●現在行っておりません。
慶友銀座クリニックは禁煙の治療の施設基準を満たした医療機関(ニコチン依存症管理料算定医療機関)です。当院の理事長と看護部長が(社)日本禁煙学会認定サポーターです。
当院では10名以上の在籍医師が、厚生労働省認定のオンライン診療研修修了医です。
銀座・築地地区はストレスが多いお忙しいサラリーマンさん達が多いのか、まだまだ喫煙習慣が抜けきれない人も多いです。当院では禁煙を志す患者様に対して、身体及び精神的にサポートして、なんとか禁煙できるようにアドバイスを含め医師と患者様二人三脚の禁煙治療を行っています。
オンライン診療(スマホを使ったテレビ電話による遠隔診療)による禁煙治療をスタートしました。当然保険適応です。標準的な禁煙治療は、約3ヶ月間に計5回の当院受診での診察が必要ですが、2回から4回目の診察をオンラインで受診していただくことができ、薬の投薬期間は同じですが、患者様の来院日数が5回から2回と大幅に減らすことができるようになりました。
初回の診察は当院での医師との対面診療により治療法の説明を行います。喫煙状況やニコチン依存度などを確認します。また呼気一酸化炭素(CO)濃度の測定を行い禁煙開始日を決定し、禁煙補助薬(内服薬バレニクリン 又は 貼り薬ニコチンパッチ)を処方します。2回目から4回目は、禁煙状況の確認や禁煙を継続するためのアドバイス、薬の効果や副作用などを行います。オンライン診療の場合は、この2回目から4回目をスマホを用いたテレビ電話による遠隔診療を行います。5回目の診察が最終回となりますが、対面での診察により禁煙状況の最終確認を行います。当院での禁煙治療をご希望の方はお気軽にご相談下さい。
通常の外来診療:対面診察5回
オンライン診療:対面診療2回
禁煙治療が保険適用となる条件
①~④全てに該当した場合に、保険診療で禁煙治療を行うことができます。
【 ニコチン依存症のスクリーニングテストTDS 】
参)Kawakami治療88(10)2491-2497,2006
禁煙にかかる費用
禁煙治療は健康保険を使った場合、使った薬剤や全て対面診療か一部オンライン診療かで違いますが、5階の診療(約3ヶ月間)の治療スケジュールで、自己負担で総額1万3千円~2万円(保険3割)かかります。
次のような場合は自費負担になります。
1) 禁煙治療の保険適応の条件に当てはまらないが、同様の治療を希望する場合
2) 全5回の治療を超えても引き続き治療を希望する場合
3) 初回の治療開始から、1年以内に再度治療を希望する場合
「禁煙治療の公費助成」
お住まいの場所で、禁煙助成を受けられます。個々の自治体で違い、治療の開始前の申請が必要な場合があり、事前に自治体にお問い合わせください。お住まいが中央区内でなくても、助成をうけられることが多いようです。
(公費助成が受けられる東京都自治体の例)
・中央区:
https://www.city.chuo.lg.jp/smph/kenko/kenko/tobacco/kinengairaiiryohijyosei.html
・港区
https://www.city.minato.tokyo.jp/kenkouzukuri/kenko/kenko/kenkozukuri/kinen/kinengairai.html
・品川区
https://www.city.shinagawa.tokyo.jp/PC/kenkou/kenkou-dukuri/hpg000030703.html
・中野区
https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/401700/d027141.html
禁煙のお話
最近東京都心のビルはどんどんオフィス内禁煙が進んで、それによって喫煙者はオフィスから締め出されつつあるようです。レストランでも禁煙はひろがっています。東京のど真ん中の銀座・築地地区は特に禁煙化がすすんでいます。平成17年にはWHO「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約(略称 たばこ規制枠組条約)FCTC」の効力が発生し、令和2年4月1日より、「東京都受動喫煙防止条例」「改正健康増進法」が全面施行されました。2名以上の人が利用する施設は原則屋内禁煙であり、決められた場所以外では喫煙できません。法律によって、本人が望まない受動喫煙を防止する為の取り組みが、マナーからルールへと変更しました。
「仕事の効率も考えて、これを機会に禁煙をしよう」という人たちも増えてきています。そうした銀座・築地にお勤めの患者さまのニーズにお応えして、慶友銀座クリニックでは禁煙外来を設置しています。予約は不要です。随時受け付けます。呼吸器を専門とする医師も在籍していますので、禁煙だけでなく、喫煙による呼吸器疾患にも対応可能です。禁煙外来の問題点は一般的に、問診や検査にとても時間がかかることにあります。それが都会の忙しいサラリーマンの皆さんのご負担になっているわけです。そこで当クリニックでは、予約外でも担当医がお話をじっくり伺って、専門医と相談のうえ、なるべく早く禁煙のお薬を処方するように努力しています。禁煙自体がストレスなわけですから、それ以上のストレスを感じることなく禁煙薬で「すぐ禁煙」に取り組むことができるようにするのが、当クリニックの役割だと考えています。喫煙習慣が長年あっても、禁煙はすぐにでもやったほうがいいです。禁煙は健康改善の効果も大いに期待できます。病気になった方でも禁煙は大切です。尚今回作成の禁煙のページは、禁煙治療のための標準手順書第7版(2020年4月:日本循環器病学会、日本肺癌学会、日本癌学会、日本呼吸器学会)を元に作成しました。
タバコの煙の成分
タバコの煙にはいろいろな種類の燃えかすが含まれます。95%がガス成分、4%が粒子成分とされるタール、0.3%がニコチンです。ニコチン(Nicotine)は、アルカロイドの一つです。
ニコチンは、タバコの依存性を高めます(ニコチン依存症・中毒症)。タール・ニコチンは発がん性に関係すると考えられています。
ニコチン依存症
薬物依存症のひとつです。麻薬にも劣らない依存性を、ナス科植物タバコに含まれる依存性の強い薬物であるタバコの煙に含まれるニコチンがもちます。世界保健機関の報告では、タバコの主成分であるニコチンは、大麻、アヘンやコカインと同列の依存性薬物であり、喫煙者の約70%がニコチン依存症との報告があります。タバコの煙の中に含まれるニコチンが繰返し体に吸収されることで、ニコチンが切れると体がそれを欲してしまいます。これはニコチン依存の状態です。それにより喫煙がなかなかやめられないのです。喫煙するとイライラがとれて、気分爽快になります。昔の映画をみると、主人公がトラブルになったときに、喫煙するシーンがよくあります。ほんと昔の人はどこでも、ここでもタバコを吸っていました。タバコを吸うことにより、ニコチンが供給されて、ニコチンの禁断症状が消失することによりなります。血に含まれるニコチンの濃度が低下することにより、再びイライラや不快感が募ります。これはニコチン依存によるものと考えられています。当然、依存している薬物=ニコチンを断つと禁断症状が現れ、疲労感やイライラに襲われ、そこから逃れるために、つい1本吸ってしまうようになります。
喫煙の危険性
呼吸器病(慢性閉塞性肺疾患・肺)だけでなく、動脈硬化が基盤のさまざまな病気の危険因子です。非喫煙者(1.0)と比較した喫煙者の死亡率(男)は、口腔・咽頭がん3.0倍、肺がん4.5倍、肝臓がん3.1倍です。
禁煙での医学データの変化
20分(禁煙後) | 脈拍・血圧の正常化、手足の体温の正常化 |
8時間後 | 一酸化炭素濃度(血液)正常化 |
24時間後 | リスク(心臓発作)の低下 |
48時間後 | 運動機能改善、嗅覚味覚の復活 |
72時間後 | 肺機能が改善 呼吸が楽になる |
2~3週間後 | 心機能改善。肺機能30%改善 |
1~9ヶ月後 | 咳や息切れ、咳が改善。感染症を起こしにくくなる |
1年後 | 喫煙者に比べて虚血性心疾患の危険が50%ダウン |
5年後 | 肺がんで死亡する率が50%ダウン |
10年後 | 前癌状態の細胞が修復。口腔・咽頭がん・食道がん、膀胱がん等になる確率の減少 |
禁煙補助薬の種類
禁煙補助薬 | バレニクリン 「ニコチン受容体作用薬」 |
ニコチンパッチ 「ニコチン製剤 |
使用方法 | 内服(ニコチン含まず) | 貼り薬(ニコチン含む) |
禁煙成功率 | 3倍 | 2倍 |
作用 | 喫煙による満足感の抑制(拮抗作用) 禁煙の離脱症状やタバコに対する切望感の軽減(作動薬作用) |
ニコチンの急激な減少による離脱症状の緩和 食欲の抑制の効果で体重増加の軽減が期待できる |
お薬スタート | 最初の1週間は喫煙OK | スタートから禁煙開始 |
特徴 | ニコチンを含まないので、循環器疾患(心臓の病気)のある患者でも使用可能 | お薬にニコチンを含むので、喫煙するとニコチン過量となり、不整脈が出る可能性があり、循環器の病気がある人に使いにくい |
注意 | 服用中は車の運転控える | 貼り薬なので、かぶれに注意 |
バレニクリンの詳しいお話
1週間目0.5mg〜2週間目1mgと服用量を増やして内服します。副作用として、めまい、傾眠や意識障害があります。自動車の運転等危険を伴う機械の操作・危険を伴う作業、または人々の生命に関わる高度な判断を伴う作業に従事する際、注意して下さい。症状が出たらなるべく内服を控えて下さい。また飲むことで、かなり気持ちが落ち込む方がいらっしゃいます。その場合はまず医師に相談してください。ニコチンガムやニコチンパッチなどのニコチン製剤は、ニコチンを取り入れる事で緩和するというものです。ニコチン欠乏によるイライラをタバコ以外の方法で和らげます。しかし、この方法ではニコチンに対する依存は取り除けません。
タバコを吸うことにより、脳のニコチン受容体という部分にニコチンが結合して、快感を生じさせる物質であるドーパミンを放出させます。バレニクリン(Varenicline)は、ニコチン受容体に結合することで、ニコチンの場合より少し量のドーパミンを放出させて、イライラなどのニコチン切れ症状を軽くします。他にニコチン切れ症状としては、とてもタバコが吸いたい、落ち着かない、気分が落ち込む、食欲が増す、欲求不満になる、怒りっぽくなる、よく眠れない、不安感、夜間の覚醒、集中力の低下などがあります。また、ニコチンが受容体に結合するのを邪魔することにより、禁煙中に一服してしまったときの「ああ、おいしいなあ」という満足感を減らすことにより、禁煙補助します。バレニクリンをスタートして、12週間の禁煙治療は、医師に相談なく中断しないようにしましょう。医師のアドバイスがない状態で、自分だけでたばこが止められると考えてバレニクリンの内服治療を勝手に止めると、バレニクリンの処方が受けられず、禁煙の成功率は著しく低下します。中央社会保険医療協議会 診療報酬改定結果検証に係る特別調査(平成21年度調査:ニコチン依存症管理料算定保険医療機関における禁煙成功率の実態調査報告書)によると、5回の禁煙治療を全部受けた方の約80%は、治療が終了した後に少なくとも3週間は禁煙を続行できたという報告があります。治療を中断せずに最後まで治療を受けた人の方が、禁煙の継続率は高くなります。禁煙外来は全日行っております。またタバコが引き起こす肺気腫や肺がんに対しては当院の内科にて対応しております。禁煙手帳をつけましょう。禁煙からの時間経過に応じたアドバイスが書かれており、禁煙のコツがわかります。忘れずに薬を飲めるよう服用記録がつけられます。
~バレニクリンを服用するにあたっての注意~
以前に薬を飲んで、
・かゆみや発疹などのアレルギー症状が出たことがある
・精神疾患がある
・腎臓の病気がある
・他に服用中の薬がある 妊娠中または授乳中である
・未成年者である
これらの項目に当てはまる方は、医師にご相談ください。
ニコチンを含んだ禁煙補助薬との併用しないでください。
腎臓の病気がある場合は、必ず医師に報告して下さい。
禁煙は治療の有無にかかわらず様々な症状(気分が落ち込む、あせりを感じる、不安を感じる、死んでしまいたいと感じる等)を伴うことが報告されています。また、もともとこのような症状がある場合は、その症状が強く出ることがあります。本剤を服用中にこのような症状があらわれたら、服用を中止し、医師に相談してください。バレニクリンを服用後に、めまい、眠気、意識障害等の症状があらわれ、自動車事故を起こすことがあります。自動車の運転など危険を伴う機械の操作は避けて下さい。
バレニクリンを服用中の主な副作用
吐き気、頭痛、上腹部痛、便秘、お腹のはり、普段と違う夢をみる、不眠
バレニクリンは、必ず食後にコップ1杯程度の水またはぬるま湯で服用してください。気になる症状があらわれた場合は、他に不快な症状があらわれた場合やこの薬について分からないことがある場合は、医師、薬剤師に相談してください。
禁煙治療を続ける理由
禁煙治療は12週間(約3ヶ月)かかります。診療途中で、医師の相談なく中断しないでください。「1度診察を受けたので、あとは自分の力で禁煙できる」と受診をやめる人がいます。そのような人の受診成功率はとても低いです。全ての診察を受けた人と、診断を中断した人の禁煙成功率の報告があります。すべての診察を受けた方は、約50%が禁煙を続けて、2人に1人が禁煙に成功しています。しかし初回の診察で中断してしまった人で禁煙が続いているのは5%弱でした。
参) H28年診療報酬改定結果検証に係る特別調査(H29年)(ニコチン依存症管理料による禁煙治療)