メディア協力(雑誌・取材記事)
【記念記事】
◆ 「記念記事」Washington Post (米国)2009年9月7日版1面
米国を代表するワシントンポストに、理事長の巨大な顔入り記事が掲載
題名は「日本の保険医療はなぜコストが安いのか?」
米国では医療訴訟の弁護士代が高額であり、その費用が医療費に反映されると、理事長がコメントしました。記者がそのような指摘ははじめてだと、評価していただき、なんと一面に掲載されました。大統領もご覧になったろうとのこと。顔写真も巨大で、英国首相もここまでのカットはまずないそうです。
日本の町医者の意見を、新聞の一面に掲載するということに、米国のジャーナリズムの原点をみました。
【2023年】
◆ 2023年9月18日発行の東京都中央区学校保健便りに、東京都中央区立泰明小学校と幼稚園及び東京都中央区立明石小学校と幼稚園の校医という立場から、「耳垢除去と外耳炎」について書きました。
◆ 2023年7月26日 日NEWSポスト・セブンで「難聴と認知症」に関連する記事に対してお話をしました。
詳細はこちら
◆ 2023年7月6日 読売新聞 朝刊12面 「自分に合う補聴器選び」
補聴器と認知機能の低下についてコメントしました
◆ 2023年3月10日 週プレNEWSにて「鼻毛」のお話をしました。
詳細はこちら
【2022年】
◆ 週刊朝日 2022年1月号 創刊100周年突入「名医が教える日本人の病気の最新治療」
鼻水・鼻づまりについて大阪大学耳鼻咽喉科の先生と院長が解説しました。内容はアレルギー性鼻炎のレーザー治療と寒暖差アレルギーと鼻中隔彎曲症の手術についてです。
◆ 片方のみの鼻閉は、腫瘍の可能性も AERA dot.Yahoo News 2022年1月20日
院長が、大阪大学耳鼻咽喉科の先生とともに鼻閉に関連する病気について解説しました
【2021年】
◆ MONOQLO 2021年12月号 晋遊舎
『カメラ付き耳かき』の落とし穴
◆ 女性セブンムック 小学館 2021年4月5日発行
補聴器について取材を受けました。
◆ 2021年3月号 素敵なあしたへ 協和発酵バイオ株式会社
寒暖差アレルギーの対処法について取材を受けました。
◆ 2021年3月2日号 オレンジページ
良性発作性頭位めまい症について取材を受けました。
【2020年】
◆ 2020年10月30日発行 日刊ゲンダイ
創刊45周年に当院の名前が載りました。
◆ 2020年10月6日発行 中日新聞
秋深まると・・・くしゃみ 鼻水、体の不良 寒暖差が原因?!寒暖差アレルギーについて取材を受けました
◆ 2020年2月発行 健康かわら版(第一生命)
いびきについて閉塞性睡眠時無呼吸症候群はさまざまなリスクがつながります
◆ 2020年3月号 STORY
花粉症レーザーについて当院が紹介されました
◆ 2020年3月31日号 日刊ゲンダイ
正しく恐れる新型コロナ 嗅覚と味覚がなくなるのはウィルスがにおいに関わる粘膜や神経を障害している可能性
◆ 2020年8月1日発行 さわやか夏号
いびきについてたかが「いびき」と放置はNG!閉塞性睡眠時無呼吸の大きなサイン
◆ 2020年9月12日発行 美的GRAND
withマスク時代老けないための新お作法 口呼吸で口臭やマスクについて取材を受けました
◆ 2020年1月1日発行 プレジデント社 賢い人の睡眠法
本当は恐ろしい いびき、歯ぎしり改善&克服法 東京医科歯科大学医学部附属病院呼吸器内科・快眠センター長、教授・宮崎泰成先生と共同取材を受けました。
◆ 2020年3月19日号 女性セブン。
一からわかる初めての補聴器ガイド
【2019年】
◆ 2019年6月号 光文社STORY。
恐怖!人は目と口から老いてゆく
◆ 2019年4月13日発行 日本経済新聞。
耳鳴りとどう付き合う まず受診、原因突き止めて「実は病気」の恐れ/補聴器で症状改善も
◆ 明治安田生命MYタイムズの取材を受けました。
花粉症による集中力低下で効率ダウン!どうする?
◆ 2019年3月30日発行 日本経済新聞(紙)
出会いの季節の口臭ケア 原因の9割は口の中に 朝ごはん食べて予防/睡眠不足に注意
東京医科歯科大学大学院健康推進歯学分野の川口陽子教授と一緒に取材を受けました。
日経スタイル(電子)はこちら
◆ 小学館 月刊DIME3月号
過去最大規模の花粉症防御術 貼る抗ヒスタミン薬と花粉症根治の新薬が登場
【2018年】
◆ 週刊朝日 2018年9月28日発行
知らぬは本人ばかり いびき・歯ぎしり・口臭は死のサイン
◆ 平成30年9月3日発行 週刊ポスト
星薬科大学先端生命科学研究所特任教授の塩田清二氏と共同取材
◆ 2018年9月17日号プレジデント
東京医科歯科大学医学部付属病院呼吸器内科・快眠センター長 宮崎泰成先生と共同取材
◆ すこやかファミリー 第748号 平成30年8月1日発行
「いびき」がうるさい 肥満や加齢、女性ホルモンの減少が、いびきを招く
◆ 2018年5月 わかさ出版 わかさ夢MOOK「耳鳴り・難聴・めまいを自分で治す本」
◆ 月刊赤ちゃんとママ4月号
パパの健康相談室 Q、口臭が気になります・・・何かいい治療法はありませんか? A、ほとんどの口臭は生活習慣を変えることで改善できます。
◆ MEN'SNON-NO 2018年4月号 2018年3月9日集英社発行
いびき、歯ぎしりホントに治りますか?
◆ 栄養と料理 1月号 平成30年1月1日女子栄養大学出版部発行
専門家に聞きたいちょっと気になる症状 女性のいびき
◆ MonoMax3月号に院長が記事が掲載されました
花粉症治療最前線
◆ 2018年2月 あさ出版 慢性上咽頭炎を治しなさい
治療医療機関一覧に載りました
◆ 平成29年10月 アサヒの健康通販冊子「さんさんと」vol,11
万年いびき簡単改善術
◆ 平成29年9月20日 夕刊読売新聞 「からだCafe 教えて!ヨミドック きつい口臭を抑えるには?」
◆ 平成29年9月14日、17日、20日掲載「ママテナ」子供の咳についての尚、印税については、恵まれない子供達等への団体に寄付しています。
・子どもの咳が秋に目立つのはなぜ?(09/14) https://mama.bibeaute.com/article/77933/
・子どもの咳で特に注意が必要なものとは?(09/17) https://mama.bibeaute.com/article/77937/
・夜中の咳で吐いてしまう子 その原因は?(09/20) https://mama.bibeaute.com/article/77941/
◆ 2017年7月31日 株式会社 主婦の友社より「いびき女子、卒業」を出版致しました。
尚、印税については、恵まれない子供達への団体に寄付しています。
◆ 平成26年9月15日発行 中央区学校保健会だより
◆ マイカラット
2017.06.09 専門医に聞いた!「いびき」って何?原因と対処法
https://mycarat.jp/articles/108
◆ 平成29年4月3日掲載「教えて!gooウォッチ」花粉症対策、巷のウワサを専門家に聞いてみた!専門医が解説
https://oshiete.goo.ne.jp/watch/entry/a3f8b9c556271fd756afa604d03d0c8a/
◆ 平成29年3月3日掲載「教えて!gooウォッチ」耳の老化は30歳から始まる!?やり過ぎ耳ケアに要注意
https://oshiete.goo.ne.jp/watch/entry/33be6b0669c711eac5fccff475ff1da4/
◆ 平成28年11月25日発行 月刊赤ちゃんとママ増刊
月刊赤ちゃんとママ増刊1・2・3歳
こどものからだの一部をクローズアップし、1~3歳ごろの時期に特に知っておきたいことやケア方法を専門家が解説。毎日の耳掃除は不要です。鼻汁・鼻詰まりなどの症状があるときに小児科に行くか耳鼻科に行くか悩んだときはとちらも受診をして欲しいです。
【2016年】
◆ 2016年11月21日発売の講談社「週刊現代」 12月3日号
加齢するに従って、味覚に変化が生じます。極端な場合、「甘さ」「辛さ」をまったく感じなくなってしまう「味覚障害」に苦しむ例も少なくない。味覚障害の大きな原因は加齢による感覚器の機能低下によるものです。他にも約3割は薬の服用をきっかけに起こることも言われています。
◆ 2016年3月29日発行 毎日小学生新聞
口臭は大きく分けて生理的口臭と病的口臭の二つになります。口臭を防ぐには唾液の働きが大事にです。飲み物は水がおすすめです。
◆ 2016年10月17日発行 オレンジページ
ダニアレルギーかもしれない?!鼻水やくしゃみなどで日常生活に支障が出る場合は、耳鼻科やアレルギー科を受診するようにしましょう。
◆ 2016年10月1日発行 わかさ出版 「夢21」 2016年10月号
自分の声がいつもより大きく聞こえたり、耳の中で響くように聞こえたりする症状を「自声強調」といいます。自声強調は、突発性難聴やメニエール病など、いくつか耳の病気で起こりますが、中でも可能性が高いのは「耳管開放症」という病気です。
◆ 2016年5月29日発行 夕刊フジ「カラダの不思議」
のどに太い骨が刺さった場合は、自分で対処せず、耳鼻科を受診するのがオススメです。
◆ 2016年5月1日発行 読売新聞「病院の実力 補聴器」
難聴治療で耳鳴り改善も。難聴と耳鳴りの関連は大きいと考えられています。難聴の改善で耳鳴りが気にならなくなることも多い。治療法としては雑音を発生させる機器「サウンドジェネレーター」を耳に装着したりして、耳鳴りから意識をそらしていきます。耳鳴りの仕組みや悪化の要因について説明を受けることが、苦痛緩和につながることもあります。
◆ 2016年1月31日発行 夕刊フジに掲載されました。
耳がキーンと鳴る、耳鳴症状のでる人がいます。難聴が原因の可能性があるので鼓膜の状態を確かめた上で、聞こえの検査をしたほうがいいと考えます。気圧の変化で耳がキーンとなりやすい人は、鼓膜の内側にある中耳と鼻の奥とをつなぐ細い管の「耳管」機能が良くない人が多いと考えられます。
【2015年】
◆ 2015年11月8日発行 毎日小学生新聞に掲載されました。
いびきをかく原因のひとつに鼻詰まりが続く場合があり、まずそれをなんとかしましょう。それでもいびきが治らないときは、いびき専門のお医者さんに行きましょう。なぜなら寝ている間に気道が詰まって呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群」になっている可能性があるからです。
◆ 2015年10月29日発行 日刊ゲンダイに掲載されました。
鼻は生理現象で詰まることがあり病気ではなく、「ネーザル・サイクル」(鼻周期)と呼ばれる生理現象です。”鼻が詰まって苦しい”というなかには、このネーザル・サイクルにあわない方の鼻の穴で呼吸しようとしている場合があるのです。
◆ 長引く鼻水の話が朝日新聞(夕刊)2015年10月5日に掲載されました。
長引く鼻水について。細菌などが混じった鼻水が長期間続く場合、気管支炎になる可能性もあります。鼻水をためると中耳炎になる可能性もあるため、外に出した方が良い。その際、鼻を強くかまないようにすることが重要なポイントです。
◆ 鼻血については日刊ゲンダイ2015年10月22日に掲載されました。
鼻血の原因は鼻の中が傷つけられて出血するイメージがありますが、鼻出血の原因のほんの一部に過ぎません。出血するケースは鼻中隔の弯曲や、斜鼻などの構造的なもの、小児には多い鼻の中の異物、全身性の血管炎であるウェゲナー肉芽腫症などによる鼻中隔の穿孔などいろいろあります。
◆ 田舎暮らしの本に院長アドバイスが掲載されました。
難聴はボケの原因になります。一般的な耳の老化現象を「加齢性難聴」といいます。個人差はありますが30歳頃から高音部が徐々に聞こえ難くなってきます。補聴器を購入する場合は必ず医師を通してから。補聴器を購入するうえで一番重要なことは、販売店が購入後にも定期的にフォローアップをきちんとするかどうかです。
◆ 婦人公論に院長アドバイスが掲載されました。
補聴器には3つのポイントがあります。①テーブル越しなど少し離れている場所からも無理なく会話が出来る。②すぐに買わず、貸し出しや購入後の調整をしてくれる店舗③自治体から購入費の補助を受けられるケース
◆ 宝島社「GLOW」2015年5月号に副院長の取材記事が掲載されました。
◆ 医学論文
肥満が関係する睡眠時無呼吸症候群に対する漢方薬の作用
A Study on the Usefulness of Bofu-tsusho-san in Treating Obesity-related Sleep Apnea Syndrome (SAS):Kawasaki journal of medical welfare 18(2), 29-36, 2013
【2013年】
◆ 夕刊フジ2013年10月8日号に「そのいびきが命取り?無呼吸症候群」の話が掲載されました。
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- 機材利用し気道確保
- 心筋梗塞を招くことも「無呼吸症候群は太っている人がなるものと思っている方が多いのですが、それ以外にも、あごが小さい方も要注意ですし、鼻の穴が小さくて、空気を吸ったときに小鼻が内側にくっついてしまって無呼吸を起こすという方もいらっしゃいます」というのはいびき外来を設ける慶友銀座クリニックの大場俊彦院長だ。
治療は、鼻炎があればその治療、肥満が原因であればダイエットも必要になるが、何より睡眠中に無呼吸を起こさにないよう空気の通り道を確保するのが肝心。
そのための治療法としては、マウスピースと深澤さんも取り入れたCPAPがスタンダードとなっている。
「軽~中程度の方は、マウスピース、それよりも重症の患者さんにはCPAPをおすすめしています。マウスピースは患者さん1人ひとりに合わせて作りますから、通常、これで随分改善します」(大場院長)
費用は、健康保険3割負担でマウスピースが約2万円、CPAPは月々約5000円。
「CPAPは寝ている間じゅうマスクをつけて、鼻にずっと空気が送られているわけですから、最初はわずらわしく感じましたが、1週間もしたら慣れてしまいましたね」と深澤さんはいうが、器具がわずらわしくて、途中でやめてしまう人も多いという。「7社ぐらいのメーカーがそれぞれ微妙に違う製品を出していますから、合わなかったら他のメーカーのものも試してみるといいですよ」(大場院長)
無呼吸症候群が怖いのは、寝不足が重なって昼間ストンと眠りに落ちてしまうこと。これが車の運転中ともなれば、最悪の事態を招くこともなりかねない。「尋常じゃないほどいびきが大きいという場合は、無呼吸を伴っていることが多いですから、1度検査を受けてみてください。男性ばかりでなく、中高年の女性にも多いですよ。私どものクリニックでは4割が女性の患者さんです」お互いのいびきが気になって寝室を別にするというのはよく聞く話だが、こうした症状を持っている人にとっては、夫婦のコミュニケーションが減るどころの問題では済まない。夫婦で取り組む病といえよう。
◆ 東京新聞2013年5月14日号に「花粉シーズン去ってもムズムズ寒暖差アレルギーかも」の話が掲載されました。
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- 医学的には「血管運動性鼻炎」
- 都内医師「昨年より2、3割増」
「スギ花粉症のピークをすぎたこの時期になっても、花粉症に似た症状を訴える患者さんはいる。アレルギー性鼻炎ではない場合もあるんです」
鼻水やくしゃみが止まらないなどの症状を訴える患者について、アレルギーに詳しい「慶友銀座クリニック」の大場俊彦院長はこう説明する。特に夜が冷え込んだ日の翌朝に、症状を起こす人が多いといわれている。
医療ジャーナリストの森田豊医師によると、この症状は医学的には「血管運動性鼻炎」に分類され、急激な気温の変化が原因で鼻水や鼻づまり、くしゃみなどを引き起こすという。メカニズムははっきりしないが、「鼻の奥の毛細血管は通常、涼しいと交換神経の働きで縮み、温かいと副交感神経によって広がる。だが急激な温度変化が自律神経に過剰な温度変化が自律神経に過剰な影響を及ぼし、正常に作用しなくなってしまう」とされる。
前出の大場院長も「寒暖差アレルギーという名称は医療用語ではなく、むしろネット用語。アレルギーの原因物質が特定できない鼻炎で、温度変化に関係がある症状が最近、そう呼ばれており、同じような症状は昔からあった」と説明する。
◆ 日刊ゲンダイ2013年4月10日号に「実力派クリニックの得意ワザ」の話が掲載されました。
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- 口臭外来 鼻からくる口臭は蓄膿症や腫瘍が原因
- 耳鼻咽喉科でありながら“口臭外来”にも力を入れる大場院長は、日本口臭学会の理事を務める。
「口臭の大半は、歯の間の食べかすや歯周病、唾液量の低下など口腔内が原因ですが、一部、鼻の病気が引き起こしていることがあります。大切なのは、歯科と連携して隠れた例外疾患を見逃さないことです」
◆ 夕刊フジ2013年4月7日号に「鼻水はどこからやってくるの?」の話が掲載されました。
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- 知りたくもない!? カラダの不思議
- とにかく飛散量が多い今年の花粉。スギ花粉はすでにピークを過ぎたといわれているが、まだまだ辛い人も多いだろう。
それにしても、鼻水はいったいどこで作られるのか。どこで作られるのおか。どこでたまっているものがあふれるのか、それとも次々い作られるのか。慶友銀座クリニックの大場俊彦院長に聞いた。
「鼻の中は粘膜で覆われ、表面をきれいに保つため、鼻水を少しずつ産生しています。副鼻腔の中の壁も粘膜が覆っていて、鼻水を産生しています」
作られた鼻水はのどを通り、食道へと流れていく。風邪をひいたり、アレルギー性鼻炎を起こしたりした場合は、ウィルスやアレルギーの原因となるために鼻水が増え、鼻からぽたぽた落ちるような鼻水になるそうだ。
一方、感染を起こすと、色がついたドロッとした鼻水になるという。「鼻水がひどいときには、お風呂に入ることがオススメです。温かい湯気で顔面を温めることにより、鼻の周りの血流を改善させ、鼻炎反応が緩和し、鼻づまりが改善すると考えられています」
また、高い温度と湿度を持つ空気が直接鼻に入ることで、熱い空気が直接入らないようにするために鼻水が産生され、水分を含んだ柔らかい鼻水になるそうだ。
「ちなみに、鼻が詰まり過ぎると、耳のほうをおかしくしてしまうこおともあるので、鼻水を柔らかくして鼻を通すことが必要です。それには、お風呂の中で鼻をかむという方法が効果的ですよ」
ところで、片方の鼻の穴からだけ鼻水が出ることも、ときどきあるけれど、これってなぜ。「基本的に鼻の穴の中も、大きさを含めた左右差があるので、それも影響しているかもしれません。片方だけがずっと詰まっているという人は、鼻の中が変形を起こしていたり、ひどいポリープができていたりする場合も考えられます」どちらかの鼻だけが詰まることはあるが、それは大抵、一時的なもの。長引く場合には別の理由が考えられるので、必ず受診を。
◆ FLASH2013年3月26日号に「悩み深き人よ、駆け込め!花粉症の名医」の話が掲載されました。
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- 高周波ラジオ波 大場俊彦先生
- 鼻の中でふくれている部分を減らす“減量手術”
大場先生がおこなう手術療法は、高周波ラジオ波療法と、CO2レーザー治療。それぞれ日帰りでの手術が可能。患者さんの状態を見ながら段階的に進めていくそうだ。「簡単に言えばですが、鼻の中でアレルギーに反応してふくれている部分を減らす“減量手術”になります。高周波ラジオ波は針を刺して熱で縮める、レーザーは表面を焼いてかさぶたを取るという違いがあります。どちらも機器と術者の技術の発達で、いまはほとんど痛みを感じないと思います」
これらの手術によって、鼻づまりをかなり軽減できるという。ちなみにお値段はそれぞれ保険診療(3割負担)でレーザー手術が1万円程度、高周波ラジオ波が8千円程度。効果の持続性は人によって異なるが、一般的には数年程度である。
術後は1週間くらい調子が悪くなるので、シーズンに入ってからの施術では遅く、残念ながらいまの時期は投薬治療が主とのことではあるが、花粉の飛散は3、4ヵ月くらい前にこれらの手術療法をするとよいそうだ。
◆ プレイボーイ2013年3月25日号に「正しいは鼻くそのほじり方講座」の話が掲載されました。
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- 鼻くそがたまりやすい人がいる!
- 鼻の穴が小さく、鼻の中が細い人は通りが悪いので、自然と鼻クソがたまりやすくなるんですよ。ちなみにきれいな女優さんでも鼻筋の細い方は、実は鼻クソがたまってるなんてことも往々にしてあるんですよ。
鼻の内部が曲がっている人もつまりやすい。鼻は成長に伴って多少は曲がるものですが、曲がりがひどい人は、鼻クソを取ろうと思っても取れない。ですから鼻が細く、中が曲がっているような人は、場合によっては手術をしたほうがいい。
程度にもよりますが、短くカットしすぎるのは危険。たまに鼻の奥までジョリジョリに刈ってしまう人がいますが、鼻毛が本来持つ「鼻腔内の保湿」と「ホコリや花粉の侵入防止」といった機能が失われてしまい、鼻水や鼻クソが大量に出てしまう。
器具なんて絶対に使っちゃいけません!器具の先が取れて鼻の先が取れて鼻の奥に入ってしまうと大変なことになります。耳は鼓膜がストッパーの役割も果たすのですが、鼻にはそれがないので、場合によっては食道や気管にも入ってしまう。仮に気管に入れば命に係わる問題になります。
まずお風呂に入ったときに、鼻をよくかむこと。お風呂場は温度も湿度もあるので鼻水、鼻クソが取れやすいんです。それでも鼻クソがたまるなら、これはもう指でほじるしかない。誤解されていますが、鼻をほじったところで鼻の穴は広がりません。なので唯一にして最善の方法は指で堂々とほじることなのです。
◆ 女性自身3月5日号に「レーザー手術」の話が掲載されました。
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- 注目の炭酸ガス(CO2)レーザーは5~10分の手術で鼻炎がラクに!
- じつは記者Sも重度の花粉症。毎年、鼻水に悩まされていた。そこで、最新のレーザー治療を受けることに。
「炭酸ガス(CO2)レーザー手術は非常に手軽で、鼻の粘膜うをレーザーで焼灼して組織変化を起こすことにより、アレルギー症状を軽減することが目的です。
なお、手術当日、会社出勤も大丈夫です」(大場院長)
7割前後の人に効果あり、1~2年以上効果が持続するとのこと。1回で効果が不十分な場合、2~3回の追加照射を行うこともある。
さて、手術を体験した記者S。その報告を。
「手術は鼻に麻酔薬をひたしたガーゼを詰め、30分。その後のレーザー手術はわずか5~10分で終了してしまいました。
痛みもありませんし、リラックスして受けられます。今は処方される薬量も減り、とても快適です。
ただ、手術は花粉シーズン前がベストらしいので、レーザー適応の時期が気になる人は、クリニックで相談したほうがよさそう」
◆ 日刊ゲンダイに「わが街の医療」の話が掲載されました。
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- 「いびき」「睡眠時無呼吸症候群」の治療は“鼻づまり解消”から
- 東京・東銀座にある、“街の耳鼻咽喉科クリニック”でありながら、「いびき」「睡眠時無呼吸症候群」に関しては大病院と同レベルの治療を受けられる。
大場院長は、慶応義塾大学病院、東京都済生会中央病院、国立小児病院といった都心の中核病院の第一線で診療経験を積んできたベテラン専門医だ。
睡眠時無呼吸の治療は、精神科や神経内科、睡眠クリニックで行われるケースもあるが、同院は最も基本的な“鼻づまり解消”の治療からアプローチする。
内科、歯科も併設し、総合的に診たすべての治療法に対応できるのが大きな特徴だ。
「通常、日本の治療では酸素を送る鼻マスクを付けて寝るCPAPか気道を確保する専用のマウスピースをつけて寝る治療法が行われています。
しかし、これらの治療法は鼻から息ができることを前提としているので、いびきの大きな原因である鼻づまりを解消しなければ効果が悪い。
実際、睡眠時無呼吸の人の多くが鼻づまりを合併しており、CPAP療法を始めた患者さんの約半数が1年以内にやめてしまうのが現状です」
- レーザー、高周波ラジオ波を使い分ける
- 同院が行う鼻づまりを解消するいびき治療は、米国でスタンダードとされている「スリープ・サージェリー」。
レーザーや高周波ラジオ波を使って鼻の中の盛り上がった肉を熱で縮める“日帰り手術”だ。
耳鼻咽喉科としては東日本で唯一、日本レーザー医学会の認定施設(2012年4月現在)になっている。
「やわらかい治療効果のレーザーと強力な高周波ラジオ波を使い分けるのですが、米国ではいびき治療の主流はラジオ波。
鼻の中の下甲介という塊の左右1カ所を2ミリほど針で刺し、片方15秒ずつ電流を流すだけで、痛みはほとんどありません」
術後は最低週1回の間隔で数回来院して、鼻の通りの改善を見ながら、症例に合わせてCPAP療法や歯科によるマウスピースの製作を行う。
同院の月間の平均実績は、いびき治療100例、CPAP450例、マウスピース30例と、いずれも都内ではトップクラスだ。
ちなみにいびき治療は保険が利いて、手術代のみの費用は3割負担。レーザー(両側)が8730円、高周波ラジオ波は左右で5400円。他に再診料等がかかる。
◆ 夕刊フジに「オヤジはなぜタンを吐くのか?」の話が掲載されました。
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- 暑くなったり、急に涼しい日があったりと、体調を崩しやすくなる時期。風邪などひいてしまった人もいるのではないだろうか。
ところで、道路で「カーッペッ」とタンを吐くおじさんを見るのは1年中のことだが、ここで疑問。おじさんは、なぜ道路でタンを吐くのか。本来、タンは年齢、性別にかかわらず出るのに、「おじさん」になると、単に“羞恥心”がなくなるだけのことだったりして?
- 年をとると肺機能が低下
- 「老人になってくると、タンが多くなる傾向はあります。健康な人はあまり変化がないかもしれませんが、一般的に、加齢によって肺の機能が落ちてくるし、肺そのものの弾力性も衰えてくるんですよ」
また、タンの量には基本的に性差はないそうだが、男性のほうが外で働いている人が多いことなどから、長時間オフィスにいること、喫煙者が多いことなどもあり、大気汚染にさらされている影響もあるのだとか。
「タンの増えるいちばん大きな原因は、やはり喫煙です。慢性気管支炎がひどくなり、慢性閉塞性肺疾患になる人は、男性が多いとされ、せきやタンが多くなるのが特徴です」
さらに、女性には、タンを出したことがない人、タンが出せない人もいるほどなのだとか。
確かに、女性は周りの目を気にして「カーッペッ」をやりにくいかも。でも、となると、タンを出さずに体の中にためていることになるわけで…。あまり良くないことだったり?
「本当はタンは早く出したほうが、早く風邪なども治ります。出させないと治りが悪いんですよ」
道路で「カーッペッ」は良くないけど、タンを体外に出すことそのものは、回復への近道。こっそり人目のないところで「カーッペッ」しましょう。
【2011年】
◆ 2011年 朝日新聞デジタル
花粉症対策(Vol.1&2) 朝日新聞デジタル
花粉のシーズン到来! 早めの治療開始が症状を抑える
【2010年】
◆ 読売新聞2010年11月25日号に「医の値段」の話が掲載されました。
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- 薬物療法で2ヶ月で7200円
- Q.花粉症治療の費用はいくらかかりますか?
A.スギなどの花粉が引き金となる花粉症は、目や鼻に炎症が起こるアレルギー疾患で、くしゃみや鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの症状が特徴です。
治療の中心はアレルギー反応を抑える薬物療法ですが、鼻の粘膜をレーザーで焼く手術や、スギを一定期間注射して体を慣れさせる減感作療法があります。
慶友銀座クリニック(東京)院長の大場俊彦さんに聞きました。代表的な抗アレルギー薬の飲み薬とステロイドの点鼻薬を併用した場合で、花粉症シーズンの 2か月間、1回に2週間分の薬を処方し4回通院したとして、診察代と薬代を合わせた患者負担は7240円(保険の3割負担)となりました。薬の種類や数によっても値段は異なります。
薬で症状を抑えるのが難しい場合、炭酸ガスのレーザーで鼻の粘膜を焼く方法があります。術前の検査費や術後の薬剤費などを含めて費用は9820円(同)です。粘膜は再生するため、効果は1年から数年とされています。
◆ 三菱UFJビジネススクエア発行の情報誌SQUET(スケット)Nov.07に院長の「老人性難聴」の記事が載りました。
- 拡大はこちら
- 「7時」「1時」と聞き間違える?中年でも表れる「老人性難聴」
- ●高音が聞こえづらい人は要注意
- 体を休める、頭を休める、目を休める、と誰でもこうした休養をとっているはずだ。しかし、「耳を休める」ということを意識的に行っている人は少ないだろう。身体の他の部位と比較すると、耳の健康管理はおろそかになりがちだ。
耳の機能も、加齢とともに低下する。なかでも「老人性難聴」が最も一般的な老化現象だが、これは高齢者のみの起こるわけではない。個人差はあるものの、聴力の低下は40代から徐々に表れ始め、50代であっても老人性難聴の症状が認められる場合もあるという。
近ごろ、会話中に「え?」と聞き返すことが多くなってはいないだろうか。男性の場合、妻の問いかけが聞こえず、返事をしないと文句を言われた経験はないだろうか。これは、とくに女性の高い声が聞き取りにくいという、老人性難聴の症状かもしれない。
- ●耳の感覚細胞が老化する
- 音とは、空気の振動である。これが「外耳」を通って集められ、「中耳」にある鼓膜を振動させる。その振動は、鼓膜の奥の耳小骨じしょうこつという骨を経由して調節され、感覚細胞のある「内耳」へと伝えられる。そして、聴神経を通って大脳の聴覚中枢へと伝達処理されて初めて、私たちは音を認識することができる。老人性難聴は、このプロセスにある感覚細胞が、老化によって委縮や変性をきたすために起こるのだという。
「老人性難聴は、片方だけではなく両方の耳に同じ程度に症状が表れ、耳鳴りをともなうこともあります。また、とくに高い音が聞き取りにくくなる『高音障害型感音難聴』が特徴です。女性や子どもの高い声が聞き取りにくい、聞き違いが多くなるなどの症状が表れたら、要注意です」。
こう警告するのは、老化にともなう難聴に詳しく、補聴器や人工内耳の開発にも携わる慶友銀座クリニックの大場俊彦院長だ。老化による感覚細胞の機能低下が引き起こす老人性難聴は、一度症状が表れてしまうと回復させることが非常に困難だという。
- ●脳の老化を早める可能性も
- 「耳の老化が恐ろしいのは、『ボケ』につながりやすいという点です。これは、言葉が聞き取りにくいことで会話が億劫になり、人とのコミュニケーションに臆病になるためです。耳からの情報が遮断され、自分の殻に閉じこもりがちになることは、脳の老化を早める要因にもなります」と大場院長は指摘する。
現在のところ、老人性難聴の確実な予防法はないという。だが、「耳を休める」習慣をつけておくことは、耳の健康に有効である。
たとえば、大きな音で音楽を聞いたり、長時間、音に接した後は、5~30分程度何も聞かない時間をつくる。耳栓をしたり、外部からの音を遮断するヘッドホンなどを使ってもいい。目が疲れたときは目を閉じて休ませるように、耳の機能にも休息をつくることだ。
- ●年に一度は聴力検査を
- 「老人性難聴のほかにも、難聴を引き起こす疾患はいくつかあります。聞こえづらくなったり、聞き違いが多くなったり、耳鳴りが起こるようであれば、年齢のせいだなどと放置しないこと。50歳を過ぎたら、1年に一度は耳鼻科で聴力検査をはじめとする『耳の健康診断』を受けることをおすすめします。そして、もしも老人性難聴が始まっていたら、早めに補聴器を着けるのも一つの方法です。耳鼻咽喉科の専門医のいる病院で、仕事やライフスタイルに合う、快適な使い心地の補聴器を選ぶことです。そうすれば、生活の質を保てるはずです」(大場院長)。
耳から得る情報は膨大な量である。これを将来的にも維持するには、日ごろの健康管理が不可欠だ。血圧や視力などと同様、自分の耳の状態も把握しておくよう心がけたい。
(医療ライター・渡辺紘)
- ●難聴をともなう疾患
◆ 日刊ゲンダイに「耳管開放症」の話が掲載されました。
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- 耳管開放症ってなに?
- 【ダイエットに励む中年男性に急増】
「耳管開放症」という病気をご存じか?もともとはモデルなどダイエットで急激に体重を減らした若い女性や、ホルモンバランスが崩れやすい妊婦に多い病気だった。ところが、メタボ健診がスタートした4月以降、中高年の男性患者が増えているというのだ。一体、どんな病気なのか?ビジネスマンの病気に詳しい「慶友銀座クリニック」の大場俊彦院長に聞いた。
6月の健康診断を控えダイエットに必死のAさん(43)。ゴールデンウィーク中も運動と食事制限に努めたかいもあって85キロの体重は5キロ減に。「これなら健診も大丈夫」と喜んだのもつかの間、朝起きてしばらくして耳が詰まったような感じになり、自分の声や呼吸の音が気になりだした。「仕事によるノイローゼかも」と心配になり病院へ行ったところ、「耳管開放症」という聞きなれない病名を告げられた。
「実はAさんのようなケースが激増しています。昨年まではこの病気の中高年男性患者さんは、年に数人程度でしたが、4月以降は1日に1~2人はおみえになります」
「耳管」とは、鼻の奥と耳の鼓膜の内側の「中耳」をつなぐ3.5センチほどの細い管のこと。普段は閉じているが、つばをのみ込むと無意識に開き、空気が鼻から耳に入る。
「飛行機に乗ったり、新幹線が急にトンネルに入ると、中耳と外の空気圧の違いから耳が詰まったような状態になります。つばをのむと、その症状が消えるのは、“耳管”が正常に働いているからです。しかし、病気やダイエットで急激に体重が減ると、耳管を支える脂肪もやせて、常に鼻から中耳に空気が漏れるようになります。これが“耳管開放症”です」
【もともとは女性モデルや妊婦に多い病気だったけど】
耳管開放症になると、耳がふさがったような感覚に襲われ、自分の声や呼吸音が体の中から響くようになる。めまいや耳鳴りも感じる。特にたばこを吸う人は、ニコチンが耳管を通って中耳に入り込み、耳鳴りやめまいをより強く起こしやすくなるという。
「精神的疾患と間違いやすい病気ですが、違いは前かがみになったり、横になると症状が軽くなることです。3~5キロの体重減で症状が表れるケースもあります」
鼻をすすると一時的に耳詰まりが解消する。そのため、鼻すすりを繰り返す人もいるが、これは禁物だ。
一度開いた耳管がなかなか閉じない「耳管閉鎖不全」という状態から、「真珠腫中耳炎」という恐ろしい病気に進行しかねない。
「真珠腫中耳炎は鼓膜の一部が耳の奥に入り込み、強い炎症や骨破壊を起こす病気で、顔面神経痛やめまい、難聴の原因になります」 耳管開放症の治療は、耳管の周りにコラーゲンなどを注射してやせた脂肪を回復させる方法や、生理食塩水や薬を噴霧して耳管の入り口部分に炎症を起こさせて狭くするといった方法がある。加味帰脾湯(かみきひとう)という漢方薬を使うのもスタンダードな治療法だ。
ダイエットには、こんな怖い“副作用”もあることを覚えておこう。
◆ 情報誌L25に当院が掲載されました。
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- CONNECT×REVIEW Health
- くしゃみが人によって違うのはなぜ?
今からでも間に合う!?
カワイイくしゃみをする方法
冬将軍到来。本格的に風邪の流行る時期になりましたね。そこかしこでさまざまなくしゃみの音を耳にします。でも、なぜ人によってくしゃみの音が違うの?
「くしゃみとは、生体の防御反応の一種です。外気から非常に冷たい空気やゴミなどの刺激物、有害物が鼻に入ると、反射的にくしゃみが起こり、有害物を外に吹き飛ばすのです。くしゃみの音に個人差があるのは、鼻の形や顔の形、鼻毛の量、そして外からの有害物の種類が関係していると思われます。また、各々のクセによるところもあるでしょう。アメリカ人は“ハックション”とは言わないでしょうから、文化の違いもありますよね」(耳鼻咽喉科・アレルギー科慶友銀座クリニック/大場俊彦院長)
クセや文化の違いということは、子供のころからオッサンみたいな豪快なくしゃみをしている私でも、カワイイくしゃみに転身できるということですか!?
「上半身に力を込めて体を少し硬くすると、小さめのくしゃみができるようですよ。でも、突然の反射反応なので、常に心がけていないと難しそうですね。」(同上)
確かに・・・。それに、思いっきりくしゃみすると、気持ちいいんですよね。
「でも、大きなくしゃみは腰や椎間板への負担がかかるので注意が必要です。さらにあぐらや前屈した状態でのくしゃみはさらに負担がかかりやすいので、気をつけてくださいね」(同上)
・・・やっぱり、カワイイくしゃみ、目指します! (小川智子・ISプレス)
◆ 朝日新聞に「耳かき」の話が掲載されました。
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- 「気持ちいい」とやりすぎダメ
- つい、くせになってしまう耳かき。でも、やればいい、というものでもないらしい。その加減が知りたくなった。
まず、東京・築地の耳鼻科「慶友銀座クリニック」を訪ねた。院長の大場俊彦さん(42)に、200万円もするという専用の顕微鏡で耳の中を見てもらう。
前日に耳かきをしていたのに、小さな耳あかや粉状のものが、入り口付近に集まっているのが見えた。「耳あかは皮膚の表面を保護する作用もある。このくらい残っていても問題ないです。」という。
同クリニックには1日あたり70~100人の患者が訪れる。オフィス街の一角、患者の7割が25~35歳のOLという「都市型診療所」だ。患者の訴えで多いのが、耳の中のかゆみだ。
「清潔にしなければと思うあまり、お風呂で耳に入った水を耳かきや綿棒でとったり、気持ちがいいからと耳かきを毎日したりするのが習慣化している」と大場さん。必要以上の耳かきで、耳の中に湿疹ができてかゆくなるという。
適切な頻度について、大場さんは「普通は月1回程度、多くても週1回くらいが好ましいでしょう」と教えてくれた。
耳あかは、耳奥にたまると思われがちだが、実は外耳道の入り口付近にある=図。耳奥で見つかるのは、耳かきや綿棒で中に押し込んでしまった結果であることが多いようだ。
慶応大の小川郁教授(耳鼻咽喉科)によると、外耳道には軟骨部と骨部があり、耳かきをしていて痛みを感じる時は、骨部や鼓膜にあたっている場合だ。
耳あかは、個人差や生活環境にも左右されるが、新陳代謝ではがれた外耳道を覆う皮膚、皮脂腺の分泌物やほこりによってできる。外耳道は、耳あかがたまっても外へ押し出すような構造にはなっているといい、「極端にいうと、耳のなかの掃除をしなくても問題ないほど」と小川さん。
それでもしてしまうのは「外耳道は皮膚も薄く、気持ちよさを伴う神経が分布しているから」という。耳かきがすぎて湿疹になると、かゆみからさらに耳かきをして、炎症になる悪循環となりがちだ。
上手に耳かきができる道具はないものか。東急ハンズ渋谷店(東京都渋谷区)の店頭には約130種類の耳かきがならぶ。竹製で白綿の付いた普通の耳かき(105円)から内視鏡付きで映像を見ながら耳かきできる「イヤスコープGXL」(23,100円)まで幅広い。
同店の売れ筋は先端が二重のらせん状になった「ミミダス」(1,344円)。「耳かきが怖いという人でも、これなら大丈夫という人が多い」と売り場の担当者。製造元によると、売上本数は99年の発売以来、50万本を超えたという。
大場さんは「どんな耳かきでも、入り口付近までしかやらないことが鉄則。清潔で、やりやすいものが一番で、もちろん綿棒でも構いません。でも、耳の奥に入ったり、痛みを感じたりしたら、悪化する前に耳鼻科で受診してほしい」とアドバイスしている。
◆ 雑誌「わかさ」の質問コーナーに院長の記事が掲載されました。
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- 「質問どうぞ!」 2008年12月号
- 【質問】
ダイエット中の女性に増えている耳の異常とはどういうものですか。
(熊本県・海原洋子)
【答え】
最近、耳の不調で私のクリニックを訪れる若い女性が急増しています。
その大半は、耳管開放症という耳の異常です。
耳管とは、鼻咽腔(鼻の奥)と中耳腔(鼓膜のすぐ奥)をつなぐ管で、収縮・拡張をくり返して空気を出し入れしています。これにより、鼓膜を外気の圧力から守っているのです。
例えば、飛行機の中や高地など気圧の低い場所では、中耳腔との気圧差によって鼓膜が内側にへこみ、耳閉感(耳がつまったような感じ)を覚えることがあります。しかし、ツバを飲み込んだり、あくびをしたりすると耳管が拡張して空気が入るため、気圧差がなくなり、耳閉感も解消します。
耳管開放症は、この耳管が常に拡張した状態になり、鼻から吸い込んだ空気が中耳腔に大量に入ることによって起こります。そのため、気圧の調節がうまくいかず著しく不快な耳閉感がしたり、自分の声が耳の中に響いたりします。人によっては、めまいや難聴を伴う場合もあります。
これまで、耳管開放症を抱える人は1000人中3人程度といわれていました。しかし、東北大学医学部耳鼻咽喉科が行った調査によれば、職場健診を受けた21~67歳の男女(平均年齢37.7歳)の50人に1人に、耳管開放症が見られたのです。なお、耳管開放症の疑いが濃厚な人を含めれば、約20人に1人にという高確率になります。
もともと、耳管開放症はモデルを職業とする女性など、極端にやせた体型の人に多いといわれていました。私のクリニックを訪れる女性の患者さんの中にも、急激なダイエットでやせた人が目立ちます。中には、神経性食欲不振症(拒食症)にかかっている人や、メタボ解消に励む男性もいます。
なぜ、やせた人に耳管開放症が多いかについては、まだはっきりとわかっていません。今のところは、ダイエットによって体脂肪が減る過程で、耳管の周囲の脂肪組織も減り、耳管が収縮しにくくなるため、と推測されます。
耳管開放症が起こったときは、その場で頭を数分間下げたり、横向きに寝たりすれば、一時的に症状が治まります。鼻をすすったときも一時的に耳管が収縮しますが、これを何度も続けるとかえって耳管開放症を悪化させたり、中耳炎を招いたりする恐れがあるので、できるだけさけてください。
耳管開放症は、自然に完治する人もいますが、症状がなかなか取れない場合は耳鼻科を受診してください。治療としては、漢方薬の加味帰脾湯の服用のほか、治りにくい場合は耳管周囲への脂肪の注入や、ピンの挿入などの外科的処置が行われます。
◆ 「質問どうぞ!」 2009年3月号
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- ●耳アカはむやみに取らないほうがいい?
- 【質問】
耳アカはむやみに取らないほうがいいと聞きました。本当でしょうか。
(三重県・荒川良子)
【答え】
耳アカは、外耳道(耳の穴の入り口から鼓膜までの部分)にある汗腺や皮脂腺の分泌物に、はがれ落ちた表皮細胞や毛、粉じんなどが混在してできます。
そのため、体のアカを落とすのと同じように、耳アカも頻繁に取り除くほうがいい、と思い込んでいる人は多いでしょう。しかし、これは間違いです。
その理由を述べましょう。第一に、耳アカは耳を保護するうえで有益なものといえるからです。くわしくいうと、耳アカはハエや蚊などの小さな虫が耳の中に入らないようにしたり、外耳道の乾燥を防いだりしています。
第二に、誤った方法の耳掃除によって、さまざまな耳のトラブルを招く恐れがあるためです。私のクリニックを訪れる患者さんの中には、耳掃除中に耳アカを奥に押し込んでしまい、難聴を引き起こした人が少なくありません。
また、耳掃除中に外耳道や鼓膜を傷つけ、炎症を起こしたり出血したりする人もいます。これも、耳アカが耳の奥にたまっているに違いないと思い込み、耳かきを必要以上に奥まで突っ込んだためです。
外耳道を覆う組織は、新陳代謝(古いものと新しいものの入れ替わり)をくり返しています。そのため、炎症などによって新陳代謝の機能が衰えていない限り、耳アカはベルトコンベアーのように耳の奥から耳の穴の入り口まで移動し、自然に排出されるのです。
ですから、極端にいえば耳かきは必要ないともいえます。どうしても耳アカが気になるという人は、二~三週間に一回くらいの割合で、耳の入り口付近だけを掃除すれば十分です。
そのさいは、まず、周囲に人がいないことを確認しましょう。例えば、耳掃除をしている最中に子供がじゃれついたり、ふざけてぶつかってきたりすると、耳の中を傷つける恐れがあります。
次に、使う耳かきは、片方の耳を掃除したら消毒用アルコールでふき、そのあとでもう片方の耳を掃除するようにしてください。耳の中で細菌やカビが繁殖する例がありますが、その原因は耳かきを消毒しないためです。家族間で耳かきを共用することもできるだけさけてください。
その点でいえば、耳掃除には耳かきよりも、清潔な綿棒が最適です。ただし、一方の耳を掃除したあとは、綿棒を新しいものに取り替えましょう。
なお、補聴器を使っている人は、イヤホンで耳がふさがれるため、耳の中が蒸れることがあります。二~三ヵ月に一回は耳鼻科を受診し、耳の掃除も含めて、専門医に耳の状態を見てもらうようにしてください。
◆ 雑誌すてきな奥さん 2009年3月号に「花粉症」の話が掲載されました。
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- 症状が出てからでは遅すぎます
花粉症対策は2月がギリギリのタイミング
- 今春のスギやヒノキ花粉は、北日本では去年より少なめ、南関東より西では例年より多く、去年よりも多めとの予測です。花粉症患者は年々増加、症状がどんどん重くなる人も急増。今年もグンと苦しむ人がふえそうですが・・・、準備は万端ですか?
一般的に、花粉が飛びはじめる1週間ほど前からの準備が効果的といわれます。大場先生によると、「早めに準備すれば、発症を遅らせたり、飛散が多いときの症状を軽くすることもできるし、薬の量やのむ回数を減らせる可能性もありますよ」。
2月はいつ花粉が飛びはじめてもおかしくない季節。つまり、自分に合った治療法や役立つアイテム探しをスタートさせる、最終チャンスが今なのです!
「花粉症対策は抗アレルギー剤や治療法のほか、市販のグッズなどいろいろ。どれが効果的かはそれぞれの体質や状況で違います。まず、病院で相談してみることも大切です」
ツラ~イ人は試してみて!
花粉症をラクにする治療、最前線
花粉症対策には抗アレルギー剤が一般的ですが、免疫力を高めて症状を軽くする「ヒスタグロビン注射」や、鼻の粘膜を「レーザー」で焼ききる方法も。また、もともとはいびき治療の方法で、花粉症の軽減にも効果的といわれる「高周波ラジオ波」や、まだ研究段階の、舌の下に花粉エキスを含ませる「舌下療法」など新しい治療法もあります。どれも基本的に発症前に行う治療法で、受ける回数も1回から数回などさまざま。症状が特にひどい人は最新治療に挑戦してみては!?
花粉症情報はここでキャッチ!
あつまれ! 花粉症の仲間たち
●http://www.geocities.co.jp/Beautycare/3309/
管理人自らも花粉症という、花粉症に悩む人々が集い、情報交換できるサイト。いろいろな対策や民間療法など、経験者の生声を入手できる。
日本気象協会の「花粉情報」
●http://tenki.jp/pollen/
地域別、今日明日や週ごとの花粉飛散情報、飛びはじめがわかる花粉前線など、役立つコーナー充実。花粉症の情報交流の場「全国のクチコミ」なども。
環境省花粉観測システム”はなこさん”
●http://kafun.taiki.go.jp/
日本全国、自分が知りたい地域の花粉の飛散状況を、地図やグラフ、表などで確認できる。情報更新は毎時35分ごろ。携帯電話版もあり。
◆ 雑誌buaiso 2009年3月号「日常の医療」に「花粉症」の話が掲載されました。
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- シーズン到来、花粉症
- 【花粉症のメカニズム】
花粉症と、アレルギー性鼻炎の違いはなんでしょうかと患者さんからよく質問されます。花粉症とは、花粉が原因で起こるアレルギー性鼻炎の一つです。他にダニやハウスダスト、カビ、ペットの毛や虫の死骸でもアレルギー性鼻炎は起こります。アレルギー性鼻炎の3大症状としては、くしゃみ・鼻水(水様性)・鼻づまりがあります。また、鼻炎以外にも結膜炎や喉頭炎、皮膚炎、喘息等を起こします。
花粉症というとスギ花粉を原因とする患者が多く、症状も強いので有名です。スギは数十年前から日本で盛んに植林されたことにより、花粉を多くつけるまで成長してしまいました。近年安価な輸入木材が市場に出回ってしまったことで、国産スギ材の価値が下がってしまい、手入れをされないまま杉の木が山に放置されていることが、スギ花粉の飛ぶ量が増えていることと関係しているともいわれています。
また食生活の欧米化により高タンパクの食事を摂るようになりアレルギー反応が高まってしまったこと、また大気汚染や社会生活におけるストレスの増加も原因といわれています。今後スギ花粉の飛散が減少するか増加するか、はっきりしたことはわかりませんが、専門家の予測では地球温暖化が進んでしまうと、患者数がもっと増えてしまう可能性があるといわれています。
ではどのようにして花粉症が起こるのでしょうか。
人間の体には、基本的に自分の体の中に侵入しようとする異物を排除する働きが備わっています。鼻の中に異物が入ってくると、鼻水で洗い流そうとしたり、くしゃみをして外に吹き飛ばしてしまいますが、人によりある特定の異物に入ってこられると、過剰な反応(アレルギー反応)を起こしてしまいます。花粉症は、体に侵入した花粉を、異物(敵)と認めて反応してしまう過敏な体質の人に起こるとされています。
【「鼻毛を切りすぎない」のも一つの予防対策】
外に出る時はとにかく花粉を吸い込まないことが一番の予防として大切です。鼻毛を切りすぎると花粉がそのまま鼻の中に入ってしまうので、切りすぎないほうが無難です。風の強い晴れた日の特にお昼過ぎは、花粉が舞っていることが多いので、なるべく不要な外出は控える方がいいでしょう。
マスクをつけたり帽子をかぶることも有効だと思います。また、花粉症予防のための眼鏡は、特にアレルギー性の結膜炎を起こす人はかけたほうがよいでしょう。服やコートは、ナイロン製などのすべすべしたものが、もし花粉が付着してもすべって落ちてしまうので良いと思います。家に入る前に衣服についた花粉を払って、これらを玄関先に掛けておくと、室内への花粉の侵入を防ぐことができます。帰宅時、手を洗ったり、うがいをすることはインフルエンザなどのウイルス感染の予防にも必要ですので、是非行いましょう。
【かかってしまったら…】
花粉症はまず薬での治療となります。医師の処方せんがなくても、薬局・薬店で購入可能な一般用医薬品である大衆薬(OTC薬品)は、昔医師が処方していた古い薬を元にしたものが多く手軽に購入できます。しかし人により服用すると眠気が強くなることがあります。心配な方は医療機関で受診して、より眠気の少ない最新型の抗アレルギー薬をはじめとする様々な種類の薬を処方してもらうのもいいでしょう。他に内服薬としては漢方薬や、症状の強い方に対してはステロイド成分が入った薬もあるので、担当医とよく相談して処方してもらってください。外用薬も効果的ですが、連用すると中には鼻づまりがひどくなるタイプのものもありますので、注意が必要です。これらの薬でもなかなか解消しない人は、鼻腔粘膜へのレーザー照射が効果的です。これは基本的に保険で対応できるので、お近くの医療機関でよく相談してください。
◆ 雑誌buaiso 2009年4月号「日常の医療」に「突発性難聴」の話が掲載されました。
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- ある日突然、耳が聞こえなくなったら‐突発性難聴‐
- 身近な医療問題を専門医が語るコーナーの第2回。
今回は誰にでも起こりうる「突発性難聴」がテーマ。
予防が難しいこの症状、大切なのは発症後の対応だった。
・・・ある日突然聞こえなくなる・・・
「突発性難聴」とは健康で耳の病気を経験したことのない人が、ある時、突然に耳が聞こえなくなる病気をいいます。
通常は片側の耳(まれに両耳)で発症し、聞こえなくなるのと同時に、耳鳴りやめまいを起こすこともあります。よく外来で耳の聞こえは大丈夫だが、耳が詰まった感じがする(耳閉感)ので耳垢を取ってくれという患者さんがいます。でも、調べてみると耳垢もなく鼓膜も正常で、実は難聴を起こし、突発性難聴だったということがよくあります。
年齢は40~50代に多いのですが、20代、30代といった働き世代にも最近は多く見られます。原因はまだよくわかっていませんが、今のところ、種々のウイルスによる感染や耳の中の血液の循環の不良により起こると考えられています。その他にも、最近ではストレスや過労が引き金になっている可能性があるようです。再発する可能性はほとんどありません。再発する場合は原因として耳の奥の「蝸牛」というカタツムリそっくりの組織が水ぶくれを起こした「メニエール病」や、耳の神経に腫瘍ができる「聴神経腫瘍」などが考えられるので、頭部MRIによる画像診断を含めた精査が必要です。
・・・耳が聞こえなくなったらとにかく耳鼻科へ・・・
現在のところ、この病気は特に遺伝とは関係ないといわれています。中には急激に難聴が進行してしまう人がいます。その場合は耳の中のリンパ液が漏れてしまう「外リンパ漏」ということもあり、この場合はめまいも伴うのが特徴です。
では、耳が突然聞こえなくなったらどうしたらいいでしょうか。この場合、まず耳鼻科に直行することです。耳鼻科にしか聴力検査装置はありませんし(検診に用いる簡易の聴力検査装置ではわかりません)、耳の中に耳アカが詰まっているかどうかもわかりません。とにかくまず耳鼻科に行くことです。なぜこれほど念を押すかというと、耳の細胞は一度駄目になると再生しないからです。発症してから約1週間前後が治療に反応し耳が回復する時期。体に負った浅い傷が一度化膿しても治癒するのとは違い、耳は悪くなるともう治りません。
銀座という場所柄、よく舞台の俳優さんが突発性難聴を発症し当院を訪れます。舞台俳優は替えが利かないので、舞台が終わってから治療してくれと言われますが、それでは手遅れになることもあります。ある時、有名な俳優さんを診察しました。その方は片方の耳が元々悪かったのですが、その時、発症したのは正常な方の耳。さらに気付いたのが運悪く舞台の途中。すぐには治療できず、正常な方の耳も難聴を患ってしまいました。結局、その方は俳優の仕事を続けられなくなり、表舞台から去ってしまいました。
・・・重要なのは「安静」 思い切って入院も・・・
治療はまず安静にすることです。薬はステロイドの内服や点滴がメインとなります。ステロイドが何故効くかはまだよく解っていませんが、私の経験上、薬物投与のみで安静にしない人は予後が悪いことが多いです。
当院では数日間、薬物投与しても改善が見られない患者さんには、入院を勧めています。実はクリニックでの外来での点滴と、入院での点滴の内容に大差はないのですが、入院すると外の世界から隔絶されるからか、治療効果は外来のみに比べ、高い傾向にあります。また、病院によっては高圧酸素を投与する場合がありますが、施設が限られ、オプショナルなものと考えてよろしいかと思います。
入院は楽なものです。ひたすら点滴をして、1週間ほどボーッとしていれば大抵は治ります。ですから、僕は入院する患者さんに日頃ゆっくり読めない漫画を買って読むことを勧めています。皆さんはどのような漫画を選びますか?僕だったら横山光輝の『三国志』でしょうか・・・。
◆ 日刊ゲンダイに「死ぬかもしれないのどの痛み」の話が掲載されました。
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- 痛み出して半日で窒息死することもある病気とは・・・
- 耳鼻咽喉科の「慶友銀座クリニック」大場俊彦院長に聞いた。
40代のAさんは、のどの痛みに耐えかねて、夜11時過ぎに夜間救急外来に。数日前からのどが痛み、市販の風邪薬を飲んでいたが、徐々に痛みが増し、熱が38度を越えたのだ。
当直の若い内科医の診断は「風邪」。のどを診てもらったが、扁桃の腫れもないため「軽い風邪だ」という。抗生物質を処方してもらい帰宅したが、その数時間後、息が苦しくなって再び同じ病院の夜間救急外来へ。ベテランの医師に診てもらったところ、「急性喉頭蓋炎」と診断され、緊急入院となった。
「喉頭蓋とは、のどの奥の気管と食道の分かれ目にある蓋のような部分で、食べ物が気管に入らない弁のような動きをしています。急性喉頭蓋炎はのどの奥の炎症が喉頭蓋にひろがり、喉頭蓋が腫れる病気です。水を飲むときものどに痛みがあったり、息が苦しく、声が出にくい、といった自覚症状が表れます」(慶友銀座クリニックの大場俊彦院長)
この病気が怖いのは、発祥するを急激に症状が悪化することだ。一気に腫れあがり、空気の通り道である気道が閉塞。発症後数時間で症状が急激に悪化、半日で窒息すすることもあるという。抗生物質の点滴や、ステロイドの注射で治るが、最悪、呼吸困難がひどい場合は気管切開することもある。
厄介なことに、この病気は口を開けただけではわからない。喉頭鏡や内視鏡を使ってのどの奥まで調べる耳鼻咽喉科の医師、患者がのどの痛みを訴えると最初からこの病気を疑う医師でないと発見が難しい。
「心筋梗塞、くも膜下出血と並び、救命救急では誤診が起こりやすいベスト3に入る病気です」(関西の救命救急センターの勤務)
では、どんな人がやばいのか?
「急性喉頭蓋炎は決してまれな病気でなく、喫煙習慣のある20代後半から60代くらいの男性にも多く、過労などで免疫力が低下した人がかかりやすい。糖尿病の人は炎症が重症化するので要注意です。季節に関係なく発症し、咳や鼻水がないこともあるので、のどが痛くて食べ物がのみ込みにくいと感じたら、すぐに耳鼻咽喉科の医師に診てもらうことです」(大場院長)
たかが、のどの痛みと考えてはいけないのだ。
◆ 日刊ゲンダイに「口呼吸やめないとこんな病気になる」の話が掲載されました。
- 顔つきが変わり、味覚や嗅覚も鈍る
- 「口呼吸をすると、まず風邪をひきやすくなって、肺炎になりやすい。歯周病や虫歯などの口腔内の病気のほか、ひどいいびきをかき、高血圧や心筋梗塞などを併発する睡眠時無呼吸症候群になりやすくなります」
こう言うのはサラリーマンの病気に詳しい「慶友銀座クリニック」の大場俊彦院長だ。口呼吸をする人は、乾燥して冷たい空気が口から直接体内に送り込まれるため、口腔内やのどが乾燥する。鼻呼吸なら80%近くカットされるはずの細菌などが体内に侵入し、さまざまな病気を引き起こすという。
「”口呼吸はアレルギーの原因”と言う口腔外科の専門医もおられます。口呼吸が恐ろしいのは、単に病気を引き起こすからだけではありません。顔が変形することがあります。”アデノイド顔貌”という病気です」
成長期に口呼吸が恒常化すると鼻と耳とのどの交差点にあるアデノイドが肥大。顔面の筋肉や骨格が変わる。下あごに比べて上あごが小さくなり、面長の出っ歯になることが多い。
口呼吸を続けていると、歯並びも悪くなる。いつも口をポカンと開けているため、口角の筋力が落ち、おちょぼ口になりやすく、ぼんやりした顔になりやすい。
また、口呼吸をする人は鼻を使わないため、鼻詰まりに気付かず、蓄膿症がひどくなることもある。口呼吸をする人は、舌の筋力が弱いため、寝ているときに舌根が気道をふさぎやすい。十分な酸素を体内に取り込めないため、脂肪を燃焼できず、肥満になりやすいという医師もいる。
では、自分が口呼吸か否かは、どうすればわかるのか?
「たとえば(1)目が覚めたとき、くちびるが乾いている、のどがヒリヒリする(2)食事をするときクチャクチャ音を立てる(3)いびきをかく----という人は気をつけた方がいい」(弘邦医院の林督元院長)
口呼吸を鼻呼吸に変えるには、口をすぼめたり大きく開くなどして、顔の筋肉を鍛える「顔面体操」や、口を閉じた状態でガムを1時間近く噛むというやり方もある。
「しかし、生まれつきの鼻中隔弯曲症やスポーツや事故が原因で鼻が曲がるなどして、口呼吸している人もいます。こういう人はいきなり鼻呼吸をしようとしても無理。鼻の通りをよくする手術が必要な場合もあります。勝手に判断せずに耳鼻咽喉科の専門医に相談することです」(大場院長)
実際、口呼吸から鼻呼吸に変えようと口にきつくテープを張って寝たところ、夜中にくしゃみをして鼓膜が破れる患者が増えているという。くしゃみが口から耳に抜けたからだ。
元気で健康でいたい、という人は自分の呼吸にも注意することだ。
◆ 日刊ゲンダイに「耳そうじは耳に悪い!?」の話が掲載されました。
- 正しいやり方を知らないと難聴の原因になる
- 耳鼻咽喉科の「慶友銀座クリニック」大場俊彦院長に聞いた。
「耳そうじのトラブルは結構多く、毎日1~2人が来院されます」トラブルで最も多いのはケガだ。耳そうじの途中に子供がぶつかってきて鼓膜が破れたり、つまようじを耳かき代わりに使い耳の中を傷つけ出血するケースが多い。歩きながら耳そうじをしていてこけて、鼓膜を破る人もいる。
「意外に多いのが、耳そうじのやり方のせいで、聞こえにくくなる人です。耳の穴から鼓膜までの筒状の部分を外耳道といい、長さは3~4センチあります。耳の入り口から3分の1は軟骨で汗腺組織があるため、耳アカがたまります。しかし、一般の人は”もっと奥にたまっているに違いない”と思い込んで、必要以上に耳かきを奥に突っ込み、逆に耳アカを押し込んでしまうのです」
湿った耳アカの人だと、キャラメルのように耳の奥に固まって詰まってしまい、難聴の原因になることがある。
「こうなると耳鼻科で耳そうじをしてもらうしかありません。耳アカを溶かす薬を耳の中にたらした後に、耳専用の顕微鏡で見ながら耳そうじをすることになります」
耳かきの家族共用はやめ、左右の耳をそうじするのも耳かきを消毒しながらにするべきだ。
「最近はばい菌やカビが外耳にまで感染する例が多く、右耳に続いて左耳も、あるいは家族に感染したという人が多くなっています。その原因のひとつが耳かきの共用なのです」
耳の中にカビが生えると、耳かきをしても一向にカビが減らず、毎日耳鼻科に通うことにもなりかねない。
「そもそも耳アカを汚いだけと考えるのが間違いです、殺菌性があるほか、外耳道のの表面の乾燥や、蚊やハエなど小さな虫が耳の中に入ることを防ぐ働きがあるのです。それに、外耳道の中を覆う組織はいつも新陳代謝を繰り返していて、自浄作用によって、ごみや耳アカを耳の外に出しています。そのため、あまり耳そうじをやりすぎると、自浄作用を妨げて、かえって耳アカがたまりやすくなります」
耳そうじは2週間に1回くらい、風呂上りに耳の入り口の浅い部分を綿棒などでやれば、十分なのである。
◆ 日刊ゲンダイに「田舎の老親が喜ぶ健康土産話」の話が掲載されました。
- 今年の帰省土産はこれでいこう!
- ●目の健康
テレビを見なくなり、妙にふさぎ込むことが多くなった老親は、目に問題を抱えていることが少なくない。
たとえば白内障だ。水晶体が白く濁って見えづらくなる白内障は、手術をすればよく見えるようになるが、手術をした方がいいかどうかは人による。
「緑内障や痴呆の恐れがある人は、早めの手術を検討した方がいいかもしれません。緑内障でも、眼球を満たす房水の出口である隅角が狭いタイプは、白内障手術が緑内障予防になるという考え方があります。痴呆の人は、進行するとじっとしていられなくなり、手術が難しくなるからです」(清澤眼科医院の清澤院長)
一般的な眼内レンズを使う日帰り手術なら、片目1万6000円程度(1割負担)で済む。
なお、まぶたを動かす筋肉や神経が衰えて、まぶたが下がって視界が狭くなる「眼瞼下垂」も、お年寄りがふさぎ込む原因。これも手術で治せる。
●耳の健康
60歳を越えると4人に1人は「耳が聞こえにくい」と感じるという。加齢による難聴を防ぐ手はなく、最終的に補聴器に頼ることになる。
「補聴器は人によって3ヶ月以上の訓練が必要です。耳が本格的に聞こえづらくなり慌てて使っても、効果はいまいち。聞こえづらいと感じたら早めに補聴器を購入して、補聴器を使う練習をする方がいいでしょう。ただし、補聴器は定期的な調整が必要です。メガネ店でなく、耳鼻科と提携している店で購入しましょう」(慶友銀座クリニック・大場俊彦院長)
●消化管の健康
夜間は口腔内の真菌や最近が増える。だから食後の歯磨きは必須だが、さらに寝る前に口の中を洗うこと。
「洗口液で口をくちゅくちゅするといいでしょう。口腔内だけでなく、食道、胃、腸など消化管全体の細菌や真菌が減るのか、便のにおいが変わる人もいます。歯をティッシュなどで拭うのも効果があります」(黒川歯科医院・山本共夫院長)
●下半身の健康
「温泉好きだった母親が、温泉を避けるようになった」
年をとると子宮が下がってきて膣から外に出て、ペニスが生えてきたような状態になることがある。それが子宮脱だ。それがいやで、老人会の温泉旅行などに行きたがらないお年寄りも多い。
「根本的な治療は子宮の摘出や膣の閉鎖ですが、他にリングを埋め込んだり、手術用ネットで子宮が下がらないようにするメッシュ法という方法があります」(赤坂六本木診療所・赤枝恒雄院長)
息子が口にするのははばかられる話題だが、妻に話させればいい。
老親の健康は、息子や娘の幸せでもある。「あんた、いいこと教えてくれたね」
そう言われたら、しめたものだ。
◆ AneCan8月号に「正しい耳そうじの方法」の話が掲載されました。
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- 正しい耳そうじをしていますか?
- ●耳の中
Q1.正しいそうじ方法は?
A.月に1回、耳穴の入り口付近の垢を優しくかき出すだけ!
実は、耳垢は自然と穴の外に出るものなんです。そのため、頻繁にそうじをする必要はありません。正しいそうじ方法は、右図のように穴の入り口付近の垢をクルッとぬぐうように優しくかき出すだけ。そうじをしていいのは外耳道の1/3にあたる軟骨部まで。耳かきが骨部に触れると痛みを感じます。また、そうじのしすぎは、穴の奥に垢が入り込む原因に。やりすぎないことがコツです!
Q2.おすすめの耳かきは?
A.耳穴にフィットするものを!
人によって耳の穴の大きさや形は違うもの。穴が小さい人は先の細い耳かき、金属アレルギーの人はシリコン製の耳かきなど、自分に会ったものを選びましょう。また、耳かきは、人と共有しないのがベスト。家族で同じものを使う場合、使用後は必ず洗い、清潔に!
●耳たぶ
Q1.正しいそうじ方法は?
A.週に1回、軽くぬぐって。
普段、お風呂に入るときに流水で軽く洗い流す程度で充分です。石けんなどは炎症の原因にもなるので、使う必要はありません。耳たぶは、人から見える部分なので、垢やゴミが気になる人は週に1回、綿棒やタオルなどを使って優しくふきとって。
Q2.どんな綿棒を使えばいい?
A.使い捨てがマスト!
綿棒は清潔なものを使わなくてはいけません。そのため、片耳に対して、綿棒も片面を。逆の耳そうじをする場合は、綿棒も使っていない面を使いましょう。綿棒を何度も使い回したり、人と共有するとバイ菌がうつる可能性があるので、必ず使い捨てを心がけて。
●ピアス穴
Q1.正しいケア方法は?
A.週に1回、軽くぬぐって。
消毒液などを使ってケアする人がいますが、炎症などを起こしている場合は、かえって悪化させてしまうことがあります。ピアス穴は常に清潔にしていれば、お風呂に入るときに流水で軽く洗い流す程度で充分なんです。
Q2.ピアス穴のニオイって?
A.炎症を起こしている可能性あり!
ピアス穴のニオイや垢が気になる場合はありませんか? 主に汗や分泌液などが原因ですが、炎症を起こしている場合もあるので、痛みを感じる場合は病院へ! ピアスも自分の耳に合った材質を選ぶことが重要です。
◆ 夕刊フジ(2009年7月23日)に「メタボ対策の落とし穴 耳管開放症に気をつけろ!!」の話が掲載されました。
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- 中年男性に急増
- 【症状】
「最近、多いのは、『耳管開放症』といって、耳の奥と鼻の奥とがつながっている耳管の部分が開きっぱなしになり、耳が詰まった感じ、ふさがった感じになる病気です。もともとはモデル体型のような細い人、ダイエットをした若い女性や妊婦さんに多かったんですが、最近はおじさんに増えているんですよ」と話すのは耳鼻咽喉科・アレルギー科の慶友銀座クリニック・大場俊彦院長。
"飛行機キーン"と逆のメカニズム
症状は耳が詰まった感じや、自分の声が耳の中で大きく響く感じがあるなど。飛行機に乗ったときや高い場所に行ったとき、エレベーターやトンネルで起こる耳の不調にもよく似ているが・・・。
「メカニズムは逆です。飛行機に乗ったときなどに起こるものは、『耳管狭窄症』といって、気圧差によって、耳と鼻をつなぐ通り道の空気の出入りが悪くなり、鼓膜が内側に入ってしまう状態。これは、耳抜きで空気を入れてあげると解消することが多いですよね。でも、耳管開放症はその逆で、耳と鼻の通り道に空気が入りすぎて起こるもの。症状が似ているからといって、気づかずに耳抜きをしすぎると、かえって悪化してしまう可能性もあります。
「耳管」は普段は閉じていて、あくびやものを飲み込むときに開いて、鼓膜の内と外の空気の圧力調整を行うもの。それが、常時開放された状態になってしまうのだという。
【原因】
ところで、なぜいま、「中年男性」に増えているのか。
「耳管開放症は、急激なダイエットなどで、耳の管の周囲の脂肪がなくなってしまい、空気が入りすぎることで起こります。もともと太る傾向がある中年男性ですが、近年はメタボ対策で、急激に痩せる人が増えているからでしょうね」
脂肪がなくなり空気入りすぎて
【治療法】
では、治療法としては、どうすれば良いのか。
「横になるとか、頭を下にすることで、一時的には良くなる場合があります。きちんと治療するには、耳鼻科を受診すること。一般的には、加味帰脾湯という漢方薬を使用することが多いですね。また、ファーストチョイスとして、鼻に塩水を入れて管を縮める治療をすることもあります」
それにしても、本来は健康のために行ったメタボ対策によって、耳の病気になってしまうというのは、ちょっと皮肉な話。
こうした病気を防ぐためにも急激なダイエットは禁物。耳の詰まりなどを感じた場合は、早めに耳鼻科を受診しよう。
◆ 読売新聞(2009年8月15日)に「耳掃除 週1回で十分」の話が掲載されました。
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- 耳をいたわる
- 耳の穴を清潔に保ち、ストレスも解消できるからだろう。耳掃除を毎日の習慣にしている人は多いらしい。
耳かきの専門店「耳かき亭」は千葉県内を中心に車による移動販売車やネット通販を営み、400種類前後の製品を扱っている。内部を目で確認できる内視鏡付きの製品もあれば、黒檀、鹿の角などの高級素材を使った逸品も。
価格帯も300~5万円代と幅広い。売れ筋は500円の薄い竹製のへら型耳かき。「細くてしなるので痛くない」のが売れる理由だとか。
ただし、耳かきのしすぎで耳を傷つけてしまうこともあるため、耳鼻咽喉科医は警鐘を鳴らす。
東京・中央区の慶友銀座クリニックには、耳掃除に絡むトラブルを抱える患者が1日数人受診する。耳かきのし過ぎで内部が赤く腫れたり、耳あかを奥深く突っ込んでしまい耳栓のように詰まって聞こえにくくなったり・・・。
耳掃除の最中に子供がぶつかって、耳の中を傷つける例もある。院長の大場俊彦さんは「もともと耳には、耳あかを外に押し出す自浄作用がある。耳掃除は多くても週1回で十分」と助言する。
やりすぎると耳に良くないのは耳かきだけではない。例えば、風邪の時に鼻を頻繁に強くかむと、鼻と耳をつなぐ耳管が開き中耳炎になりやすい。東京・千代田区にある「クリニカ神田」院長の相原康孝さんは「耳のためにも、鼻は静かにかみましょう」とアドバイスする。
耳は聴力だけでなく平衡感覚もつかさどる大切な器官。悪化すると症状が改善しにくい時もある。トラブルを感じたら、専門家と相談するなど、日頃からいたわってほしい。
◆
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- 老人性難聴
- 50代でも妻の声が聞きにくくなったら要注意
耳の機能は加齢とともに低下します。老化は片方だけでなく、両方の耳に同じ程度の症状として表れ、耳鳴りを伴うこともあります。
特に高い音が聞き取りにくくなるのが特徴です。女性や子どもの高い声が聞き取りにくい、ベルの音が聞き取りにくい、聞き違いが多くなるなどの症状が表れたら、要注意。
個人差はありますが、聴力の低下は40代から始まり、50代で老人性難聴の症状が認められる場合もあります。
近ごろ、会話中に「えっ?」と聞き返すことが多くなっていませんか?
男性の場合、妻の問いかけが聞こえず、返事をしないで文句を言われた経験はありませんか?
それは、とくに女性の高い声が聞き取りにくい老人性難聴の症状かもしれません。
耳の老化が恐ろしいのは、「ボケ」につながりやすいことです。言葉が聞き取りにくくなると会話がおっくうになり、人とのコミュニケーションに臆病になるためです。
耳からの情報が遮断され、自分の殻に閉じこもりがちになることは、脳の老化を早める要因にもなります。
耳から得る情報は膨大な量です。これを維持するには、日ごろの健康管理が不可欠です。老人性難聴は、少しずつ進行していきます。血圧や視力などと同様、年に一度聴力検査をして、自分の耳の状態も把握しておくことが大切です。
(慶友銀座クリニック・大場俊彦院長)
◆ 質問どうぞ! わかさ 2010新年号
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- イビキをとめる新療法とは?
- 質問 イビキを止められる新療法があると聞きましたが、どのようなものでしょうか。(北海道・飯島正恵)
男女を問わず、イビキの悩みは深刻です。同室にいる人の安眠を妨げる原因となるばかりか、ひどい場合は自分のイビキで目が覚めて、不眠に陥る人もいます。
イビキは、扁桃腺のはれや肥満、加齢(年を取ること)による呼吸括約筋の衰えなどでも起こりますが、その最大原因といえるのは鼻づまりです。
鼻腔(鼻からのどへつながる通路)の内部には、下甲介という肉の塊が左右に一ヵ所ずつあります。この下甲介が、アレルギー反応で起こる鼻炎などによって盛り上がると、鼻腔が狭くなるために鼻づまりが起こります。
なぜ、鼻づまりがイビキの原因となるか説明しましょう。もともと、どんな人でも睡眠時には鼻呼吸をしようとします。鼻づまりで鼻腔が狭まっていると、十分な空気を取り込もうとして強く息を吸うため、狭い鼻腔を空気が通るときに、イビキが起こるのです。
つまり、鼻腔を広くして鼻づまりを解消すれば、イビキは出にくくなるはずです。そこで最近、鼻腔を広げてイビキを解消する新しい手術法が注目されています。それが、ラジオ波による下甲介切除術です。
ラジオ波とは、電磁波の一種で周波数の高いものを指し、一ヵ所に一定時間当てると発熱する性質があります。医療現場ではガン治療などにも用いられています。
下甲介切除術では、鼻の穴から差し込んだ針を下甲介に刺し、左右の鼻腔で約二分ずつ、ラジオ波を流します。すると、ラジオ波によって、盛り上がっていた下甲介が縮み、鼻腔が広がることでイビキの症状が軽減するのです。
下甲介切除術の前には、あらかじめ三〇分ほどかけて麻酔を行います。具体的には、鼻に麻酔入りのガーゼを入れて、ラジオ波を流す針を刺す位置にも少量の麻酔薬を注射します。そのため痛みは少なく、出血の心配もほとんどありません。
これまでの下甲介切除術は、局所麻酔や全身麻酔のもとで行われていたため、一週間程度の入院が必要でした。しかし、ラジオ波による下甲介切除術は一時間程度で終わるため、日帰りで受けられます。
下甲介切除術は健康保険が適用され、費用は三割負担で約六〇〇〇円です(診療費、検査日は別に必要)。単なるイビキだけでなく、鼻づまりのため従来の治療ができなかった睡眠時無呼吸症候群の患者さんも対象となります(鼻の骨が極端に変形している人や、ペースメーカーの使用者は下甲介切除術を受けられない場合がある)。
くわしくは、お近くの病医院の耳鼻咽喉科に問い合わせてください。
(慶友銀座クリニック院長 大場俊彦)
◆ 月~木スペシャル ヘルス 東京スポーツ 平成21年12月25日
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- 有名人の悩み相談室
- アントニオ小猪木 ダァ~ッ やり過ぎてノド限界です。ダミ声ひどくなり痛む このままじゃ芸人生命が・・・
正しい発声法学びノドを守る生活を
慶友銀座クリニック(耳鼻咽喉科・アレルギー科)の大場俊彦院長の診断
アントニオ小猪木さんは仕事柄、のどに負担がかかって、声帯が傷んでいると考えられます。
声帯の強さというのは個人差があって、無理な発声をしても大丈夫な人もいれば、そうではない人もいます。小猪木さんの場合、声帯が強くないのではないでしょうか。
医学的には「声帯の結節」といって、こぶができやすくなる状態です。エアロビクスのインストラクターのように体を動かしながら発声したり、酒を飲みながら発声すると声帯を傷めやすいというデータもあります。
まずはボイストレーナーに付いて、腹式発声など正しい発声法を学ぶといいと思います。のどに負担をかけないで声が出るようになります。また、非常にまれなケースですが、のどに腫瘍があることもありますから、一度耳鼻咽喉科を受診されることもお勧めします。どんな声帯なのかを知っておくことも重要なんですよ。
その上で、日常生活上の注意点もお教えしましょう。第一に仕事の前にはお酒を飲まず、たばこも控えてください。また、仕事でホテル暮らしをする機会も多いと思いますが、寝る際には湿度管理に気をつけてください。ホテルの部屋は乾燥しやすいため、お風呂にお湯を張ってバスルームのドアを開けっ放しにしたり、マスクをして寝るなどの工夫をするといいでしょう。うがいもしてください。ただし、うがい薬を使う必要はなく、水で構いません。それから、食生活についてですが、のどに刺激となる辛い物は避けてください。
「芸人生活にもかかわるピンチ」と心配されているようですが、私はパフォーマンスの方法を変えることもありだと思いますよ。例えば、マイクを使って芸をやるんです。プロレスにはいわゆる"マイクパフォーマンス"というのがあるくらいですから。
◆ ゴルフレッスン誌 ALBA 2.11号
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- この情報に価値アリ ゴルフ生活術
- ゴルファーの現実を聞きました
ラウンドの花粉対策に何をしていますか!?
2月からスギの花粉が舞い始め、花粉症のゴルファーには厳しい季節がやってくる。
花粉から逃れにくいゴルフ場では、ゴルファーはどんな対策をしているのかアンケートしてみました。
・・・抗ヒスタミン剤に目薬はもはや定番の花粉症対策!!・・・
クシャミに目のかゆみ、こんな症状が出ていてはラウンドに集中できない。それでもゴルフはしたい。こんな花粉症に悩むゴルファーがラウンド中にどういう対策をしているのかアンケートを実施。多くの意見が集まり、これを花粉症の専門医である大場俊彦先生に見てもらった。「花粉症の薬である抗ヒスタミン剤と目薬の両方を使っているのは、正しい選択です。毎年のようにツラい症状を経験しているので、花粉に対する知識が高いですね」と分析してくれた。
・・・一番簡単な対策法は、鼻毛ボウボウ!?・・・
では専門医が勧めるラウンド中の対処法とはどういうものか。「アレルギー治療薬は花粉症対策としては、適切な方法です。ただ人によっては眠くなる副作用があるため、ラウンドには適していません。それよりも点鼻薬(鼻スプレー)のほうが眠くなりませんので、集中してプレーができますね。また目にはサングラスと目薬が有効です」 さらに昨年から使用者が増えつつある鼻に入れるマスクについては、つけるだけで鼻を刺激してしまい、クシャミが止まらない可能性があるという。「最近は男性でも鼻毛を切る人がほとんどですが、花粉症の季節だけでも伸ばしておくと、それだけで予防効果は高いです」 花粉症の対策は人によって合うものが違う。ラウンドに支障のない対策を見つけ、花粉の季節でも思いっきりプレーしましょう。
・・・花粉症ゴルファーの苦悩・・・
ランキング外の個性的な対策の効果とは!
花粉症の症状がツラい人ほど、対処方法には貪欲。ここではランキングとは別に、アンケートで集まったユニークな方法について、大場先生にその効果のほどを聞いてみた。
甜茶をのむ
市販品の甜茶入りサプリメントを飲んでいます。毎日医薬品を飲まなくても済むので、健康にもいいと思います
先生の一言 甜茶の原材料にはバラ科のものがあります。バラ科なら効くかも・・・
効果度 ★★☆☆☆
スカーフを顔に巻く
ゴルフをしているときは日焼け対策としてスカーフを常に持っています。このスカーフを顔に巻きつけて、ラウンドをします
先生の一言 スカーフだけよりもマスクを追加したらどうですか
効果度 ★★☆☆☆
濡れたタオルで顔を拭く
ハンドタオルを3、4枚持ってプレーしています。目がカユくなるたびに顔を拭き、ハーフが終わるとタオルを洗っています
先生の一言 花粉を拭きとるのは大切。顔を水で洗わなくても済みますね
効果度 ★★★☆☆
注射をする
ラウンド前日は医者に行って、ステロイド注射をしてもらうようにしています。これだと症状が出ないんですよ
先生の一言 注射は副作用が気になるので、耳鼻科医としてはオススメできません
効果度 ★☆☆☆☆
目をつむる
ラウンド中はできるかぎり、目を細めたり、目をつぶるようにしていますが・・・
先生の一言 サングラスで十分ですよ
効果度 ☆☆☆☆☆
リップクリームを塗る
リップクリームを塗っているとクシャミが出ない気がするので、常に塗っています
先生の一言 ガムと同じでミント系なら効果が少しあるでしょう
効果度 ★☆☆☆☆
◆ 週刊文春 平成22年 2月4日号 にソムノプラスティに対する院長のコメントが掲載されました
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- THIS WEEK 健康
- そろそろ花粉症が気になる頃 レーザーより効く最新治療法
以下、記事より抜粋。
「ソムノプラスティとは治療器の名称で、治療の正式名称は『高周波電気凝固法による下甲介切除術』と言います。花粉症で鼻が詰まるのは下甲介という部分が腫れるためです。レーザーはその表面を焼くだけですが、ソムノプラスティは腫れた部分に針を刺し高周波を流して縮めてしまう。そのため、鼻づまりに関してはレーザーより効果が高い」(慶友銀座クリニック・大場俊彦院長)
鼻の中に針を刺すというのは、かなり痛そうだが。
「ソムノプラスティで用いるのは極細の針で、刺すのは約二ミリ。手術時間も片側二分程度ですので、治療を受けた患者さんの多くが『思っていたより全然痛くなかった』と言っています」(同前)
手術は日帰りで、保険も可能。
◆ 女性セブン 平成22年 5月6日号 に院長のコメントが掲載されました
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- 家庭の医学 基礎編 『しろくまカフェ』課外講座
- 耳かきは月1回でOK! 他人が使用したら消毒を・・・
「慶友銀座クリニック」院長の大場俊彦さんは、「耳かきは月1回で充分」と語る。
「耳かきは、耳の入り口付近だけを行います。耳かきを入れて痛いと感じるときは鼓膜に近い証拠なので、そこまでやってはいけません。耳の奥に耳あかが溜まりやすい人は、定期的に耳鼻科でとってもらうのがいいですね。また、耳のなかにはさまざまな菌がいるので、家族でも他の人が使った耳かきは家庭用消毒液で消毒しましょう。
もし耳に炎症があれば、自分の耳でも、逆の耳を行う前にも消毒をしましょう」
鼻血が出たらまず下を向く・
鼻血が出たら、慌ててティッシュを鼻に詰めて、仰向けに寝て安静にする・・・。こんな行動をとってしまう人も結構多い。しかし、それは間違い。
「鼻血は鼻の入り口の毛細血管が切れて出血していることがほとんどなので、鼻血が出たら小鼻の部分を指で押し、下を向いて血液が口に流れ込まないようにします。口に流れてきた血液は吐き出しましょう。通常はこのまま10分ほど待てば止まります。ティッシュや綿を詰めるのはできるだけさけてください。特に小さい綿球を詰めてとれなくなって、慌てて病院へ来る人も多いんです。注意しましょうね」(前出・大場さん)
この体勢でしばらく待っても出血が止まらなかったり、大量の血液が口へ流れてくる場合は、動脈性出血の危険があるので、すぐに病院へ。
◆ 月刊みすみ 2008年3月号
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- 間違っていませんか? あなたの"耳そうじ"
- 慶友銀座クリニック 院長 大場俊彦先生
耳そうじをしていて、耳の中を傷つけてしまったことはありませんか?
耳の中は非常にデリケート。正しいお手入れ法の注意点を紹介しましょう。
・・・耳の中はとても敏感・・・
耳全体の構図は図に示した通りですが、耳の穴から鼓膜までの筒状の部分を外耳道といい、耳そうじなどに伴うトラブルは、主にこの部分に起こります。
外耳道の入り口から、約1/3は軟骨でできており(外耳道軟骨部)、汗腺組織があるため、ここに耳垢がたまることになります。さらに、その奥の2/3は骨でできていて(外耳道骨部)、ちょっと触れただけでも強い痛みを感じます。
耳そうじをしていて痛いと感じたら、鼓膜にとても近いところにあたるので、耳そうじはそれ以上深くはおこなわないようにしましょう。
・・・日本人には乾性の耳垢が多い・・・
耳垢は、外耳道に存在する汗腺や皮脂腺由来の分泌物に、剥離離脱した角化表皮細胞や毛髪、粉塵などが混在してできます。専門的には「じこう」と読み、英語では「イヤー・ワックス」ともいいます。耳垢には乾燥してポロポロしている乾性耳垢と、あめのように湿った柔らかい湿性耳垢があり、遺伝と深く関係しているといわれます。ヨーロッパ人はほとんどが湿性型で、日本人は乾性型の耳垢が多数を占めています。
一般的には汚いと思われている耳垢にも、殺菌作用や外耳道表面の乾燥を防ぎ、保護する働きなどがある、とされています。また、耳垢があることで、物理的に昆虫などの侵入を防いでくれる機能がいわれており、耳垢がないほうがよい、ともいえません。
以前、沖縄の離島に派遣されていたとき、寝ている間に外耳道に小さな虫(ゴキブリ等)が入ってきた患者さんが、よく診療所にやってきました。きれいに掃除された耳の中に虫の羽が見えたとき、耳垢には確かに昆虫の侵入を防ぐ作用があるのかもしれない、と納得したことがあります。
・・・正しいお手入れ法は?・・・
外耳道の中を覆う組織は、いつも新陳代謝を繰り返しており、自浄作用によってベルトコンベアー式に、ごみや耳垢を奥から出しています。そのため、あまり耳そうじをやりすぎるとその自浄機能を妨げ、かえって耳垢がたまりやすくなり、外耳道の炎症を起こすことがありますので、注意が必要です。
このように耳垢は、外耳道の状態が正常で、年齢による新陳代謝の機能低下がなければ、移送能力により入り口部分まで移動して自然に取れてしまいます。ですから、極端にいえば、耳そうじは必要ないともいえます。
ただし実際は、耳垢が湿性でキャラメルのように耳の奥に固まって、詰まっている人(耳垢塞栓)、綿棒などで中に押し込んでしまった人、外耳道に変形がある人、老人の方などは、トラブルがあれば、耳鼻咽喉科を受診していただくのがよいでしょう。
耳鼻咽喉科では、最新の耳用の特殊な顕微鏡や器具を使い、丁寧に取り除きます。耳垢も立派な病気だと認められており、保険診療の対象となっています。なかなか取れない、何か耳に詰まっていて聞こえにくいといった人は、ぜひ耳鼻科を受診してください。
・・・「耳かき」の共有に注意!・・・
日常の心がけとして一番大切なことは、むやみに耳をいじらないことです。耳垢も、せいぜい入り口付近を取るくらいにしておけば十分です。
慢性の外耳道の炎症は、耳垢の取りすぎが原因のことが多いので、ほどほどにしましょう。大きな耳垢は3ヶ月に1度取る程度で問題はありません。普段は1~2週間に1度、お風呂上がりに綿棒でそっと触る程度がおすすめです。
耳かきにはさまざまな種類があり、「自分にはこれでないと!」という方も多いでしょう。それはよいのですが、大切なのは、なるべく耳かきを共有しないことです。
最近、バイ菌(緑膿菌など)やカビの外耳や中耳への感染例が多く、右耳に感染したのに、次には左耳にも感染していたという患者さんもたくさんいます。普段から「マイ耳かき」を使うように心がけ、事前に丁寧に消毒するような気遣いも大切です。
耳そうじをしているときに、子どもがたまたまぶつかってきて「耳かき」で鼓膜をやぶってしまう患者さんも当院では1ヶ月に1~2人ほどいます。まわりに子どものいないことを必ず確認し、できるだけやさしく、清潔に気を遣いながら、耳そうじをしましょう。
◆ ばんぶう 2010年10月号
- ~ 地域に学ぶ、診療所の未来
◆ FOOTBALL KARTE Oct.2010 Autumn Season Vol.4 に院長の記事が掲載されました。
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- 鍛えられないからこそ大事
- 耳のケアとスポーツの関係性
鍛えることが無理な聴力だから毎日のケアが大切
子供時代、中耳炎で耳鼻科のお世話になった親御さんは多いのではないだろうか。また、耳にあれこれと突っ込んでしまい、怖い思いをした経験があるだろう。
「一度失った聴力は、もとには戻らないんですよ。だから、しっかりとプロテクト、守らなければなりません」
そう話してくれたのは、慶友銀座クリニックに勤務する大場俊彦院長だ。
「もともと難聴という人は、サッカーを楽しむという形になるでしょう。残念ながら、プロになる可能性は低くなると思います」
選手同士のコミュニケーションやコーチング、監督からの指示など、ピッチに立てば「声」によって、さまざまな判断をしなければプレーはできない。
また、相手のポジションやボールの位置など、耳で感じとる情報は少なくない。
「また、聴力は鍛えることができないものの一つです。おかしいなと思ったら、すぐに耳鼻科で聴力検査をしてもらってください」
では、耳に関してどのようなケガの症例が多いのだろうか。
「ボールが直接耳に当たり、鼓膜が破れるというものです。ボールが飛んでくるのがわからなければ、防ぎようはありません。プロテクトするには、避けることが大切です。そのためにはまわりを見ることが大事なんです。
ただ、そんなに心配はいりません。鼓膜は自然と治っていくものです。少々破れても、1ヵ月もすればほとんどの人は回復していきます。でも、治るから大丈夫と無視しないで、きちんと耳鼻科で診てもらってください」
もう一つは、鼻づまりからくるという。
「鼻をかんで、耳を痛めてしまうことがあります。かみすぎると、反対の鼻孔から抜けるはずの空気が耳管を逆方向に流れてしまうのです。これで鼓膜が破れたり、さらには人間のバランス感覚を司る三半規管が壊れることがあります。
もし鼻をかんでフラフラするようであれば、休んでください。それでもまだフラフラするようであれば病院に行ってください。無理は禁物です。なぜならば、三半規管は手術できるところではないからです。これは大人にもありうることです」
耳と鼻はつながっていることから、鼻炎などから耳を傷めるケースは多いそうだ。
「子供はアデノイド(鼻のつきあたりののどの奥にあるリンパ組織。鼻やのどの周辺から細菌が侵入することを防ぎ、免疫をつかさどる役割がある)や扁桃腺が大きいため、鼻炎になりやすいのです。アデノイドや扁桃腺は大人になるにつれて小さくなるものですが、なかには巨大すぎて食事ができなくなるほどのお子さんもいらっしゃいます。
それから、くしゃみを止めてしまうのもよくありません。くしゃみを怒る学校の先生もいらっしゃるようで、そういう時、お子さんはくしゃみが出そうな瞬間、口と鼻をふさいでしまうんですね。これをしてしまうと中耳炎になりやすくなってしまいます。
また、くしゃみの時に鼻水が出るからと言って、鼻をつまむ人もいますが、これも中耳炎になる可能性が高いです。
くしゃみは自然なものです。ですから、自分で無理に止めるのはやめてほしいのです」
鼻のかみ方も、大きなポイントなのだろうか。
「原則は片方ずつです。両方を一度に強くかもうとすると、鼓膜に負担がかかります。鼻をかむのは、お風呂に入っている時がいいですね。身体が温まり、鼻孔も拡張しています。そこで1日1回かむだけでも全然違います。ひして、かむのはゆっくり、強くしないでください」
耳の話に戻そう。耳のお手入れはどうすればいいだろうか。耳そうじをして耳垢が出てくると、つい奥まで綿棒を入れてしまうこともあるだろう。
「基本的に耳そうじはしなくていいのです。耳垢がキャラメルみたいな状態であれば、それは耳鼻科に行ってください。もともと耳垢とは皮膚の一部ですから、少々あったほうがいいのです。
また、耳そうじをしなくても、耳垢は自然にベルトコンベア式に外に出てくるんですよ。
どうしても耳そうじをしたいのであれば、耳の入り口だけで十分です。そうじをしすぎてしまうと、逆に悪くなってしまいます。お風呂上がりや、お子さんだったらプールの後に、耳の中に入った水を抜きたくてティッシュを使う人もいますが、自然と水は出てくるものですから、その時も入り口だけにしておいてください」
耳は、ちょっとしたことでも傷んでしまうデリケートな箇所だということだ。
近年、子供たちもヘッドホンで音楽を楽しむことが多くなってきた。そこで、最後に音と耳の関係を聞いてみた。
「個人差はありますが、ボリュームを大きくすると耳が疲れやすくなってしまいます。試合中、音のバランスで人やボールの位置関係を知ることもあるでしょう。だから、試合前に耳が疲れるようなボリュームで音楽を聴くことはあまりおすすめできません。それ以上に気になるのは、試合や練習に自転車に乗って行くことが多いと思いますが、その時にヘッドホンで音楽を聴くのはやめましょう。事故に遭う可能性が高いです。これは絶対にやめてください」
耳に負担をかけないということ、安全を考えて、耳をふさぐようなことはしないこと。すべては、サッカーでいいプレーをするためだ。
そして風邪をひかないように規則正しい生活、好き嫌いのない食生活を送ってほしい。
◆ 夕刊フジ(2010年12月19日)に「耳掃除をするとよく聞こえるようになる!?」の話が掲載されました。
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- 知りたくもない!? カラダの不思議
- 耳掃除をするとよく聞こえるようになる!?
頻度は1ヵ月に1度で十分
師走の慌ただしさのために、うっかり忘れや、大事なことの聞き漏らしも増えてしまいそうな時期。昔から「耳の穴をかっぽじってよく聞け!」などという言い方をよくする。「かっぽじる」とは「掻く」と「ほじる」からなる言葉で、「耳の穴に詰まった垢をほじくって取り出す」という意味で使われているようだけど・・・。そもそも「耳の穴をかっぽじっ」たら、よく聞こえるものなの? 慶友銀座クリニックの大場俊彦院長に聞いた。
「耳の入り口から鼓膜までの外耳道に耳垢が詰まったことによる『伝音難聴』が起こることは当然ありえます。聞こえをより良くしようと思うと、耳の中までキレイにしてよく聞こうということになるでしょう。とはいえ、指などでほじっても詰まった垢がとれるものではないんですよ」
そもそも耳垢は、何もしなくても、ベルトコンベヤーのように自然に外に出ていくものなのだとか。
それでも、やっぱり耳垢が気になることはある。
「欧米人などの耳垢はやわらかくてドロッとした状態が多く、すぐにとれますが、日本人や東アジア系の人の耳垢は少し固くなるもの。その中間のキャラメル状の耳垢の人は、詰まり気味になりますが、指でほじくってもなかなかとれないと思います」
聞こえや耳の健康のためには、どんな耳掃除の方法が望ましいのだろうか。
「耳掃除は、綿棒で耳の穴の表面に出たものをとる程度で十分と考えられています。耳の穴を掘ろうとして、逆に中に詰めてしまっている人が多いんですよ」
一生懸命に「耳の穴をかっぽじって」掃除したことで、逆に耳の詰まりになってしまっているとしたら、皮肉なことだ。では、耳掃除の頻度は、どのくらいが適切なのか。
「耳掃除は、2―3間に一度、あるいは1ヵ月に一度程度で良いと言われています。日本人には毎日耳掃除するような人がいますが、耳を掘りすぎスギなんですよ」
耳掃除はやりすぎないことが大切。それでも不調な場合は、「かっぽじる」より耳鼻科を受診してみては?
◆ サンデー毎日 2011年2月6日号に院長の記事が掲載されました。
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- サンデー健康アカデミー Vol.32
- 花粉症・最新対策講座
花粉飛散量は前年の10倍!? 高周波による最新治療法
環境省は今年の花粉飛散量は多い地域で昨年の10倍と予測する。数年ぶりの大量飛散で、今まで症状のなかった人でも新たに花粉症になる可能性が高いと、耳鼻咽喉科・アレルギー科の慶友銀座クリニック(東京都中央区)の大場俊彦院長は予想している。
「通常は花粉の飛散が始まる1月下旬から来院者が増えますが、今シーズンは12月末ごろから早めの対策を取る人が増えています」
最新の治療・対策法はあるのか? 同院ではレーザー治療と、ソムノプラスティという治療法を行っている。ソムノプラスティとは機器の名前で、正式な治療法名は「高周波ラジオ波電気凝固法による下鼻甲介切除術」という。
◆ 週刊現代(2011年2月26日)に「特発性両側性感音難聴」の話が掲載されました。
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- 再起が危惧される中村勘三郎の病気 「特発性両側性感音難聴」
- 歌舞伎役者・中村勘三郎(55歳)が、「極度の疲労と尋常ではない耳鳴り」で5月頃までの休養を発表した。
◆ 夕刊フジ(2011年2月27日)に「なんで耳の穴がかゆくなるの?」の話が掲載されました。
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- なんで耳の穴がかゆくなるの?
- ときどき、ふいに耳の穴が猛烈にかゆくなるということがある。そんなときに思い出すのは、昔から言われた「耳がかゆいと良いことがある」という言葉だ。
◆ 壮快(2011年6月号)に「耳管開放症」の話が掲載されました。
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- 患者は年間数人から一日一、二人に急増
- おなかの出た人にメタボリック症候群のリスクが指摘され、メタボ検診が行われるようになって以来、私のクリニックで「ある異変」が起こり始めました。メタボを指摘され、ダイエットに励んだ中高年の男性が「耳の様子がおかしい」と、受診するようになったのです。
頭を前に倒すと症状が軽くなる
なぜ、やせた女性や体重をへらした男性にこの病気がふえてきたのか、はっきりとはわかっていません。しかし、このように推測することはできます。ダイエットにより、体脂肪がおちるなかで、耳管を囲む周りの脂肪組織もへって、耳管が収縮しにくくなるために起こるのではないか、ということです。
◆ I'mfine(春号)に「鼻炎」の話が掲載されました。
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- つら~い鼻炎、その原因は?
- 鼻水、鼻づまり、くしゃみといった鼻にまつわる疾患を総称して「鼻炎」といいますが、その原因は多岐にわたり、人によって程度もさまざまです。
しかし、たび重なる鼻水やくしゃみは誰でもつらいもの。
鼻炎とうまくつきあうには、まず鼻炎の原因を知ることが大切です。
鼻炎には、いわゆる鼻かぜに代表されるウイルスを原因とする感染性のものと、花粉やハウスダストを原因とする非感染性のもの(アレルギー性胃炎)があります。感染性のものであれば、かぜを治せば鼻炎も当然治りますが、非感染性のアレルギー性胃炎の場合は、その原因となるものを取り除くことが必要です。
◆ 「ニュートップ」9月号に睡眠時無呼吸症の話が掲載されました。
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- 「大きく激しいイビキは病気の前触れ。睡眠時無呼吸症の可能性も…」
- 日本の医療を変えるべく、独自の取り組みを行う人々を訪ねる連載。今回は「イビキ・睡眠時無呼吸症候群」の治療に国内では珍しい高周波ラジオ波などを導入し、多くの患者を救ってきた耳鼻咽喉科・アレルギー専門の大場俊彦医師に、病気の原因と治療のポイントについて聞いた。
旅行や出張で同室になった人のイビキの音が大きく、よく眠れなかったという経験はないだろうか。なかには、自分のイビキで目が覚めたという人もいるかもしれないが、普通は、自分のイビキがどれほどのものかはわからないもの。家族や他人に指摘されて気づく人も多いだろう。しかし、それだけでは済まないことも…。「眠りの質が低下しているばかりか、何らかの疾患を患っているおそれがある」と、イビキの専門治療を行う慶友銀座クリニック院長の大場俊彦は指摘する。
◆ ばんぶう 2012年1月号(Vol.370)に院長の話が掲載されました。
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- The Practice -実践から学ぶ経営手法-
- リーダーのための経営バイブル 大場俊彦さん(慶友銀座クリニック)
「思考スピードの経営」 ビル・ゲイツ/日本経済新聞社
「スノーボール ウォーレン・バフェット伝」 アリス・シュローダー/日本経済新聞社
「ジャック・ウェルチのGE革命」 ノエル・M・ティシー、ストラトフォード・シャーマン/東洋経済新聞社
院長として診療所の運営に携わる前から手に取っていた本が、今の経営に活きていると日々感じることが多くなります。なかでも印象に残っているのは、ビル・ゲイツの「思考スピードの経営」。経営は”運”に左右される部分が大きく、ツイてる時があれば、またそうでない時もある。だからチャンスが転がり込んで来たら、その運を必ず味方につける。与えられたラッキーを大切にすることが重要であると再認識させられます。
◆ 都耳鼻会報 第137号 P64~P67より引用
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- ほりクリニック 堀雅明先生(耳鼻科) 塚原美穂子先生(精神科)
- 1.診療ガイドラインとは何か?
まず、小児急性中耳炎診療ガイドライン:日本耳科学会他編/医療・GL(09年)/ガイドライン(文献?)より項目No5,6,16を例に、診療ガイドラインの問題点を指摘してみます。
5.作成目的ならびに目標
このガイドラインが小児急性中耳炎患者の診療にあたり臨床的判断を支援するために活用され、中耳炎患者の診断・治療に有益となることを目標とする。
6.利用者
主として正確な鼓膜所見の評価、鼓膜切開を含む耳処置を施行し得る耳鼻咽喉科医を対象者とする。
16.患者の希望
ガイドラインの将来的な改定では、患者・保護者の希望をより反映する取り組みについても検討する予定である。
上に挙げた現状の診察ガイドラインの問題点は、・臨床判断的には、純粋に医学的課題のみに注目し、患者さんの生活背景、ライフスタイル、食習間、鼻のかみ方といった重要な習慣などの、個別的な課題にまで踏み込んでいない。
・患者さんは、希望を述べる立場におかれ、治療に協力したり参加したりする立場には置かれていない。 その背景に、医学的治療効果に生活背景、習慣、ライフスタイルといった患者側に求められる行動変容、自主努力、医師との共同作業といった視点が考慮されていない。
・治療は、医療者側の医学的質が向上すれば、きっと効果が高まるという未熟な仮説に依拠していて、多面的視点が欠落している。
・治療者と、医療者の協働による治療効果の向上について十分意識されていない。
新たなガイドライン作りへの提言
・医療提供者の役割のみならず、患者本人と、家族の積極的役割と可能性を考慮する。
・治療と養生の共同による相乗効果により、全体の治療効果を高める可能性に着目する。
2."正しい鼻のかみ方"は普及しているのか?
ここまでに指摘してきた点を、中耳炎のガイドラインのあるべき姿について当てはめてみます。私自身の経験と理解では、中耳炎の治療においては、"鼻のかみ方"がとても大きな影響を持っています。従って、中耳炎の治療効果を高めるには、この点は、どのような治療薬を処方するかということと同様にとても重要なのです。医療側が行う治療的なアプローチと、患者さん側の努力なしには進まない鼻のかみ方を身につけるという習慣に関わるアプローチの両方が、相乗効果を発揮する時、もっともいい結果が生まれると考えています。今回は、さらに、中耳炎のガイドラインに関わる他の問題点として、鼻洗液の利用、鼻すすりの問題点、食事をよくかむ習慣の3点についても指摘させていただきます。
鼻の正しいかみ方の現状として、図?に正しい鼻のかみ方に関するアンケート調査の結果を示します。普及度が、かなり低いことがわかります。ただし、このアンケートで正しいかみ方として基準になっている矢部先生のかみ方には、"口をしっかり閉じる"という最も重要な点が欠落していますので、実際は、もっと深刻であると考えます。
鼻のかみ方ガイドライン試案をひとつのページに示します。(御自由にコピーして御利用下さい。)
3.小児副鼻腔炎に対する鼻洗液の有用性
正しいかみ方の効果をより高める方法として、ぜひ実践したい方法が、鼻洗液の利用です。
以下にその作り方と効果を示します。
・水500ml 食塩10g 重曹2.5g を溶解してペットボトルなどに保管、点鼻用の容器に入れて(当院では点眼ビンを転用)点鼻する。小さい子では、そのあと吸引、大きい子では鼻をかませる
・研究では、抗菌剤を使用せずに2週間の鼻洗浄を行った症例では、(鼻汁、鼻閉、咳、喘鳴、夜間睡眠障害)が、70%で消失し、他覚的症状としても鼻汁の正常、鼻汁の量、後鼻漏も55~70%改善した。
*なお、当院では、SK点眼ビン茶色(SHINRYO)10mlに作り置きし、患者さんに配布しています。
4.しっかり噛んで食べる習慣をつけること
鼻をしっかりかむには、口がしっかりと閉じる必要があります。この訓練は、実は、口輪筋をはじめとする口の周囲の咀嚼筋肉群を鍛えることにもつながります。結果として、口呼吸傾向の改善に役立ちます。また、咬合の強化をとおして、脳血流の増加にもつながります。実際、鼻副鼻腔炎症状(多くの場合、アレルギー傾向を伴いますが)がある時には、副交感神経が優位になり、意識状態も、ややボーとして、傾眠傾向に傾きがちです。鼻をかむ、という意識的な行動は、交感神経を優位にしますので、意識を目覚めさせるように働き、自律神経の面からみても治療的効果があります。こうした点から、鼻をかむ練習と並行して、ご飯のときにしっかりとかむ習慣をつけることも、相乗効果を得ることになります。
5.全身の生体機能の障害の部分的例外としての中耳炎
最近、one airway, one disease という視点が注目され始めています。まだ、その本体に関しては試行錯誤段階かもしれません。中耳炎という病気も、呼吸器官の一環に起きている病態です。従って、少なくとも呼吸器全体の病理に関連していることは、容易に理解できます。鼻のかみ方の指導を通じて、多くのお子さんの呼吸を観察してきました。その結果、確かに呼吸が浅い、あるいは、十分息を吸って吐きだすという意味において、不十分で浅い呼吸習慣が多くの例に観察されてきました。従って、鼻のかみ方に限らず、より深い呼吸が出来るように具体的に指導することも大切なポイントであると確信しています。最近、当院では、症例によっては風車を配布し、呼吸訓練をするよう指導する試みを実験的に始めています。当院では、オイリュトミーという運動療法を指導する例もあります。
6.普通牛乳・乳製品の大きな課題
当院では、従来、乳幼児を中心に、牛乳乳製品を制限することで副鼻腔炎や中耳炎の改善する例を経験してきました。これは、単にアレルギーの関与にとどまらない多面的な視点からの指導です。最近、ようやく、大田区でも本格的に普通牛乳の栄養学的問題点に注目が集まっています。高野英昭先生(大森医師会・高野医院)を中心に学校給食に低脂肪、無脂肪牛乳を取り入れる要望が出され、さらに、大森医師会が中心となって、学校給食における牛乳の大きな問題点に関する基礎研究が始まるところです。実際、英国、米国では、学校給食での普通牛乳の提供は法的に禁止されています。また、デンマークでは、普通牛乳に脂肪税を課税しています。こうした背景を考えれば、保育園や乳幼児における普通牛乳の摂取が大きな問題であることは十分理解されます。動物性脂肪、飽和脂肪酸は、多様な炎症反応を誘導するので、副鼻腔炎、中耳炎において関与することは容易に想像できることと考えます。こうした問題も、今後、耳鼻科医が注目すべき重要な課題なのではないでしょうか?
7.まとめ
耳鼻咽喉科臨床、ひいては、医療全体の改善に関するモデル提示
今回、まず、現在のガイドラインの問題点を、中耳炎治療のガイドラインを例に指摘しました。続いて、この問題点を踏まえて、正しい鼻のかみ方のガイドラインの試案を提示しました。従来の中耳炎の治療に、正しい鼻のかみ方の指導を加えることで、より治療効果が高まると考えます。さらに、鼻すすりを減らし、鼻洗液の利用を進め、ご飯を食べるときにしっかりとかむ習慣をつける、しっヵりと呼吸できるように指導するといった多様なアプローチを加えることで、さらに良い結果せ結び付くと考えます。今後は、図2に示すように医師の行う医療的、治療介入に、患者さんの側の自助的、養生的な介入を統合することで、より効果的な治療結果につなげられる可能性があると考えます。
*本論文は、大田区医学会(H23.3.12)で発表し、投稿した論文をもとに一部加筆し改編したものです。
参考ホームページおよび文献
急性中耳炎の診療ガイドライン
医療情報サービス Minds(マインズ) 厚生労働省科学研究費補助金により公開中
http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0040/1/0040_G0000233_0014.html
大田区医学会誌 vol.3 2011 38-40
大王製紙ホームページ
正しい鼻のかみ方アンケート調査結果
http://k186920.bizloop.jp/release/AT19070/
ほりクリニックホームページ
http://www.horiclinic.org
高野医院ホームページ
http://www.t3.rim.or.jp/~pxcqahid/
鼻のかみ方ガイドライン試案
作成目的ならびに目標
このガイドラインは、医師が、小児急性中耳炎患者の診察にあたり臨床的判断を支援するために急性中耳炎の診療ガイドラインと並行して活用され、また患者及び家族が、治癒の促進に向け取り組むべき個別の課題を提示し、中耳炎患者の診断・治療に有益となることを目標とする。
利用者
主として正確な鼓膜所見の評価、鼓膜切開を含む耳処置を施行し得る耳鼻咽喉科医、そして医師と共に治療の向上に取り組む患者及び家族を主なる対象者とする。
鼻をかむ目的
目的は、しっかりとたまった鼻汁を出しきること(特に、幼児、小児では、副鼻腔が、発達過程で小さいので、しっかりかみきることによって、副鼻腔にたまっている膿性鼻汁をかなり、出し切る事が可能)
正しい鼻のかみ方の効果
・副鼻腔炎、特に小児副鼻腔炎の治癒の促進
・中耳炎の改善の促進、再発率の減少、予防
・後鼻漏による特に夜間、所長の咳の軽減、気管支炎への進行の予防
・抗生剤投与の減少による耐性菌の減少(多剤耐性菌はオランダ3%、本邦60~70%)
・鼻をかませ、その様子を観察すると、子供の呼吸の状態が把握できる(たとえば、浅く、弱い呼吸であるかなど)
・繰り返す鼻かみ訓練を通じて、呼吸をしっかりすることの動機付けと訓練になる
・鼻のかみ方の訓練を通じて、親の子に対するしつけの訓練にもなる
・子供、親に、自らの体に対する積極的関与、健康管理への自己責任を学ぶ機会を与える
正しい鼻のかみ方
・片方ずつかむ
・口をしっかり閉じてかむ
・適度の強さを持ってかむ
・十分空気を吸い込んでからかむ
・鼻汁を出し切るまで、繰り返しかむ
・ななめ下を向いてかむ(自然孔の位置を考慮すると、左側をかむ時には右斜め下に首をねじり、右をかむ時には左斜め下に首をねじるという意見もあるでしょう)
鼻のかみ方の指導上の注意点
・親や、指導する人は、言葉のみではなく、子供の鼻にちり紙を当て、身を持って指導する。
・本人にも、効果を実感させることで意欲を促す
・特に、しっかり口を閉じているかどうかは、たびたびチェックし、不十分なら、指導を繰り返す。
・耳管は、乳幼児では、発達過程にある。したがって、一部の例では、不十分な耳管閉鎖機能により、鼻汁が、中耳へと逆流する可能性があるので、個別性に十分配慮し慎重にすすめる。
・急性中耳炎の発症直後には、多くの場合、子供さんが、いかに誤ったかみ方なのか、あるいは、いかに誤ったかみ方なのかを親に対して示すのみに留めることも大切です。その後、慎重に様子を見て、学習を始めていくようにします。
・特に若年のお子さんの場合、ちり紙を鼻に充て、左をかませる時には右親指を右の鼻にあて、第2指、3指を上から、下へと3か所ぐらい移動させながらかみ分けると、より効率的にかみきることが可能となる。
訓練上の工夫
子供に教えるときには、時には、ちょっとした仕掛けも必要です。医師が、ティッシュをちぎって、片方の鼻に入れ、思いっきり押し出し、ティッシュが飛び出すのを見せると、子供たちは、大笑いします。笑いと同時に、鼻かみの時に大切な、前もって十分吸い込むと、後で、しっかりと吹き出すことができるということを明確に伝えることができます。また、しばらく、ちゃんとかめていた子供でも、急に、いやになって親に鼻をかませなくなることもあります。それでも、根気強く続けていると、またできるようになってくるものです。親にとっては、これ自体が躾の訓練にもなります。躾の苦手で、子供のいいなりになる親の増えている現状では、医師側の教育的手腕が問われます。
鼻すすりの問題点
鼻をすすること自体は、鼻汁が出てくるのと同じように、後鼻孔付近に鼻汁がたまった時に、ほとんど無意識にやる行為です。これに対し、"すすってはダメですよ"と伝えることに、年齢がある程度いった子供では意義があります。ただし、低年齢では、"~してはダメです"という否定的な指示は実行しにくいことは、教育学の視点から知られています。特に、無意識のうちにすすることを、意識して止めることは、年齢が若いほど学習しにくいことなのです。意識的に、鼻をしっかりかむ習慣がつくにつれ、必要に応じて耳管を閉じることが学習されてきます。それにつれ、たとえ、すする時でも、耳管を閉じるようになってきます。実際、耳管の閉鎖と開放の機能は、発達過程で学習を通じて獲得されるものです。そのために、しっかりと、繰り返し指導していくことが必要なのです。
◆ I'm fine 2009年夏号
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- パーツ別 気になる症状
- 監修 慶友銀座クリニック院長 大場俊彦
毎日の耳そうじ、実は不要です
お風呂に入ってきれいさっぱり、仕上げは綿棒で耳そうじ・・・・・・、こんな方は多いはずです。また、気持ちよさのあまり毎日の耳そうじが習慣になっている方もいるでしょう。最近では、様々な耳そうじグッズも発売されています。しかし、耳のためには過度な耳そうじは禁物なことをご存じでしたか?
◆ 社団法人 日本衛生材料工業連合会 日衛連NEWS No.74
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- 耳垢はどうして溜まるのですか?
- 専門医に聞く「綿棒の正しい使用法」 ~慶友銀座クリニック 大場俊彦院長インタビュー~
慶友銀座クリニック(耳鼻咽喉科・アレルギー科) 院長 大場俊彦先生
慶應義塾大学大学院医学研究科 博士課程外科系を終了後、医学博士号を取得。慶應義塾大学病院、国立小児病院といった東京都心の中核病院に勤務。
2005年に慶友銀座クリニック開院。
耳垢とは、皮膚の老廃物にゴミが混ざって浮いてきたものです。耳の入口近くに溜まり、本来はひとりでに外に出てくるのですが、中には耳内のカタチや耳垢が固くキャラメル状になっているなどの理由で外に出にくいという方もいます。
耳垢を放置すると耳が聞こえにくくなると考えている方がいますが、そうしたケースは滅多にありません。むしろ耳掃除のしすぎは弊害の方がはるかに大きいことを知ってください。たとえば、耳掃除をすることで、逆に耳垢を奥に押し込めてしまうこともあります。また、耳掃除をしすぎると耳の中が炎症を起こしてしまい、耳垢を自然と外に排出するという、人が持つ本来の機能が低下する恐れもあります。
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