耳鼻科+内科+歯科 あらゆる面から診察し治療 (保険診療)
A 原因 | B 上咽頭炎 | C Bスポット | D 発声障害 |
E コロナ後遺症 | F 鼻水多量 | G 鼻水粘稠 | H 鼻口腔乾燥 |
I 鼻中隔弯曲 | J 鼻咽頭腫瘍 | K 長引く咳 | L 逆流性食道炎 |
M 加齢 | N 口臭 | O 予防 |
●鼻奥の腫れ(上咽頭炎)→ Bスポット療法(EAT)
●鼻水が多い→減らす(薬や手術)
●鼻水がドロッとしている→炎症を治癒 手術も!
●鼻や口が乾く→内科で膠原病チェック
●鼻や周囲のできもの→切除 悪性の場合も
●鼻の骨が曲がっている→手術へ
●咳がひどい→肺や胃の炎症かも 内科でチェック!
後鼻漏症(Post Nasal Drip Syndrome: PND)とは?
鼻と口は、体の入り口であり、どちらも外界に接し、体外から体内にものを取り入れています。口からは生きていくのに必要な液体や食物をとり、鼻からは生きていくのに必要な空気を取り入れます。どちらとも外部との接触面は粘膜で覆われています。鼻の機能は、取り入れた空気を浄化してきれいにします。まず鼻前庭に生えている鼻毛で大きなゴミを捕獲します。よって鼻毛を切りたり、加齢により鼻毛が抜けてくると、大きなゴミが鼻からのどや気管に直接入ってきて、大きなゴミの刺激で鼻水が出やすくなったり、ウイルスや細菌がくっついていると、体内に侵入しやすくなり風邪・感冒をひきやすくなります。その後、鼻の粘膜や線毛や粘液層の働きで、鼻毛をすり抜けて入ってくる小さな異物や細菌やウイルスを鼻の奥の咽頭側にもちこみ、やがて体外に排除され、処分します。いわゆる空気清浄機の働きをしています。他には取り入れた空気の圧を調節したり、加温・加湿し、浄化されたきれいな空気をうまく気管支から肺に流れるような調節機能があります。これは車のラジエーター機能と同じです。鼻や副鼻腔から産生される鼻水の量は、健康な方でも大量に鼻水は産生されます。半分は鼻の加湿や洗浄につかわれ、残りの半分は鼻の後ろからのどに流れ込みます。毎日牛乳パック1.5本分(1.5L)です。鼻の前の方で、吸った空気を加湿するために一部が使われ、その残りはのどに流れてきます。(参考 鼻の病気はこれで治せる 東京厚生年金病院 石井正則) 。
正常の鼻腔の粘膜は、粘液層で覆われ、粘液の量が過剰になり、性状が変わった場合を鼻漏(nasal discharge, rhinorrhea) といいます。鼻漏にはアレルギー性鼻炎等でのサラサラとした漿液性seriousの鼻漏や、蓄膿症にみられるドロッとした粘液性mucoidの鼻漏、悪性腫瘍や外傷や異物でみられるピンク色の血清の鼻漏があります。後鼻漏とは鼻汁がのどに降りる、鼻とのどの境目(上咽頭)に粘液がへばりつく等の表現される訴えです。(参考:新耳鼻咽喉科科学 鼻科学の章 南山堂) 英語ではPost Nasal Drip (PND)といい、後鼻漏(こうびろう)症候群ともいいます。鼻水が鼻の後ろ(のどの奥)に落ちていくことをいいます。前の方に落ちるのを前鼻漏(ぜんびろう)といいます。後鼻漏というのは、病気と言うよりも生理的な症状ともいえます。生きてから、毎日毎日、牛乳パック分1.5Lの鼻水が流れているので、人間は本来慣れているはずですが、鼻が詰まったり、鼻やのどの奥がべとっとしている感じや、のどがいがいがするなのどの違和感を感じることがあります。この場合は、花粉症やアレルギー性鼻炎や風邪(感冒)やコロナ感染で鼻の奥の上咽頭の粘膜が腫れていたり、鼻水が多くなっているか、急性咽喉頭炎や蓄膿症(急性・慢性副鼻腔炎)でウイルスや細菌などのバイ菌が入ったりしてドロッとした鼻水になっているか、他には加齢変化や膠原病(シェーグレン症候群)により鼻が乾く(ドライノーズ)、口も乾く(ドライマウス)、のども乾いてしまい鼻水が鼻やのどにくっついてしまい後鼻漏を感じることがあります。他には鼻の粘膜が膨れたり(鼻茸ポリープ・好酸球性副鼻腔炎)、鼻の奥の腫瘍があり、そこに鼻水がくっついて違和感となり、後鼻漏を感じることもあります。他には咽喉頭異常感症や逆流性食道炎でも後鼻漏症状を強く訴える方がいます。
●後鼻漏 頭痛 咽喉頭違和感 咽頭痛 首肩のこり 慢性咳嗽
⇒ 慢性上咽頭炎そのものの症状(上咽頭の炎症による痛み・膿汁流出・放散痛によるもの)
●コロナ後遺症(及びブレイン・フォグ Brain Fog) 慢性疲労症候群 めまい 起立性調節障害 全身痛 線維筋痛症 機能性胃腸症 過敏性腸症候群 機能性ディスペシア 不眠
⇒ 自律神経・内分泌系異常による症状(上咽頭における静脈うっ血・脳脊髄液うっ滞による脳幹視床視床下部の循環障害説)
●IgA腎症 の急性増悪 掌蹠膿疱症 反応性関節炎 ⇒ 自己免疫障害(扁桃病巣疾患と同じような免疫障害)
●発声障害 ⇒ 上咽頭付近の炎症及び自律神経障害
●口臭 ⇒ 鼻の奥からの臭いは、上咽頭付近の汚れと炎症に関係
上咽頭は、口からみると、口蓋垂(のどちんこ)の上方(裏側)で、鼻の奥と交通する所(鼻の奥のつきあたり)にあります。上咽頭は別名「鼻咽頭(びいんくう)」と呼ばれます。子供では扁桃の一種のアデノイド(咽頭扁桃)が存在するところです。鼻咽腔炎と上咽頭炎は同じ意味ですが、鼻咽腔炎のほうがやや古い言い方です。鼻からの内視鏡でないと、上咽頭の状態はわかりません。上咽頭の上には、下垂体というホルモン分泌の要があることから、上咽頭は神経のツボともいわれています。Bスポット(上咽頭擦過療法 EAT)は、慢性の上咽頭の炎症による静脈路やリンパ流路のうっ滞を緩和することによって全身状態を改善すると考えられています。慢性上咽頭炎の症状である後鼻漏や咽喉頭違和感や慢性咳嗽や頭痛やめまいや肩こりに対して、改善率は局所所見で73%であり、主訴は88%との報告があり、慢性上咽頭炎に対するBスポット療法(EAT 上咽頭擦過療法)が有効であるとの報告がありました5)。
参考 1)別冊Bio Clin 5-2,pp82-7,2016 2)Hotta :Immunol Res. 65-1 pp66-71,2017 3)口腔/咽頭科.31-1,pp69-75,2018 4)アレルギー免疫 25-6,pp794-801,2018 5)慢性上咽頭炎の重症度分類と上咽頭擦過療法の有効性 口咽科34-2,pp163-72, 2021
Bスポット療法(上咽頭擦過治療 EAT)は、上咽頭の別名である鼻咽腔の「ビインクウ」の頭文字の「ビB」をとり東京医科歯科大学耳鼻咽喉科学教室の名誉教授であられた故堀口申作先生が提唱された治療法です。半世紀以上前から行われている治療法です。塩化亜鉛で上咽頭を刺激します。仙台の腎臓内科医の堀田修先生が理事長を務められている日本病巣疾患研究会(Japanese Focal inflammation related disease res group https://jfir.jp/)では、上咽頭擦過療法または上咽頭擦過治療(EATイート: Epi-pharyngeal Abrasive Therapy)と呼ばれており、学術的にはこの名称で統一されつつあります。7スポット等、類似用語がありますが、行っているのは咽喉頭付近に塩化亜鉛を塗布することで、同じものと考えられて結構です。
上咽頭の炎症は急性期には、のどの痛みとして感じます。鼻につながっている耳の入り口(耳管開口部)に近いので、風邪のひきはじめに、なんかのどがいたいような、耳が詰まったような感じがすることがあるでしょう。その場合は、上咽頭が腫れていると思われます。急性の状態を過ぎてくると、のどの痛みはひいてきて、耳のつまり感もなくなってくるのですが、個人レベルの差はありますが、頭痛や首のこり・肩こり、めまいをはじめいろんな全身症状と関連すると考えられています。慢性に腫れた上咽頭に、鼻水がこびりついて、のどの違和感が続く、のどの奥に鼻水が固まって痛い、口からペッてはくと黄色い固まりがでてくる。これは後鼻漏の症状です。このように鼻水が鼻から出ずに、のどに落ちてくるタイプの後鼻漏も上咽頭ではよくあります。ただ、蓄膿症(副鼻腔炎)も同様の症状が有り、レントゲンや場合により当院にあるコーンビームCTによる検査で鼻の奥に膿が貯留していないかを確認する必要があります。また鼻からのファイバー(鼻咽腔内視鏡)にて上咽頭の部分を確認して、腫瘍がないか、ただの腫脹か、炎症がないか、鼻水がこびりついていないかを調べることは欠かせません。
塩化亜鉛(Zinc chloride)は亜鉛の塩化物で、1600年代にJ. グラウバー(独)により最初に合成されたようです。塩化亜鉛(ZnCl2)は、蛋白質を変性させ、組織や血管を縮める作用をもちます。炎症がある上咽頭粘膜付近の咽頭扁桃や耳管扁桃につけることにより(Bスポット療法・上咽頭擦過治療 EAT)、後鼻漏やのどの痛み、耳のつまり感、感冒による症状を改善することが期待されます。
鼻の奥の上咽頭やその粘膜に、注射をすると、ショックを起こすことがあり、注射は一切しません。慶友銀座クリニックのやり方は、鼻処置後、上咽頭を軽く麻酔薬を浸した綿棒でトントンと軽く叩くように麻酔します(注射はしません)。その後上咽頭を塩化亜鉛溶液に浸した綿棒で、擦るように刺激します(注射はしません)。基本的には治療では経鼻及び経口の2方向から鼻の奥またはのどちんこ(口蓋垂)裏側にある上咽頭部にアプローチをしていきます。痛みも経鼻の方が少なく、状況により内視鏡も使いながら行います。炎症がひどい場合や、後鼻漏が強い場合は、細菌の検査を行います。この検査は綿棒でちょこっと上咽頭を擦るだけなので、痛くはありません。1週間で検査結果が出ます。薬剤の感受性も調べられるので、細菌の種類により、抗生剤を使い分けることができます。炎症が強く腫れているような場合は、処置をしていても弾力があるような感じがします。十分な鼻の処置をした後、鼻から塩化亜鉛を棒の先にしみこませた綿棒で処置して、口からのアプローチでは咽頭巻綿子という綿花を金属の先に太く巻き付けたものを用います。炎症があると、綿棒に上咽頭から出血した少し赤い血が、極うっすらとつきます。これで炎症を確認します。ほとんど副作用はありません。当初は、塩化亜鉛の液は塗布するとかなりしみて痛むので、当院では少し薄めで使っています。炎症が治まると痛みは和らぎます。塩化亜鉛の処置の後にしばらく続くヒリヒリ感を我慢して頂ければ、大きな効果が期待できます。ヒリヒリ感が長い方で半日ほど続く場合がありますが、そういった方ほど治療を続けていただく価値があります。Bスポット(上咽頭擦過療法 EAT)の治療後は、鼻汁が少し増えたり、後鼻漏の症状が一時強くなることもありますが、次の日から少しずつ回復していきます。感冒後ののどのひりひり感は一発で治ることもあります。患者様により違いがありますが、上咽頭における慢性の炎症を抑えることにつなげて、よい状態に促すためにはワンクール(15回)ほどの治療をみなさまにおすすめしています。いったん治療が終了しても、上咽頭炎は生活の変化や自律神経の乱れなどで再発することもあり、当院では1ヶ月に1回程の継続通院をおすすめして、様子をみさせていただくようにしています。当院では保険診療内での治療を行っていますので、ご負担もさほど大きくならないと考えます。治療・処置の後も普段通りに過ごしていただけます。食事制限も特にありません。ただ治療中に強い痛みを感じたり、鼻汁や痰に血が継続的に混じったりする患者様もいられます。特に炎症が強い患者様ほど、治療の効果が高いのですが、塩化亜鉛処置をしたあとにしみるような痛みが大きくなることも考えられますので、治療前にはそういったデメリットもしっかりと説明するように心がけています。また当院では、まずソフトに行い、粘膜が慣れてきたところで、少しづつ強めに行っています。Bスポットを行った後に、痛み止めを処方したようなケースは、院長の記憶の限りですが、開院以来(15年以上経過)1回だけです。
① 自律神経障害 ⇒ のどが乾く(喉頭の粘液が低下し声帯の潤い↓)⇒ 乾燥した声帯なので、うまく振動しない ⇒ Bスポットによる自律神経障害の改善により、のど(声帯)が潤う(固い分泌物もとれる)+ 声帯振動が上昇して高い声がでる
② のどまわりが炎症により腫れる⇒音をつくる空間が傷み、狭くなる ⇒ 音の共鳴が悪くなる(共鳴障害)⇒ Bスポットの消毒作用により空間の炎症↓して、空間スペース↑して音の共鳴↑することで声が響く 笛の中を掃除する感じでしょうか
③ 上咽頭にある迷走神経(副交感神経)から出た反回神経(声帯の動きを支配)を障害している可能性も ⇒ Bスポットの自律神経調節作用により、声帯がピタッと閉まるように動くかも
当院にはBスポット(上咽頭擦過療法EATイート)の治療を受ける声の専門家の患者様が数多くいらっしゃいます。声楽家や歌手だけでなく、最近では声優さんが多くなりました。声は加齢により変化します。加齢による男性ホルモン低下により、男性の声帯は萎縮して細くなり、声は高くなります。女性は女性ホルモンの低下により、声帯がむくんで声は低くなります。声帯を潤す粘液の分泌も低下して、声帯の動き(振動)に影響して声は変化します。
上咽頭の炎症により、嗄声、声がれや声が出にくい、声が響かない、声が続かない、声が裏返る、音程が不安定になるなどの症状がでることがあります。Bスポット(上咽頭擦過治療EAT)により、改善する可能性があります。
参考)大学病院時代にBスポットを直接ご教授いただいた尊敬する東京ボイスセンターの楠山先生の論文を参考にしています。kusuyama T歌唱者における上咽頭炎による音声障害 音声言語医学誌Vol58-4,pp333-8,2017
コロナ後遺症(新型コロナウイルス Covid19感染症後遺症)は Long Covid Conditions/ Post Covid Conditionsともいわれ、Bスポット療法(上咽頭擦過療法EAT:イート)が効果があるのではないかと報告されています。慶友銀座クリニックでは、新型コロナ感染症(COVID-19)にかかった後、新型コロナ後遺症に悩む患者様で、上咽頭に炎症がみられる患者様に対して、ケアのひとつとしてBスポット療法(上咽頭擦過治療 EAT)を行います。
日本病巣疾患研究会副理事長の高名な内科医の今井一彰先生にインタビューした記事では、新型コロナ後遺症には、長引く倦怠感があり、「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群]の症状にも強い倦怠感があります。「筋痛性脳脊髄炎 / 慢性疲労症候群」の症状として慢性上咽頭炎があり、Bスポット療法(上咽頭擦過療法EAT)を治療として行ったという研究報告があります。この場合、上咽頭炎が改善すると症状が改善することがありますから、新型コロナ後遺症においてもBスポット療法(上咽頭擦過治療EAT)を行っており、良い感触を得ているとのことでした1-2)。また、日本病巣疾患研究会理事長の堀田修先生も、新型コロナ後遺症で上咽頭炎を起こしている患者様に対してBスポット療法(上咽頭擦過治療 EAT)を積極的に試みる価値は高いとのことでした3)。他にテレビ朝日サンデーLIVE(2021/6/6)でも同様のご意見がありました。
2022年8月に今井一彰先生のグループが、上咽頭擦過療法(EAT Bスポット療法)が、新型コロナ後遺症(Long COVID)である倦怠感・頭痛・集中力の低下の改善の効果があったとの報告をしました4)。この理由としてインターロイキン6という炎症因子が上咽頭を処置することで減少することのようです5)。このことにより、特にLong COVID (新型コロナ感染症の後遺症)の方で、倦怠感や頭痛や集中力の低下がある方は、上咽頭擦過療法が有効と考えます。また論文の中で、新型コロナ後遺症の症状でもある睡眠状態や体痛や関節痛や記憶力の改善にも上咽頭擦過療法が効果的との指摘がありました。
Reference
1)認定NPO法人日本病巣疾患研究会 宮城県仙台市若林区6-2-39 TEL080-5731-5914
2)コロナの後遺症と筋痛性脳脊髄炎 慢性上咽頭炎の関係は2021/5/24 yomiDr(読売新聞の医療健康介護サイト)
3)COVID19 後遺症の陰に慢性上咽頭炎 日本医事新報社No5065 (2021/5/22)p57
4)Epipharyngeal abrasive therapy (EAT) has potential as a novel method for long COVID treatment Viruses 14-5,907,2022
5)Epipharyngeal abrasive therapy (EAT) reduces the mRNA expression of major proinflammatory cytokine IL-6 in chronic epipharyngitis Int J Mol Sci 23-16, 9205,2022
アレルギー性鼻炎(花粉症・寒暖差アレルギー・老人性鼻炎)風邪(感冒):特にウイルスによる鼻風邪
●薬の内服 ●薬の注射 ●舌下免疫療法(スギ・ダニ)
●外科手術
日帰り手術(当院):炭酸ガスCO2レーザー3台、半導体レーザー1台、高周波数ラジオ波1台
入院手術(慶應義塾関連病院での手術):後鼻神経切断術等
★鼻水に強い半導体レーザー手術
★手術は慶応関連病院での強力フォロー
★漢方は日本東洋医学会認定医が在籍
日帰り手術としては、鼻水が少なめのときは炭酸ガスレーザー、鼻水が多いではレーザーができる半導体レーザーの手術が有効です。レーザー効果が少ない場合は、高周波ラジオ波手術を検討します。慶應義塾関連病院での入院手術の場合は、担当医が慶友銀座クリニックで診察し、所属の病院で手術をし、当院にて担当医がフォローアップするので、術後は入院した病院に頻繁に通う必要はありません。
蓄膿症(急性・慢性副鼻腔炎)好酸球性副鼻腔炎 歯性上顎洞炎(インプラント手術が原因の場合も)急性咽喉頭炎
鼻の奥の鼻腔の周囲には、粘膜に覆われた副鼻腔という空洞が存在し、鼻腔とつながっています。眉間には前頭洞、ほおの裏には上顎洞、眼の奥には篩骨洞、もっと奥には蝶形骨洞という空洞があります。このように鼻の周囲に左右4つずつ計8個ある空洞です。鼻腔と副鼻腔はつながっているので、鼻腔の炎症は副鼻腔におよぶことがあり、これを副鼻腔炎とよびます。急性にはじまった副鼻腔炎の多くは、感冒などで、ウイルスや細菌がまず鼻腔に感染して炎症を起こしてしまいます。その感染が副鼻腔まで波及してきます。炎症を起こすと副鼻腔と鼻腔がつながっている部分が腫れてしまい、副鼻腔内の分泌物や膿などが、管をつうじて外に出せなくなり、溜まってしまい、炎症をが長引いたり、さらに感冒等により感染を繰り返し、細菌感染も繰り返してしまうことで、3ヶ月もこのような状態が続くと、慢性の副鼻腔炎(いわゆる膿が溜まった蓄膿症)になってしまいます。他に現在注目をあびている好酸球性副鼻腔炎があります。症状として多発性の鼻茸がぼんぼんできてしまい嗅覚障害がおこってしまいます。白血球の一種である好酸球が鼻粘膜に多数認めるのが特徴です。耳まで波及してしまい、難治性の中耳炎を起こしてしまいます。治療はステロイドの内服が主で、減量目的で、鼻茸切除を鼻内手術として行います。患者は増加傾向で難病に指定されました。
●薬の内服:抗生剤投与(低用量マクロライド療法等)
●外科手術
日帰り手術(当院):鼻レーザーや高周波ラジオ波手術
入院手術(慶應義塾関連病院):内視鏡による鼻手術
「慶友銀座クリニックの特徴」
★歯科と医科の連携による治療
★歯科インプラント手術への対応
歯やインプラントによる原因である鼻の炎症が多くなってきています。慶友銀座クリニックは歯科医師も勤務し、虫歯が原因で膿が出て、後鼻漏になることもあり、歯科医師により歯の状態をチェックすることも可能です。また歯科医師は、口腔内の病気のプロです。耳鼻咽喉科とは別の側面で口や歯や舌をチェックすることができます。また鼻と歯も同時に撮影できる特殊なコーンビームCTがあり、歯の状態がどのように鼻に影響を与えているかがわかります。また慶應義塾関連病院での入院手術の場合は、担当医が慶友銀座クリニックで診察し、所属の病院で手術をし、当院にて担当医がフォローアップするので、術後は入院した病院に通う必要はありません。また歯科インプラント術後のトラブル及び術前チェックについても、対応しています。
ドライノーズやドライマウス 膠原病(シェーグレン症候群)を疑い、血液検査で膠原病のチェック 歯科口腔外科で口の中から粘膜切除精査 睡眠時無呼吸によるいびきでの乾燥や、治療CPAPによる鼻口乾燥 口臭の原因にもなる
「慶友銀座クリニックの特徴」
★後鼻漏は歯科でもチェック
★膠原病は内科でチェック
★いびき・睡眠時無呼吸はお任せ下さい
★口臭もお任せ下さい
ドライマウスは虫歯の状態からも判断することができます。慶友銀座クリニックは連日歯科医師が勤務していますので、虫歯のチェックが可能です。また火曜午前と水曜午後は、内科の医師が勤務していますので、唾液が減る膠原病(シェーグレン症候群)を内科でもしっかり診察することができます。唾液が減るだけであれば、漢方薬を口渇として処方します。慶友銀座クリニックでは患者様のコンプライアンスを考え、漢方の一日3回もよろしいですが、一日2回服用の漢方薬を出すことも多いです。すべて保険適応です。金曜日午後部には日本東洋医学会専門医である耳鼻咽喉科専門医が在籍しているので、より詳しい漢方処方も行うことが可能です。
また慶友銀座クリニックはいびきや睡眠時無呼吸の診療で有名です。いびきや睡眠時無呼吸で口が乾燥するかたが多いです。睡眠時無呼吸の方は、扁桃腺が大きいのが原因の方がいます。大きな扁桃にこびりついた鼻水も、後鼻漏の原因です。このような場合は、炎症を繰り返す場合には、慶友銀座クリニックでは、まずは荊芥連翹湯などの漢方薬を処方して慢性の扁桃炎を治療することが多いです。炎症がひどく、溶連菌も感染があり、睡眠時無呼吸がひどい場合は、軟口蓋形成を含めた手術を検討することもあります。睡眠時無呼吸治療である持続陽圧呼吸CPAPの治療は、鼻に空気を夜間持続的に通すので、鼻や口が朝ぱりぱりに乾いてしまい、ドライノーズやドライマウスの原因になります。睡眠時無呼吸の治療としてのマウスピース作成で、無呼吸及び後鼻漏が軽快する患者さんもいます。寝ているときに、マウスピースの効果により咽頭腔が拡がったのが要因かと思われます。このように慶友銀座クリニックでは、いびき・睡眠時無呼吸の面からも後鼻漏をチェックでき、歯科医師もいるので歯科医科連携で治療できます。
院長は日本口臭学会の理事です。口腔内乾燥がひどくて、口臭がひどくなることもあります。後鼻漏より口臭の方が気になるという患者さんもかなりいらっしゃいます。当院にある口臭解析装置にて、口臭を解析し、後鼻漏の原因をつかみます。
軽度)日帰り手術 レーザーや高周波ラジオ波による鼻腔粘膜焼灼術
重度)慶應関連病院での鼻中隔矯正術
超重度)関連病院での斜鼻に対しての鼻形成術
「慶友銀座クリニックの特徴」
★3台の炭酸ガスレーザーと1台の半導体レーザー、高周波ラジオ波(計5台)にて対応
★入院手術は慶応関連病院での強力フォロー 担当医が所属の病院で手術をし、当院にて担当医がフォローアップするので、術後は入院した病院に頻繁に通う必要はありません。
鼻ポリープ(後鼻孔ポリープ)
好酸球性副鼻腔炎(耳の中にできる場合も)
口腔や鼻や上咽頭の腫瘍(悪性の場合も)
「慶友銀座クリニックの特徴」
★悪性腫瘍は当院の頭頸部外科で見逃さない
★手術は慶応関連病院での強力フォロー
★好酸球性副鼻腔炎は当院の内科で原因精査
慶友銀座クリニックは、耳鼻咽喉科だけでなく、頭頸部外科の外来があり、院長の元上司で東京都済生会中央病院の元部長の田路医師(専門:頭頸部外科、現在新百合ヶ丘総合病院部長)が担当します。上咽頭には、良性の子供の頃からのアデノイドの残り(遺残)やソーンワルト病(Thornwaldt's disease;鼻咽頭嚢炎)という頭蓋咽頭管が嚢状に遺残したものに感染が加わった病気があることがあります。アデノイドの遺残は、見た目が良性で表面がつるつるしていても、実は悪性の場合もあり、鼻に内視鏡を入れながら、同時に鼻から鉗子をいれてほんの少し組織をとり、病理診断に出して、良性か悪性かどのようなものか見極めます。良性で、あまりにも大きく、睡眠時無呼吸の検査をして睡眠時無呼吸の原因が明らかな場合は、全身麻酔下にて切除を含めた手術を検討します。手術時間は、特殊なメスでバサッと削る(切るよりも削る感じです)だけなので、すぐ終わってしまう簡単な手術ですが、やはり全身麻酔で出血もするので、全身麻酔の手間とリスクと入院の経済的効果も含めて医師は手術を検討します。ソーンワルト病(Thornwaldt's disease)は、1929-92年の間に日本ではほんの数例しか報告がないようですが(ActaOtolaryngol1994;517:36-9)、私の経験上は臨床的にはもう少しあるようです。まずはBスポット療法などの処置を含めた経過観察をします。上咽頭の組織をとり、悪性が診断されることも当院では度々あります。
上咽頭のがんは中国、東南アジアに多く発生します。男性に多く、組織学的には、低分化型扁平上皮がんで、次が悪性リンパ腫です。悪性の腫瘍が発見された場合は、責任をもって慶應義塾関連病院の紹介を含めて対応します。
急性気管支炎 肺炎
咽喉頭異常感症
逆流性食道炎
慶友銀座クリニックの特徴
★耳鼻科 内科 頭頸部外科にてトリプルチェック&フォローで安心
★当院には咳の専門である呼吸器の専門医が診察します(木午前)
★当院には食道炎の専門である消化器の医師が診察します(水午後)
当院には、内科(呼吸器内科)の日本呼吸器科学会認定の専門医が在籍しています。「なんか湿った咳が長期間でる」という症状の場合、後鼻漏の可能性があります。呼吸器科の医師が、聴診器による肺の綿密な精査を含め、耳鼻咽喉科と共同して咳の原因をつきとめます。近年多くなり、難病指定ともなった好酸球性副鼻腔炎の原因は気管支喘息です。気管支喘息を取り扱う内科医と耳鼻科医が共同して診療にあたります。
胃からのど奥の上咽頭付近まで胃酸が上がってくると、後鼻漏様症状をおこすことがあります。PPIなどのお薬を用いますが、食生活を含めたライフスタイルの変更が重要です。また慶應大学病院所属の消化器の専門の医師(女性医師 水曜日午後部)が逆流性食道炎について対応します。胃カメラ等についても関連病院にて対応します。
逆流性食道炎は、強い酸性の胃液や、胃で消化される途中の食物が食道に逆流してしまい、そこに留まるために、食道が炎症を起こし、胸やけや胸の痛みなどさまざまな症状が生じる病気です。食後の胸焼けやゲップが出る(呑気)、のどに酸っぱいものや苦いものがこみ上げてくる感じがする、酸っぱい口臭がする、他に後鼻漏症状も起こすといわれています。逆流性食道炎は、以前は高齢者に多かったのですが、ライフスタイルの変化、欧米型の食生活の変化、特に銀座・築地方面にお勤めの患者様達は、仕事柄、特に夕食をとる時間がかなり遅い、お酒を飲む機会が多いということもあり、最近では若い人に増えています。また、日本人には少ない病気でしたが、高脂肪・高カロリー型の欧米型の食生活の移行により全体的に患者さんが増えてきています。ある程度、患者様の訴えで逆流性食道炎の存在が推察されますが、このような方は、健康診断で行うバリウム検査ではよくわからないこともあるので、できれば内視鏡による食道から胃の精査(のど・鼻から食道の入り口部の精査が大切です)をおすすめしています。
加齢により嚥下機能が低下すると、上咽頭にいる痰が嚥下できずに残り(後鼻漏)、咽頭違和感が強くなることがあります。加齢などによる嚥下機能の低下も加わると、痰(後鼻漏)が嚥下できずに咽頭に残り、咽頭違和感が強くなることがあります。後鼻漏が気管に流れ込んでしますと、高齢者では気管支炎や肺炎をおこすこともあります。加齢により口や上咽頭が乾燥しやすくなり、また年をとると内服薬の副作用により口渇することもあり、後鼻漏様の症状が続くこともあります。少しづつお水を飲んだり、お水でのうがいをおすすめしています。コーヒー等のカフェイン類は、かわきを増してしまう場合があり、おすすめできません。
Bスポットは口臭(特に鼻臭)に効果があります。塩化亜鉛は、口臭の原因となる揮発性硫化物VSCsの発生を阻止します。Bスポット療法(上咽頭擦過療法 EAT)による塩化亜鉛ZnCl2による上咽頭処置は、特に上咽頭からの臭い、つまり鼻の奥からの口臭(鼻臭)にも効果が期待できます。
●マスクをする:鼻やのどの湿度を保つ。細菌やウイルスの感染を予防する。
●うがいをする:お水でうがいをする(トイレ行くたびの頻度でいいです)。
●ノンカフェインを選びましょう:カフェインによる口腔刺激や口腔乾燥を防ぐため
●手を洗う:感染症(インフルエンザや感冒・コロナ)の多くは、体内に手から侵入します。
電車のつり革やドアのノブ、パソコンのキーボードには、ウイルスが付着しているので、そのような場所を触った手を介して、洗っていない手で目を擦ったり、口をさわったり、食事をしたりすることでウイルスが体の中に入ってきます。その防止には、手洗いが絶対必要です。自宅の玄関に手指のアルコール消毒剤等を置いていても、わざわざ水を使って手を洗うことなく、住宅に入るときに消毒できるので便利だと思いますが、手も荒れてしまうので流水でしっかり洗うことも心がけたいです。