禁煙外来

慶友銀座クリニックは禁煙の治療の施設基準を満たしたニコチン依存症管理料算定医療機関です。当院の理事長と看護部長が(社)日本禁煙学会認定サポーターです。
銀座・築地地区はストレスが多いお忙しいサラリーマンさん達が多いのか、まだまだ喫煙習慣が抜けきれない人も多いです。当院では禁煙を志す患者様に対して、身体及び精神的にサポートして、なんとか禁煙できるようにアドバイスを含め医師と患者様二人三脚の保険での禁煙治療を行っています。
オンライン診療(スマホを使ったテレビ電話による遠隔診療)による禁煙治療をスタートしました。当然保険適応です。当院では10名以上の在籍医師が、厚生労働省認定のオンライン診療研修修了医です。標準的な禁煙治療は、約3ヶ月間に計5回の当院受診での診察が必要ですが、2回から4回目の診察をオンラインで受診していただくことができ、薬の投薬期間は同じですが、患者様の来院日数が5回から2回と大幅に減らすことができるようになりました。
初回の診察は当院での医師との対面診療により治療法の説明を行います。喫煙状況やニコチン依存度などを確認します。また呼気一酸化炭素(CO)濃度の測定を行い禁煙開始日を決定し、禁煙補助薬(貼り薬 ニコチンTTS ®:ニコチンパッチ)を処方します。2回目から4回目は、禁煙状況の確認や禁煙を継続するためのアドバイス、薬の効果や副作用などを行います。オンライン診療の場合は、この2回目から4回目をスマホを用いたテレビ電話による遠隔診療を行います。5回目の診察が最終回となりますが、対面での診察により禁煙状況の最終確認を行います。合計8週間の使用が標準的ですが、必要に応じて最長10週間まで使用できます。当院での禁煙治療をご希望の方はお気軽にご相談下さい。
通常の外来診療:対面診察5回
オンライン診療:対面診療2回
禁煙治療が保険適用となる条件
①~⑤全てに該当した場合に、保険診療で禁煙治療を行うことができます。
【 ニコチン依存症のスクリーニングテストTDS 】
参)Kawakami治療88(10)2491-2497,2006
禁煙にかかる費用
禁煙治療は健康保険を使った場合、使った薬剤や全て対面診療か一部オンライン診療かで違いますが、5階の診療(約3ヶ月間)の治療スケジュールで、自己負担で総額1万3千円~2万円(保険3割)かかります。
次のような場合は自費負担になります。
1) 禁煙治療の保険適応の条件に当てはまらないが、同様の治療を希望する場合
2) 全5回の治療を超えても引き続き治療を希望する場合
3) 初回の治療開始から、1年以内に再度治療を希望する場合
禁煙治療の公費助成
お住まいの場所で、禁煙助成を受けられます。個々の自治体で違い、治療の開始前の申請が必要な場合があり、事前に自治体にお問い合わせください。お住まいが中央区内でなくても、助成をうけられることが多いようです。
(公費助成が受けられる東京都自治体の例)
・中央区:
https://www.city.chuo.lg.jp/smph/kenko/kenko/tobacco/kinengairaiiryohijyosei.html
・港区
https://www.city.minato.tokyo.jp/kenkouzukuri/kenko/kenko/kenkozukuri/kinen/kinengairai.html
・品川区
https://www.city.shinagawa.tokyo.jp/PC/kenkou/kenkou-dukuri/hpg000030703.html
・中野区
https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/401700/d027141.html
禁煙治療の会社からの助成
ご勤務の会社で、禁煙助成を受けられます。
個々の会社で違い、治療の開始前の申請が必要な場合があり、事前に会社にお問い合わせください
【助成が受けられる会社の例】
・大東建託健康保険組合
・鈴与健康保険組合
・ウシオ電気健康保険組合
・東洋水産健康保険組合
・SCSK健康保険組合
禁煙のお話
最近東京都心のビルはどんどんオフィス内禁煙が進んで、それによって喫煙者はオフィスから締め出されつつあるようです。レストランでも禁煙はひろがっています。東京のど真ん中の銀座・築地地区は特に禁煙化がすすんでいます。平成17年にはWHO「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約(略称 たばこ規制枠組条約)FCTC」の効力が発生し、令和2年4月1日より、「東京都受動喫煙防止条例」「改正健康増進法」が全面施行されました。2名以上の人が利用する施設は原則屋内禁煙であり、決められた場所以外では喫煙できません。法律によって、本人が望まない受動喫煙を防止する為の取り組みが、マナーからルールへと変更しました。
「仕事の効率も考えて、これを機会に禁煙をしよう」という人たちも増えてきています。そうした銀座・築地にお勤めの患者さまのニーズにお応えして、慶友銀座クリニックでは禁煙外来を設置しています。予約は不要です。随時受け付けます。呼吸器を専門とする医師も在籍していますので、禁煙だけでなく、喫煙による呼吸器疾患にも対応可能です。禁煙外来の問題点は一般的に、問診や検査にとても時間がかかることにあります。それが都会の忙しいサラリーマンの皆さんのご負担になっているわけです。そこで当クリニックでは、予約外でも担当医がお話をじっくり伺って、専門医と相談のうえ、なるべく早く禁煙のお薬を処方するように努力しています。禁煙自体がストレスなわけですから、それ以上のストレスを感じることなく禁煙薬で「すぐ禁煙」に取り組むことができるようにするのが、当クリニックの役割だと考えています。喫煙習慣が長年あっても、禁煙はすぐにでもやったほうがいいです。禁煙は健康改善の効果も大いに期待できます。病気になった方でも禁煙は大切です。尚今回作成の禁煙のページは、禁煙治療のための標準手順書第7版(2020年4月:日本循環器病学会、日本肺癌学会、日本癌学会、日本呼吸器学会)を元に作成しました。
タバコの煙の成分
タバコの煙にはいろいろな種類の燃えかすが含まれます。95%がガス成分、4%が粒子成分とされるタール、0.3%がニコチンです。ニコチン(Nicotine)は、アルカロイドの一つです。
ニコチンは、タバコの依存性を高めます(ニコチン依存症・中毒症)。タール・ニコチンは発がん性に関係すると考えられています。
ニコチン依存症
薬物依存症のひとつです。麻薬にも劣らない依存性を、ナス科植物タバコに含まれる依存性の強い薬物であるタバコの煙に含まれるニコチンがもちます。世界保健機関の報告では、タバコの主成分であるニコチンは、大麻、アヘンやコカインと同列の依存性薬物であり、喫煙者の約70%がニコチン依存症との報告があります。タバコの煙の中に含まれるニコチンが繰返し体に吸収されることで、ニコチンが切れると体がそれを欲してしまいます。これはニコチン依存の状態です。それにより喫煙がなかなかやめられないのです。喫煙するとイライラがとれて、気分爽快になります。昔の映画をみると、主人公がトラブルになったときに、喫煙するシーンがよくあります。ほんと昔の人はどこでも、ここでもタバコを吸っていました。タバコを吸うことにより、ニコチンが供給されて、ニコチンの禁断症状が消失することによりなります。血に含まれるニコチンの濃度が低下することにより、再びイライラや不快感が募ります。これはニコチン依存によるものと考えられています。当然、依存している薬物=ニコチンを断つと禁断症状が現れ、疲労感やイライラに襲われ、そこから逃れるために、つい1本吸ってしまうようになります。
喫煙の危険性
呼吸器病(慢性閉塞性肺疾患・肺)だけでなく、動脈硬化が基盤のさまざまな病気の危険因子です。非喫煙者(1.0)と比較した喫煙者の死亡率(男)は、口腔・咽頭がん3.0倍、肺がん4.5倍、肝臓がん3.1倍です。
禁煙での医学データの変化
20分(禁煙後) | 脈拍・血圧の正常化、手足の体温の正常化 |
8時間後 | 一酸化炭素濃度(血液)正常化 |
24時間後 | リスク(心臓発作)の低下 |
48時間後 | 運動機能改善、嗅覚味覚の復活 |
72時間後 | 肺機能が改善 呼吸が楽になる |
2~3週間後 | 心機能改善。肺機能30%改善 |
1~9ヶ月後 | 咳や息切れ、咳が改善。感染症を起こしにくくなる |
1年後 | 喫煙者に比べて虚血性心疾患の危険が50%ダウン |
5年後 | 肺がんで死亡する率が50%ダウン |
10年後 | 前癌状態の細胞が修復。口腔・咽頭がん・食道がん、膀胱がん等になる確率の減少 |
禁煙補助薬の種類
禁煙補助薬 | ニコチンTTS® (ニコチンパッチ:ニコチン製剤) |
使用方法 | 貼り薬(ニコチン含む) |
禁煙成功率 | 2倍 |
作用 | ニコチンの急激な減少による離脱症状の緩和 食欲の抑制の効果で体重増加の軽減が期待できる |
お薬スタート | スタートから禁煙開始 |
特徴 | お薬にニコチンを含むので、喫煙するとニコチン過量となり、不整脈が出る可能性があり、循環器の病気がある人に使いにくい |
注意 | 貼り薬なので、かぶれに注意 |
禁忌 | 非喫煙者 妊娠・妊娠している可能性のある女性・授乳婦 不安定狭心症・急性期の心筋梗塞・重篤な不整脈のある患者・脳血管障害回復初期の患者 |
バレニクリンの詳しいお話
(現在のところ国内では出荷停止中です)
禁煙治療を続ける理由
禁煙治療は12週間(約3ヶ月)かかります。診療途中で、医師の相談なく中断しないでください。「1度診察を受けたので、あとは自分の力で禁煙できる」と受診をやめる人がいます。そのような人の受診成功率はとても低いです。全ての診察を受けた人と、診断を中断した人の禁煙成功率の報告があります。すべての診察を受けた方は、約50%が禁煙を続けて、2人に1人が禁煙に成功しています。しかし初回の診察で中断してしまった人で禁煙が続いているのは5%弱でした。
参) H28年診療報酬改定結果検証に係る特別調査(H29年)(ニコチン依存症管理料による禁煙治療)