回加齢皮膚医学研究会imyホール 愛知県名古屋市東区葵3-7-14
●2021年8月2日(長崎新聞)カネミ油症の検診が行われました。 障害のある当事者らが受診しました